ドル/円を中心に、前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年8月11日10時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼10日(水)の為替相場
▼10日(水)の株・債券・商品市場
10日(水)の為替相場
予想を下回る米7月CPIで132.024まで高値から3円超急落。9月75bp利上げ観測が後退。
期間:10日(水)午前6時10分~11日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
———-8/10主な出来事—————————
10:30 中国7月消費者物価指数(前年比) +2.7%
前回+2.5%
予想+2.9%10:30 中国7月生産者物価指数(前年比) +4.2%
前回+6.1%
予想+4.8%
15:00 ドイツ7月消費者物価指数・改定値(前年比) +7.5%
前回+7.5%
予想+7.5%
21:30 アメリカ7月消費者物価指数(前月比) 0.0%
前回+1.3%
予想+0.2%
21:30 アメリカ7月消費者物価指数(前年比) +8.5%
前回+9.1%
予想+8.7%
21:30 アメリカ7月消費者物価指数・コア(前年比) +5.9%
前回+5.9%
予想+6.1%
24:21 エバンズ米シカゴ連銀総裁
「今日のインフレリポートは最初のポジティブな報告」
「インフレは容認できないほど高い」
「FRBは今年と来年、利上げを行うと予想」
「FF金利は年末に3.25-3.50%とみている」
「FF金利は2023年末に3.75-4.00%とみている」
27:00 アメリカ7月財政収支 -2111億ドル
前回-888億ドル
予想-1940億ドル
27:26 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「インフレへの勝利宣言には程遠い」
「FF金利は年末に3.9%、来年末に4.4%を見込む」
「来年初めに利下げするとの見方は非現実的」
「近い将来、リセッションに陥る可能性」
10日(水)の株・債券・商品市場
日経平均 27819.33▼180.63
豪ASX 6992.672▼37.159
上海総合 3230.020▼17.412
英FT 7507.11△18.96
独DAX 13700.93△165.96
NYダウ 33309.51△535.10
日10年債利回り 0.190%△0.021
豪10年債利回り 3.244%△0.060
英10年債利回り 1.951%▼0.020
独10年債利回り 0.888%▼0.032
米02年債利回り 3.2141%▼0.0555
米10年債利回り 2.7809%△0.0036
NY原油 91.93△1.43
NY金 1813.70△1.40
外為注文情報
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本日のひとこと
米7月消費者物価指数(CPI)は伸びが鈍化したとはいえ前年比+8.5%と、まだまだ高水準。それでもこれほどドルが急落したのは、26カ月ぶりに前月比の上昇が止まったことで米国のインフレはピークを越えたとの見方が広がったためでしょう。先週の米雇用統計で高まった9月75bp(0.75ポイント)利上げ観測が急速に後退し、利上げ幅は50bpに落ち着くとの見方に傾きました。ドル/円は5日発表の米雇用統計で約2.5円上昇、昨日のCPIで約3円下落という激しい値動きです。FRBが「利上げペースはデータ次第」と強調しているためドル/円の値動きもデータ次第なのでしょう。
今後、9月FOMCまでに米雇用統計とCPIがもう一回ずつ発表されるほか、今月後半には恒例のジャクソンホール・シンポジウムが開催されます。ドル/円の荒い値動きはもうしばらく続きそうです。
注目の経済指標
<国内>山の日
特になし
<海外>
08:01 7月英RICS住宅価格
09:00 4-6月期シンガポールGDP・確定値
16:00 6月トルコ経常収支
20:00 6月メキシコ鉱工業生産
21:30 7月米生産者物価指数
21:30 米新規失業保険申請件数
26:00 米30年債入札
27:00 メキシコ中銀政策金利
※時間は日本時間での表示になります。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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