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FX「ドル高の要因、米ドルのリパトリと資源高、変調の兆しもあり」

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総括

FX「ドル高の要因、米ドルのリパトリと資源高、変調の兆しもあり」

ドル円=135-140、ユーロ円=137-142、ユーロドル=0.98-1.03

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価3位(6位)、 円は貿易収支が決め、貿易収支は原油が決める。引き続き「夏の円高 VS 貿易赤字」の7月下旬」
 7月の円相場は当初最強であったが、7月4日週は月間3位、先週(7月11日週)は6位。7月の季節的円高需給で今年の傾向である最弱の円からは抜け出しているが、12通貨中6位であることは例年のように強くもない。やはり歴史的な貿易赤字の下ではなかなか強くなれない。さてイエレン財務長官来日とG20財務相・中銀総裁会合では日本は円安懸念を示したが、為替についてはこれまでのG20合意に基づくものとされて進展はなかった。ただイエレン財務長官が一般論だがドル高は米企業の競争力を弱めると発言したことや、NYタイムズでもドル高の弊害が取り上げられたことは、さらにドル高が進めば議論が深まることを示唆した。
 貿易赤字の通貨を金利操作や介入で強くすることは難しい。日本は逆の意味で円高時代に円を安くしようと金利操作、介入を駆使したが、なかなか効果が出なかった。ただ貿易赤字になると一気に円安が進んだ。もちろん金利操作や介入で20円-40円を動かした実績もあるので注意は必要だが、日銀は金融緩和を維持、介入は原則禁止の現在ではなかなか為替相場の誘導は難しい。今週は日銀政策決定会合と6月貿易統計の発表で金融政策と需給をチェックできる。消費者物価の目標は1.9%から2%超に上方修正するが大規模金融緩和は維持するようだ。貿易統計は1.5兆円の赤字予想。円高月の7月は円全面安とはならないが、若干の調整は想定できる。円相場は貿易収支が決め、貿易収支は原油相場が決める日本だ。8月3日のOPECプラスがバイデン大統領の要請を受けて増産するかどうかも焦点だ。

*米ドル「通貨1位(2位)、株価(NYダウ)10位(10位)、ドル高の要因、米ドルのリパトリと資源高、変調の兆しもあり」
 米ドルは最強通貨の座をメキシコペソから奪った。米ドル、メキシコペソ、カナダドルが年初来3強だ。資源国で、紛争のウクライナから地理的に離れていることも北米3通貨が強い要因だろう。さてドル高については最新のベージュブックでも触れられずドル高懸念はなかったが、少し懸念も出始めている。IMFはドル高で債務国のドル債返済が難しくなるといい,NYタイムズは米企業収益がドル高で落ち込むと報道、イエレン財務長官は一般論としてドル高は米企業の競争力を弱めるとした。一方、強いドルは一番の懸念のインフレを抑制させると言う意見も強い。バイデン大統領は対中関税の引き下げを検討し、原油増産要請のため中東外交を展開した。
 さて7月27日にFOMCが開催される。6月の消費者物価が前年同月比で9.1%上昇で1%の利上げ観測が強くなったが、金利を大きく変動させれば不確実性が増大する恐れがあるとウォラーFRB理事、ブラード・セントルイス連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁が相次い0.75%利上げを支持すると表明し意見が割れている。無条件でインフレを抑制すると発言しているパウエル議長らとの論争となる。
 ミシガン大の5年先のインフレ期待は2.8%と6月の3.1%から低下し1年ぶりの低水準となったこともあり、CMEのフェドウオッチも1%利上げの確率は、約86%から42%に急低下した。
アトランタ連銀のGDPナウも2Q・GDP成長率はマイナス1.5%とリセッションを示唆している。大貿易赤字のドルが最強というのもファンダメンタルズと一致していないが、資源価格の上昇でドルの確保があり、また世界的な株安でリパトリが起き、資産が一番多く動きが素早い米国投資家のドルの米国への戻しが強いからであろう。株価が回復し、資源価格が下落しないとドル買いの流れは変わらないが少し変調の兆しはある。

*ユーロ「通貨9位(9位)、株価13位(13位)DAX)、ECBでユーロ安懸念あり。今週は0.25%利上げか」
 1ユーロ=1ドルの水準では日本からのユーロ買いも入るほどで、7月14日には長い下ヒゲが日足で出て先週末は反発した。英ポンドと並びウクライナ紛争の影響を受けやすい地理的な位置にあること、原油高で貿易赤字に転じていることもユーロを弱くさせている。ロシア抜きの資源流通システムはまだ構築出来ていない。景気が悪化すれば政治のせいとなり各国で政局不安も続いている。ただイタリアの今回の政局は歴史的にもよくあることで過度に悲観的になる必要はない。
 レーン・フィンランド中銀総裁が示唆するように市場も今週、政策金利を0.25%引き上げ、9月にさらに0.5%引き上げるとの予想だ。ただ、ウクライナ情勢を巡る不確実性が高いことから、9月以降の金利の道筋は明瞭でない。
 ユーロの下落について、ECB政策担当者の一部はすでに懸念を示している。ビルロワドガロー仏中銀総裁が、ユーロ安は消費者物価に影響するためECBは相場の動きを注視していると語った。
またECB報道官は、「ECBは特定の相場水準を目標にしていない」と説明しつつ、「物価安定の責務に沿って、インフレに為替が及ぼす影響には常に注意している」と述べた。
 ユーロは1999年に導入された当初は0.85ドルを下回る水準に低迷し、ECB、G7が協調介入に踏み切り、ユーロを押し上げた。ただ現在は介入は原則禁止で合意しているのでなかなか介入に踏み切るのは難しい。同じように通貨が弱い日本と共闘を組むことだ。

*ポンド「通貨10位(10位)、株価2位(2位)、利上げに景気がついていけるか。5月GDPはやや改善」
 英中銀のラムスデン副総裁は、持続的な物価上昇を繰り返さないために、金利をさらに上げる必要があるとの考えを示した。8月4日に0.5%の利上げすることを72.5%の確率で織り込んだ。ベイリー中銀総裁は現在の9%を超える水準にあるインフレ率を目標とする2%まで引き下げると述べた。「金融政策委は持続的なインフレ圧力の兆候に留意し、必要に応じて力強く対応する」とし、「インフレ率を持続的に目標の2%に戻すことがわれわれの責務だ」と述べた。
 英国国民の向こう数年のインフレ期待はここ数週間で約1年ぶりの低水準まで低下した。消費者のインフレ期待は下がり続けており、5年間の期待値は昨年8月以来の低水準に一時達したという。
さて5月のGDPは前月比0.5%増だった。予想は前月比横ばい。通院が増えたほか、道路運送業が好調だった。旅行業も累積需要の恩恵を受けた。インフレの進行で接客業は小幅に縮小した。英中銀は2QのGDPが縮小すると予想している。しかしこの日の指標を受けて、一部のエコノミストはマイナス成長を回避できる可能性があるとの見方を示した。
 一方、格付け会社は、英国経済はジョンソン首相の辞任表明で一段と下押し圧力を受けるとの見方を示した。
 ムーディーズは、与党・保守党の次期党首決定に時間がかかり、生活費増大やスタグフレーション懸念といった問題への取り組みが遅くなる恐れがあると指摘。「財政拡大を迫る政治的な流れを考えると、次の政権は持続的に高い水準の債務を抱えることになる」と警告した。S&Pは、次の首相は数多くの課題に対処する必要があると述べ、特に年後半にリセッションが予想されていることや、10%近い物価上昇率が国民の懐を直撃している問題に直面するとみている。英国の経済成長が想定を著しく下回り、財政再建が脅かされるようなら、格下げの重圧が生じかねない。

*豪ドル「通貨6位(6位)、株価9位(9位)、好材料続く。過去最大の貿易黒字、1974年以来の低い失業率、中国の石炭輸入も再開か」
年初来では対円で12.43%高、対ドルで6.6%安、12通貨中6位と可もなく不可もない成績だ。5月の貿易黒字が過去最大となったのに続き、6月の失業率は3.5%に低下し、1974年8月以来の低水準となった。
労働市場は信じ難いほど強く、そうでなかった場合に比べRBAはインフレにより積極的に対応できる。経済が実質的に完全雇用状態となり、インフレも高進する中、RBAは利上げ継続が確実視されている。市場は8の0.5%引き上げを完全に織り込み、一部では今後のインフレ統計が予想を上回れば一段と大幅な利上げを予想する見方も出ている。
 2022年5月から3カ月連続の利上げで、政策金利は新型コロナウイルス感染拡大前の1.25%(2019年6月)を超えている。ロウRBA総裁は「豪のインフレ率は高いが、多くの国ほど高くはない。インフレ率上昇の大部分は世界的な要因によるものだが、国内要因も影響を与えている。需要の高さや労働市場の逼迫、一部部門の生産能力の制約が価格上昇をもたらしている。インフレ率のさらなる上昇が見込まれるものの、2023年には目標範囲(2~3%)に向かって低下するとの見通しを示した。
 さて悪化していた対中関係だが、中国政府が豪産石炭の非公式な輸入禁止措置を解除すると思惑が出てきた。中国の王毅外相と豪のウォン外相がG20外相会議で会談して以降、うわさが広まっている。豪の石炭株が急伸した。

*NZドル「通貨8位(8位)、株価11位(11位)、利上げは下落する為替レートにも考慮」
NZ中銀は政策金利を0.5%引き上げて2.5%とした。利上げは6会合連続で、インフレを抑え込む狙いがある。中銀は「物価の安定を維持し持続可能な最大雇用を支えるペースで金融引き締めを継続することが依然適切との見解で一致した」と表明した。中銀は政策金利が年内に3.5%に近づき、来年半ばに4%前後でピークに達するとの見通しを示していた。ただ消費者物価上昇率に短期的な上振れリスクがあり、経済活動に中期的な下振れリスクがあることも認めた。経済成長見通しの下振れリスクは認めたが、需要抑制とインフレ制御について強調している。
中銀はインフレ率が今年2Qに7.0%でピークに達すると予想している。今朝は2Qのインフレ率が発表される。
 また中銀は、為替レートが下落していることに留意している。投資家のリスク欲求が継続的に低下する中、世界的な商品価格の減速と中銀の政策金利の上昇がこの下落の一因となっている。NZドル安が輸入価格に影響を及ぼし続けていることにも言及している。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン3σ上限を上抜いてから反落」
日足、一時ボリバン3σ上限を上抜くも先週末は小反落。ボリバン2σ上限まで下落。7月14日-15日の下降ラインが上値抵抗。7月14日-15日、7月13日-14日のの上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。
週足、7週連続陽線。6月27日週-7月4日週の下降ラインを上抜いてボリバン2σ上限へ近づく。7月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。
月足、6月は陽線で終える。7月も陽転。ボリバン2σ上限を超えている。5月-6月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「7月14日の長い下ヒゲの効力続くか、3週連続陰線」
日足、ボリバン下限に沿って下落。7月14日は長い下ヒゲで15日の反発を生む。7月14日-15日の上昇ラインがサポート。7月13日-15日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、3週連続陰線。ボリバン2σ下限をまだ下抜いている。7月4日週-11日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、5月のボリバン3σ下限から反発も一時的に終わり7月も下落中。4月-6月の下降ラインが上値抵抗。5月-6月の上昇ラインとボリバン2σ下限を下抜く。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。ボリバン2σ下限は1.00あたり。

*ユーロ円「3日連続陽線。雲の上に出る」
日足、3日連続陽線。雲の上に出る。7月5日-15日の下降ラインが上値抵抗。7月14日-15日の上昇ラインがサポート。5日線上向く、20日線下向き。
週足、2週連続陰線の後は下げ止まる。2週連続同じレベルの下ヒゲアリ。6月27日週-7月4日週の下降ラインが上値抵抗。7月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。5週線下向き、20週線上向き。
月足、4か月連続陽線、7月はここまで陰線。ボリバン3σ上限超えから反落。22年5月-6月の上昇ラインを下抜く。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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