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FX「貿易需給による為替変動を介入で止めるには苦労する」

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総括

FX「貿易需給による為替変動を介入で止めるには苦労する」

ドル円=132-137、ユーロ円=139-144 、ユーロドル=1.02-1.07

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価4位(5位)、貿易需給による為替変動を介入で止めるには苦労する」
 米5月インフレがピークアウト感を見せず8.6%に上昇し、米金利が上昇、ドル円も上昇したが、先週末に日本の三者会議(財務省、日銀、金融庁)で「急速な円安の進行が見られ、憂慮している」という声明が出され、クロス円中心に円高が進んだ。その流れを引き継いで今週も始まると思ったが6月12日(日)に自民党の高市早苗政調会長が、政府・日銀の為替介入について「今やるべきタイミングではない」と語った。円安は訪日外国人客(インバウンド)の増加や農産物の輸出競争力の向上の好機だと説明したことで、今週も波乱含みのスタートとなる。日銀政策決定会合では、景気支援の金融緩和政策を継続しインフレが2%に定着することを目指すとなるのだろう。円安は全体的に見れば日本経済にとってメリットがあると黒田総裁は聞かれればそう答えるだろう。ただ以上は、人々の意見であり需給ではない。

 現在は貿易赤字なのでドル売りよりドル買いが多いので円安となりやすい。ただこれまでの日本はそうではなかった。1950年から2021年では輸出が1945兆円、輸入が1780兆円で差し引き165兆円相当のドル売りが出ていたのである。だからこそ360円から75円までドルが下落した。一方、ドル買い介入は1991年から2011年でネットで74.9兆円のドル買いを行っている(ドル売り79.8兆円、ドル買い4.9兆円)。介入は金額次第で相場を動かせることは出来るが、日々永遠に出てくる貿易為替が最後は主導権を握ってトレンドを作る。現在は貿易赤字だから円安。それを止めるには介入だが、世界のコンセンサスを得ることが出来るか、いや国内のコンセンサスを得ることが出来るか。高市氏のような人も多くいる。コンセンサスを得られないから海外は介入を原則行わない。特定の人に加担すれば各国会で追及されるからだ。


*米ドル「通貨3位(4位)、株価(NYダウ)12位(10位)、インフレにピークアウト感なきも株価にボトムアウト感もなし、景気後退」
 5月の消費者物価は前年同月比では8.6%上昇。40年5カ月ぶりの大幅な上昇率を記録した。インフレピークアウト論を退けた。一方、6月のミシガン大消費者信頼感指数は50.2と、過去最低を更新した。 現況指数は55.4で過去最低、期待指数は46.8と1980年5月以来の低水準。

 先週はドルは最強通貨であったが、ナスダックは最弱市場、NYダウも弱い。これがインフレ上昇、経済指標悪化、ドル上昇、株価下落ではリセッションの可能性は大きくなるだろう。利上げしてもコストプッシュインフレではなかなか資源価格は下がらない。ロシアが休戦してロシア貿易が復活するか、時間がかかるが脱ロシアの経済システムが構築できるかどうかだ。金利とは関係がないように思う。ただ金利を上げれば「仕事をやった感」出るだけの利上げのようだ。それにドル高が続けば米企業の収益が悪化するのだがその声はまだ大きくない。

 6月14-15日に開催されるFOMCでは0.5%の大幅利上げが6、7月だけでなく年後半も続くとの警戒感が高まっている。今会合では政策金利見通し(ドットチャート)が公表されるため、9月以降の利上げペースの行方が注目される。ドル高株安継続か。悪いドル高というほど国の不満は高まっていない。


*ユーロ「通貨9位(9位)、株価11位(9位)DAX)、利上げはユーロの南北問題を呼び起こす。ユーロ圏の貿易赤字化も売り材料」
 4週連続で対円で陽線も上ヒゲ長く売り圧力あり。日足では先週後半下落した。これは米インフレ高騰と日本政府の円安懸念によるものでユーロ圏の材料ではなかった。ユーロ圏は金融正常化への道を歩め始めた。 ECBは、量的緩和措置である資産購入プログラム(APP)を7月1日に終了すると表明するとともに、7月から利上げ(0.25%)を開始する方針を示した。ラガルドECB総裁は、 ECBの9月のインフレ予測で2024年のインフレ率見通しが2.1%以上になった場合、金利を0.25%以上の幅で引き上げると述べた。ラガルド総裁は「インフレ抑制に断固として対応し、軌道から外れてはならない」と語った。

 ただここで問題が起きている。南欧で壁にぶつかっている。とりわけイタリアでは、ユーロ圏が不均衡にどこまで耐えられるか試そうとする投資家が激しい売りを浴びせており、借り入れコストが跳ね上がっている。ギリシャもそうだが、南欧には北欧と違って債務に苦しむ国が多い。
 また今週はユーロ圏の4月貿易収支が発表される。予想は230億ユーロの赤字だ。赤字となれば6か月連続となる。日本同様にエネルギー価格の上昇で輸入が急増している。


*ポンド「通貨10位(10位)、株価3位(3位)、来年はゼロ成長か。それでも利上げせざるを得ない苦しさあり、ポンドに悪影響」
 今週、英中銀は9%のインフレを鑑み政策金利を0.25%引き上げて1.25%にする予想だ。ただ他に良い材料はない。それゆえに円についで弱い通貨となっている。FT株価指数は年初来でプラス圏を保っていた数少ない市場であったが先週はマイナス圏に落ち込んだ。OECDは、来年の英経済は高インフレを背景にゼロ成長になると予想し、政府は増税措置の緩和や歳出拡大を検討すべきとの見方を示した。「成長支援に向け財政健全化の鈍化を検討すべき」とし、政府の税・歳出計画は現状では「収縮的」と指摘。低所得層を中心に支援を提供する必要があるとした。今年の英成長率を3.6%と予想。来年についてはロシアを除くG20の中で最低の0%と見込んだ。インフレ率は今年末に10%に上昇した後、来年末までに4.7%に低下すると予想した。英中銀にも慎重な利上げを促し、「金融政策はインフレを目標に低下させるため引き続き徐々に正常化すべき」とした。ベイリー英中銀総裁も心得ており「インフレ対応とリセッション回避の間で難しいかじ取りを迫られている」との認識を示している。

 英与党保守党が実施した信任投票で党首のジョンソン首相が信任された。だが、「パーティーゲート」スキャンダルを巡る保守党内の大規模な反乱がジョンソン氏の権威を失墜させ、厳しい英経済の運営に疑問を投げかけた。


*豪ドル「通貨5位(5位)、株価7位(7位)、大幅利上げも、米金利上昇と日本の円安けん制で上昇基調が転調か」
 豪ドル円は先週4週連続陽線で、年初来高値を更新するも上ヒゲが長く、豪ドルドルは4週ぶりに陰線となり、テクニカルでは若干、上昇基調に変調を来した。米国のインフレが予想より強くドル金利が上昇したことと、日本の三者会議(財務省・日銀・金融庁)で円安を強くけん制する声明が出されたことで豪ドルは対ドル、対円で売られた。先週前半はRBAの予想より大幅利上げで年初来の高値を更新していた。
RBAは政策金利を予想より大幅な0.5%引き上げ、0.85%とした。インフレ抑制に取り組む中、一段の引き締めが必要となる可能性を示唆した。過去22年で最大の利上げとなった。ロウRBA総裁は「現在の経済におけるインフレ圧力と依然として非常に低い金利水準を考慮し、今後数カ月の間に、豪の金融情勢を正常化するためのさらなる措置を見込んでいる」と表明した。先物市場は、7月も0.5%利上げが実施される可能性があると予想。8月までに政策金利が1.5%前後になるとの見方を織り込んでいる。8月の理事会前に発表される2Qのインフレ統計は非常に強い内容になると予想されている。1Qの消費者物価上昇率は5.1%と、20年ぶりの高水準。2Qには6%に達する可能性が十分にある。エネルギー、食品、家賃、住宅建設費が上昇している。

 ただ豪はTD-MIというインフレ指標を毎月発表しており、四半期毎のインフレともにチェックしていきたい。5月は前月比1.1%と急騰していたことも大幅利上げに繋がったのだろう。


*NZドル「通貨7位(7位)、株価14位(14位)、利上げの悪影響も出始めている。小幅安か」
 豪ドル同様4週連続陽線だが、豪ドルと異なり年初来高値を更新出来なかった。また先週の週足は上ヒゲが長く売り圧力がある。いち早く、政策金利の引き上げを行ったNZ、インフレはまだ高いが他の経済指標に力強さがない。1Qの製造業売上は前年比3.3%減少(前期は1.1%増加)、前期比では1.2%増加(前期は11.9%増加)であった。今週発表される経済指標も力強さがない。1Q経常収支は55億ドルの赤字予想、1Q・GDPは前年比で1.2%増(前期は3.1%増)、前期比で0.6%増(前期は3%)と弱い。頼みは国境開放で増加が見込まれる海外からの観光客数だ(4月分は6月13日発表)。

 また7月からは中銀は国債の売却を開始する。金融正常化への手段だが、金融引き締めとなる。NZの住宅価格は利上げにより今年は9%低下すると予想されている。株価指数も弱い。NZ50指数は年初来14.56%下落している。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン上限で下ヒゲ2本という珍しい形」
日足、ボリバン上限で下ヒゲ2本という珍しい形。上限でも買い意欲が強い。6月5日-10日の上昇ラインがサポート。134.55あたりがダブルトップ。5日線、20日線上向き。
週足、3週連続陰線の後、一気に3週前に戻る大陽線。先週は続伸し2σ上限に迫る。5月30日週-6月6日週の上昇ラインがサポート。
月足、6月は陽線スタート。ボリバン2σ上限と3σ上限の間で推移する強さ。以前の高値は2002年2月の135.15。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。


*ユーロドル「雲に入れず下落、ボリバン下限へ」
日足、雲に入れず下落。ボリバン2σ下限に近い。5月13日-6月10日の上昇ラインがサポート。6月9日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線を下抜く。
週足、2週連続陽線の次週は伸び悩み先週は反落。ボリバン2σ下限から反発。5月16日週-6月6日週の上昇ラインがサポート。3月28週-6月6日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向く、20週線下向き。
月足、ボリバン3σ下限から反発、5月は5か月ぶりに陽転するも6月は2σ下限まで下落。3月-4月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。ボリバン2σ下限は1.00あたり。


*ユーロ円「11日ぶり陰線、週足上ヒゲ長い」
日足、11日ぶり陰線、翌日も陰線。5月26日-6月10日の上昇ラインがサポート。6月9日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線20日線上向き。
週足、4週連続陽線も先週は上ヒゲ長い。5月30日週-6月6日週、5月9日週-23日週の上昇ラインがサポート。5週線20週線上向き。
月足、3か月連続陽線、6月も陽線スタートだがボリバン3σ上限超えで反落。22年3月-5月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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