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FX「今年の日本は過去最大の貿易赤字となるか。エネルギー価格が重要な為替変動要因」

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総括

FX「今年の日本は過去最大の貿易赤字となるか。エネルギー価格が重要な為替変動要因」

ドル円=138-143、ユーロ円=136-141、ユーロドル=0.96-1.01

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価4位(5位)、今年は過去最大の貿易赤字となるか。エネルギー価格が重要な為替変動要因」
 8月上旬の貿易収支は1.03兆円の赤字、年初来、累計で10.35兆円の赤字となった。このペースだと2014年の過去最大の赤字の年間12.73兆円の赤字を上回る。日本と言えばかつては膨大な貿易黒字の国で、1985年のプラザ合意で黒字縮小のために円高誘導された(円高は進んだが黒字縮小とはならなかった)。1981年から2010年まで30年間貿易黒字が続いた。ただ2011年から2021年の11年間では8回の年間貿易赤字、今年も貿易赤字が続いてる。貿易黒字時代は270円台から75円までの円高、2011年から貿易赤字の年が増えだしてからは76円から140円の円安が続いている。
 日本の国力が落ちたとか、日米金利差で円安と言われるが、根本要因は貿易赤字であり、史上最大の赤字となったのは2014年も2022年も原油価格の高騰によるものだ。それと中国の台頭で日本の輸出が伸び悩んでいることだ。もちろん、毎月毎月円安がものでもなく、ウクライナ侵攻以降では5月と7月が季節的需給の要因もあり円高となった。それでもドルの下押し後は、急速にドルが戻すのは貿易赤字によるもので、貿易需給では1日平均5億ドルの貿易赤字によるドル買いがネットででる。これは資本筋や投機筋と異なり、ドル買い切りなので市場に大きく影響する。
円安傾向は貿易収支の変化がない限り続くが、5月、7月のような円高への調整があるとすれば、年末までは欧米の企業、資本筋が決算前に円キャリーを決済する時か。またG7でドル高の弊害が議論され始める時か(今のところ、その兆候はない)。
 テクニカルでは9月2日に上昇一服を示唆する「波高い」線が出ているが、貿易赤字によるドル買いで141のせならさらなる上昇もある。ちなみに本日、9月5日は米国市場休場でドルの決済は出来ず、ドル買いは幾分収まる。当局の口先介入にも注意したい。


*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)10位(8位)、金融引き締めでは、インフレ抑制に時間がかかりそうだ。株下落の弊害も出てきた」
 今年、強い通貨はメキシコペソ、米ドル、カナダ、豪ドルと資源国通貨が上位に並ぶ。弱い通貨はトルコリラ、円、ポンド、ユーロと資源を持たざる国が続く。FRB、ECBともに同じような強い決意で金融引き締めを続ける意向だが、通貨の強弱には大きな差が出ている。かつて膨大な貿易黒字で強い通貨を有していた日本、ユーロ圏の通貨が弱体化している。ロシアのウクライナ侵攻後の原油価格急騰によって貿易赤字が拡大している。ただ利上げを行い、景気を減速し、失業率を高める政策は時間がかかり弊害も大きい。
 日本のバブルも日銀が利上げを続行しても収まらなかったが、大蔵省の土地総量規制という政策で一気に土地バブルが消滅した。今回も高インフレの根本の原因である原油価格を抑えることがインフレ抑制の近道だが、ロシアも天然ガス、原油政策を武器のようにとらえて、価格の高値圏維持のために、労をとっているので、なかなかエネルギー市場の安定化に繋がらない。長期的な我慢比べだ。FRBの政策の是非はともかく、金利の上昇は短期的にドルを上昇させる。最近のCPIの低下、インフレ期待指数の低下、ガソリン価格の低下、失業率の悪化でもFRBは手綱を緩めないようだ。今週は、パウエル議長、ブレーナード理事、バー理事の講演があり、来週の8月CPI発表へ向かう。ドル高についてこれまで言及していないベージュブックの公表も注目したい。


*ユーロ「通貨9位(9位)、株価13位(14位)DAX)、米国と利上げ競争か、高インフレで景気悪化、貿易赤字。ユーロ相場にも神経質」
 高インフレ、ユーロ安、経済指標悪化と苦しい展開が続く。今週の金融引き締め強化が直ぐに高インフレ抑制に繋がるものではないだけに灯りは見えない。ロシアは天然ガス供給停止を継続している。それでも苦しい利上げを続けるのが金融当局者の宿命なのだろう。利上げは幅は0.5%から0.75%との予想があり、前者ではユーロが売られるだろう。後者では一時的にユーロが上昇しても、米FRBも同幅利上げとなると、経済指標が米国より弱いユーロは心許ない。ユーロ圏は貿易赤字となり日本同様に需給面での支えがない。
ECBは議事要旨でユーロに多く言及しているように、ユーロ安がインフレ率を高めているとしている。ただG7で原則禁止されている介入を行うほどまでは至っていない。ECBが以前、介入したのは200年の11月で1ユーロ=0.85ドル以下であった。
 8月のユーロ圏消費者物価は前年比上昇率が9.1%と、前月の8.9%から加速し、前月に続いて過去最高を更新した。予想の9.0%も上回った。一方、最近の他の経済指標は、8月の独製造業PMI改定値は49.1と、好不況の分かれ目となる50を2カ月連続で下回り、2年以上ぶりの低水準、8月のユーロ圏景況感指数は97.6と、前月の98.9から予想の98.0以上に低下した。苦しい展開が続く。


*ポンド「通貨10位(10位)、株価3位(3位)、トラス首相ではインフレ高進か。次回政策金利予想は0.5%利上げだが、FRB、ECBの0.75%予想からは物足りない」
 パリティ割れで弱いとされるユーロよりも弱く、円よりは若干強い。高インフレ、景気悪化が続く。9月14日の消費者物価、9月15日の政策金利決定の前に、9月5日に保守党の党首選の結果発表がある。トラス外相が英新首相を決めるレースで優位に立っている。トラス氏は減税を公約しているが、高騰するエネルギー料金への対策について、まだ詳細を明らかにしていない。トラス氏の減税計画が一段のインフレを引き起こし、ポンド売りとなれば英中銀に利上げ加速を強いることになると指摘されている。
 英中銀の1年後のインフレ率予想は8.4%と、7月調査の7.3%から上昇した。3年後のインフレ率予想も4.2%と、英中銀の目標である2%を大幅に上回った。また、賃金に関しては5.5%引き上げる意向を示した。前回は5.2%だった。15日の政策金利は0.5%の利上げ予想となっている。FRB、ECBは0.75%利上げが予想されているだけに0.5%利上げは物足りないように思える。8月の製造業PMI改定値は47.3と、2020年5月以来の低水準となった。
インフレを巡る不透明感の高まりと国内外の景気後退リスクを背景に、生産と新規受注が過去2年あまりで最大の落ち込みを記録した。


*豪ドル「通貨4位(4位)、株価7位(6位)、政策金利は0.5%引き上げか。GDPや貿易・経常収支も発表」
 今週は政策金利、GDP、貿易・経常収支が発表される重要週だ。通貨は資源国とあって、年間4位と強い。9月6日のRBA理事会では、インフレ抑制に向け4会合連続の0.5%利上げが予想されている。FRBの金融引き締め強化発言も影響するだろう。今週発表の2Q・GDPは1Qから改善される。7月の小売売上高は前月比1.3%増の347億豪ドルと過去最高を記録した。一方、7月就業者数の減少、賃金の伸び悩み、住宅価格の減少はインフレを落ち着かせるだろう。また9月5日に発表される8月のTDインフレ指数もチェックしたい。0.5%利上げなら中銀は景気を熱しを冷やしもしない中立金利を2.5%の水準に近づくことから市場では来月にも利上げペースが減速すると予想している。
 8月の住宅価格は、前月比1.6%下落した。金利や生活費の上昇で需要が低迷し、1983年以降で最大の下落率を記録した。住宅価格は依然コロナ禍前の水準を大きく上回っているが、金利が上限に達し、消費者心理が上向くまでは、価格安定の可能性は低いようだ。また7月の就業者数は減少したが、政府は、今年度の移民受け入れ数目標を3万5000人引き上げ、19万5000人にする方針を示した。新型コロナウイルス禍での入国制限や留学生とワーキングホリデー制度利用者の帰国に伴い、国内の人出不足は深刻化している。


*NZドル「通貨8位(8位)、株価8位(8位)、積極的な引き締めサイクルが終了に近づいている可能性」
 対円では横ばい、対ドルでは弱含み推移している。8月に政策金利を3.0%に引き上げたが、今月は政策金利の決定は無く、次回は10月5日となる。豪やFRBの金融政策を様子見できる。オア中銀総裁は個人消費が沈静化し始めている兆しを指摘し、積極的な引き締めサイクルが終了に近づいている可能性を示唆した。「少なくとも数回の追加利上げがあるだろうが、その後はデータ次第となる態勢になると期待している」と語った。市場の予想も中銀と同様だ。インフレ率はピークに達した可能性があるも3%を下回るのは 2024 年になる可能性がある。住宅価格は2023年半ばまで下落し続けると予想されている。
政策金利は2024 年に低下し始める前に、年末までに4%のピークまで上昇する。その後経済は景気後退に陥る可能性があり、成長率は非常に弱くなる。
過去1年間で、さまざまな世帯の生活費が著しく上昇した。短期的には、賃金の伸びは追いついていない。その結果、今年は家計の購買力が落ち込んでいる。

テクニカル分析

*ドル円「年初来高値更新、ボリバン2σ上限からは反落。波高し線」
日足、年初来高値更新。ボリバン2σ上限からは反落。波高し線。9月1日-2日、8月31日-9月1日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。
週足、3週連続陽線でボリバン2σ上限へ。8月22日週-29日週の上昇ラインがサポート。
月足、8月は例年通りお盆過ぎたあたりから陽転。ボリバン2σ上限まで戻す。6月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで大陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。


*ユーロドル「1.0を超え切れない弱さあり」
日足、何度か1.00を上抜くも上ヒゲを残し、1.00割れに。ボリバン下位。9月1日-2日の上昇ラインがサポート。9月2日は上ヒゲ長い。9月1日-2日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、2週連続陰線の後は下げ止まる。ボリバン2σ下限に近い。8月8日週-15日週の下降ラインが上値抵抗。8月22日週-29日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線下向き。
月足、3か月連続陰線。9月も下落スタート。ボリバン2σ下限。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。


*ユーロ円「一時、雲上、3σ上限近くへ大きく飛び出す」
日足、一時ボリバン2σ上限を上抜き雲の上へ。7月21日-9月2日の下降ラインが上値抵抗。9月1日-2日の上昇ラインがサポート。5日線下向く、20日線上向く。
週足、7月18日週-8月29日週の下降ラインが上値抵抗。8月1日週-8月22日週の上昇ラインがサポート。5週線上向く、20週線上向き。
月足、7月は5か月ぶりに月足陰線。8月反発。3月-8月の上昇ラインがサポート。6月-7月の下降ライン上にあり。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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