豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は上昇。米ドルが大幅に下落したことによる原油の割安感、8月3日開催のOPECプラス総会で原油の増産幅が維持される見通しが強まったことで、原油は買いが優勢。一時1バレル=101ドル台まで上昇。その後は、週末・月末を控えていることから売りに押されて、終値は1バレル=98.62ドル(7月29日)。
・7月27日発表の豪2022年4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%(トリム平均)と、インフレ率は前期(+3.7%)から急伸する結果となった。
・6月分の豪雇用者数は8.84万人増と予想の3.0万人増を大幅に上回る。失業率が3.5%まで低下、労働参加率が66.8%(前月66.7%)へ上昇した(7月14日)。
・7月5日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。声明は概ね前回と同じ内容で、経済指標次第では次回以降も大幅利上げの可能性を残した。次回は8月2日。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。4-6月分は8月17日発表予定。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は上値が重い。中国・米国のリセッション懸念が重しとなる
7月31日(日)に中国国家統計局が発表した、中国7月製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.0だった。予想(50.3)と前回(50.2)を下回っただけでなく、好不況の分かれ目と言われる50.0を下回った。本日は中国7月Caixin製造業PMIが予定されている。中国は7月に、ゼロコロナ政策を堅持するために各地で行動制限の導入・解除を繰り返している。その影響から、予想(51.5)を下振れる結果となる可能性は大いにあるだろう。特に50.0を下回った場合には、中国と交易関係の強い豪ドルには売り圧力がかかってきそうだ。その他、米経済の景気後退(リセッション)懸念がリスク回避姿勢を強めやすい状況を作り上げている。ひとたびリスク懸念が強まれば、リスクオフの円買いが強まることととなり、豪ドル/円は下値を拡大することとなりそうだ。特に23時に発表される米7月ISM製造業景況指数には大きく反応する可能性があるため、気を付けておきたい。
個別の想定シナリオ
■米国の経済のリセッション懸念
⇒市場ではFRBの利上げ幅縮小期待が強まる
⇒日米長期金利差が縮まる
⇒日本円に調整の買い戻しが続く
⇒豪ドル/円は下落
チャート分析
今後の注目材料
10:45 中国7月Caixin製造業PMI
23:00 米国7月ISM製造業景況指数
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は晴れ、豪ドル/米ドルは曇り空に太陽が覗く。7月30日の0時に豪ドル/米ドルのストキャスティクスで買いシグナル点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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