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FX「米金融引き締めでも物価下がらず株下がる。日本は歴史的な貿易赤字へ」

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総括

FX「米金融引き締めでも物価下がらず株下がる。日本は歴史的な貿易赤字へ」

ドル円=132-137、ユーロ円=139-144 、ユーロドル=1.03-1.08

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価6位(4位)、5月は歴史的な貿易赤字。貿易赤字なら介入しても効果は薄い」
 財務省、日銀、金融庁の円安を懸念する文書もあり、6月15日から2日連続陰線となったが3日連続とはならなかった。2月24日のウクライナ侵攻以来、3日連続陰線となったのは年度末の特殊要因があった一度だけだ。それほどドルが強く円が弱い。5月貿易統計は2兆3847億円の赤字だった。原油などの資源高や円安の影響で輸入が増加し、貿易赤字額は過去2番目の高い水準となった。これまでの最大の貿易赤字だった2014年を上回るような貿易赤字拡大ペースだ。2014年は約21円の円安、今年はここまでで既に22円の円安だ。貿易収支の為替に及ぼす影響は大きい。日々テレビでも円安についての報道があり、物価高と結び付けられ円安への不満が大きい。ただ日本全体では輸出産業や投資家へのメリットが大きい。それもあって円安を容認する声は財務省OB、自民党からも多い。世界的にも通貨高、通貨安を懸念する声はまだ小さい。多くの国はインフレ抑制で通貨高を容認したいのだろう。日本や欧州は通貨安なので是正したい声はたまに聞く。

 貿易赤字なので、もし介入をすることとなってもスムージングオペレーションに過ぎない。金額や落しどころの話までは進んでいないだろう。基調ドル高で、季節的な輸出、輸入予約の前倒しや先送りで少し調整はあるだろう。ただ政策金利はともかく、指値オペで長期金利迄低く抑えると膨大な日本の預金から利益は生まれず消費の盛り上がりも遅々たるものとなろう。

*米ドル「通貨2位(3位)、株価(NYダウ)12位(12位)、金融引き締めも物価下がらず景気悪化、株下げ、ドル高を生んでいる」
 高インフレで0.75%の利上げを行い、追加利上げの意志も強いFRBだが、物価は下がらず、株価が大幅に下げ、経済指標も悪化するものが多くなっている(先週は、鉱工業生産、景気先行指数、フィラデルフィア連銀製造業指数、建設許可、住宅着工、NY連銀製造業指数、小売売上などが悪化)。ナスダックは年初来30.98%安、NYダウは17.75%安だ。

 昨年末から米株の下げを的中させていたBOA証券は2023年に米経済がリセッションに陥る確率は約40%との見方を示した。ロシアをひれ伏せさせて貿易を元に戻すか、ロシア抜き経済を設立するかどうかだが、後者は時間がかかる。ただ今は後者の道を歩んでいる。利上げをしても物価は下がらず弊害は成長率に及んでくる。ドルは資源取引がドルで行われているゆえにファンダメンタルズとは関係なく底堅い。これが異例の戦争経済なのだろう。米ドルと資源を持てる国の通貨が強い状況がまだ続く。バイデン大統領の支持率も低下、再びトランプ勢力が伸びれば世界はさらに混乱しよう。

*ユーロ「通貨8位(9位)、株価10位(11位)DAX)、ちょっと待った!利上げ路線にブレーキ。貿易赤字は継続、低成長で高インフレ」
 対円ではかろうじて5週連続陽線、対ドルでは3週連続陰線と弱い。低成長でも高インフレが続き、ECBも利上げ路線を決定したが、欧州の南北問題もありブレーキがかかった。米国ほど確信的タカ派でもなかった。ECBは先週臨時会合を開催した。国債利回りの格差拡大によるユーロ圏市場の分断を防ぐ措置を検討すると表明した。最近終了した新型コロナウイルス危機対策のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)で買い入れた債券の償還資金の再投資を柔軟に運用する。欧州の金利は低下したが、スイス中銀が予想外に政策金利を0.5%引き上げマイナス0.25%としたことでユーロも週後半戻した。

 ユーロ圏は通貨統合は進んでいるが、金利の統一は起きていない。ユーロ共同債の発行も進んでいない。ただそれで、投資家は単一通貨ユーロで独の1%台からギリシャ4%台のユーロ建て債券を選べる。ギリシャ崩壊と言われたギリシャ危機でもECB、IMF、各国中銀が支援した。リスクは大きくないかもしれない。ユーロの不安要因は日本同様に全体では貿易赤字となったことで、それはユーロ売り材料だ。今も貿易黒字を維持する独は独マルク時代よりも弱いユーロで輸出企業の恩恵は大きい。ギリシャもドイツもユーロ通貨統合で何かしらのメリットは享受できている。

*ポンド「通貨10位(10位)、株価3位(3位)、対円では乱高下するも対ドルでは3週連続陰線と弱い。来年はゼロ成長か」
 対円では6月6日週に長い上ヒゲ、13日週に長い下ヒゲと乱高下したが、対ドルで3週連続陰線となり弱い。プラス圏を維持してきたFT株価指数も年初来4.99%安と利上げの影響が出てきた。「高インフレ、金利の上昇、景気後退の可能性の高まり」は株式市場で嫌気された。今年ポンドより弱い通貨は円とトルコリラだけだ。
 
  OECDは、来年の英経済は高インフレを背景にゼロ成長になると予想し、政府は増税措置の緩和や歳出拡大を検討すべきとの見方を示した。「成長支援に向け財政健全化の鈍化を検討すべき」とし、政府の税・歳出計画は現状では「収縮的」と指摘。低所得層を中心に支援を提供する必要があるとした。今年の英成長率を3.6%と予想。来年についてはG20の中で最低の0%と見込んだ。インフレ率は今年末に10%に上昇した後、来年末までに4.7%に低下すると予想した。英中銀にも慎重な利上げを促し、「金融政策はインフレを目標に低下させるため引き続き徐々に正常化すべき」とした。良き材料ないが円より強いのは日本にとって寂しい限りだ。

*豪ドル「通貨5位(5位)、株価9位(7位)、RBA総裁はインフレ7%と追加利上げ予想。最低賃金は2千円超え」
 6月6日の長い週足の上ヒゲで先週は下落したが、週後半、日銀金融緩和継続で幾分か戻した。ただ対ドルで2週連続陰線と弱い。豪も追加利上げ機運あるも米国の勢いには追い付かないようだ。豪の最低賃金は5.2%引き上げられた。最低賃金は時給21.38豪ドル(約2,010円)最新のインフレ率(5.1%)に応じて最低賃金を引き上げるべきとしていたアルバニージー首相の選挙公約を上回るかたちとなった。これはインフレを加速させ、さらなる金利上昇につながる可能性があるとの懸念も出てきた。
 
 ロウRBA総裁は、国内のインフレ率は1カ月前の想定よりはるかに高い水準になる見通しだとし、「断固とした」措置で対応する必要があるとの認識を示した。消費者物価伸び率は現在の5.1%から年末までに7%に達する可能性が高いと指摘した。総裁は、追加引き締めがあると述べ、「ある時点で政策金利が2.5%になるのが妥当だと思う」とし、「その水準に達するスピードや実際に達するかどうかは今後何が起きるか次第だ」と語った。

*NZドル「通貨9位(7位)、株価14位(14位)、対ドル、対豪ドルで弱い。利上げの影響というか効果か」
 豪ドルは米ドルほどの勢いはないが、NZドルは豪ドルほどの勢いはない。対ドルで3週連続陰線。対円では6月6日週の長い上ヒゲで下げたが、日銀の金融緩和継続で持ちなおした。いち早く利上げを始めて悪影響というか効果が出ている。1Q経常収支は61.43億NZドルの赤字となった。経常赤字はコロナ禍に入って続いている。1Q・GDPは前期比0.2%減(前期は3%増)、前年比では1.2%増(前期は3.1%)増となった。国内消費が堅調だった一方、輸出が低迷した。第1次産業や製造業の減少が響いた。食品や飲料、たばこ製造、農林水産業の生産が減少した。モノとサービスの輸出は前期比14.3%減となった。金利上昇、コスト上昇圧力、建設の減速、農産品の生産鈍化、家計の慎重姿勢の強まりが大きなテーマとなる。
 中銀は昨年10月以降、既に5回利上げしており、インフレ抑制に向けて今後1年で政策金利を現行の2倍の水準に引き上げる可能性を示唆している。

テクニカル分析

*ドル円「3連続陰線とならず急反発。週足は長い下ヒゲ」
日足、先週後半は3日連続陰線とならず、大陽線で反発。ウクライナ紛争以降、3日連続陰線は3月年度末の1回だけ。それだけドル買い意欲が強い。6月15日-17日の下降ラインが上値抵抗。6月16日-17日の上昇ラインがサポート。
週足、3週連続陰線の後、3週連続陽線。先週は長い下ヒゲを残す。6月6日週-13日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限。
月足、6月は陽線スタート。ボリバン2σ上限と3σ上限の間で推移する強さ。以前の高値の2002年2月の135.15を上抜いた(135.578)。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「再び雲に入れず下落」
日足、3連続陽線も雲に入れず反落。6月16日-17日の上昇ラインがサポート。6月16日-17日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、2週連続陽線の後は伸び悩み反落。ボリバン2σ下限へ。5月9日週-6月13日週の上昇ラインがサポート。6月6日週-13日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向く、20週線下向き。
月足、ボリバン3σ下限から反発も一時的に終わり下落中。5月は5か月ぶりに陽転するも6月は2σ下限まで下落。3月-4月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。ボリバン2σ下限は1.00あたり。

*ユーロ円「日足切り返す、週足は5週連続陽線」
日足、6月9日-15日の下降ラインを上抜く。6月16日-17日の上昇ラインがサポート。6月9日-17日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、5週連続陽線。6月6日週は上ヒゲが長く先週は当初下押すも後半巻き戻し長い下ヒゲで終わる。5月30日週-6月13日週の上昇ラインがサポート。6月6日週-13日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、3か月連続陽線、6月も陽線スタートだがボリバン3σ上限超えで反落。22年3月-5月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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