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FX/為替見通し「豪ドル/円はRBAの利上げ幅拡大で年初来高値更新&2015年以来の96円台乗せとなるか?」週刊為替レポート ハロンズ 豪ドル/円、NZドル/円 2022年06月04日

週刊為替レポートハロンズ 豪ドルNZドル

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪ドル/円はRBAの利上げ幅拡大で年初来高値更新&2015年以来の96円台乗せとなるか?

今週の振り返り

30日は米国勢が祝日休場で不在でしたが、中国・上海が6月1日から全面的な経済再開に向けた総合施策を施行すると発表したことを好感しアジア株と欧州株が上昇。株価の上昇を支えに豪ドルは、それまで上値目途として意識されていた91円台前半の壁の上抜けに成功しました。31日の中国国家統計局が発表した中国製造業PMI/非製造業PMIがともに予想を上回る結果となったこと。1日の豪1-3月期GDPが市場予想を上回ったことなどを好感し、豪ドル/円は93.62円付近まで上値を伸ばしました。2日には米5月ADP雇用統計が予想を下回ることとなったことと原油価格が底堅く推移したことで、対資源国通貨での米ドル売りが強まりました。この結果、豪ドル/円は94.57円付近、NZドルは85.40円付近まで大きく値を伸ばすこととなりました。

RBA理事会では利上げ幅拡大予想も

来週は7日(火)にRBA理事会が予定されています。5月のRBA理事会以降に発表された、豪4月雇用統計と豪1-3月期賃金指数はともに前回よりも改善されてはいるが、予想を下回るというパッとしない結果でした。そのため、市場では来週のRBA理事会では「5月に続いて利上げは行うものの、0.15%か0.25%と小幅なものになるのではないか?」との予想が強まっていました。そこに1-3月期豪GDPの予想を上回る好結果が飛び込んできました。オーストラリアでは、1月に新型コロナ・オミクロン株の感染拡大による経済の減速、2月末~3月にかけてはオーストラリア東部での大雨による洪水被害が起こりました。その影響もあって、同時期の賃金統計などは予想ほど伸びていなかったため、GDPの伸びも控えめな予想となっていました。なのに蓋を開けてみたら、GDPは小幅ながら予想を上回る結果となりました。内訳をみると、家計の消費の伸びが堅調に増加していることがわかります。インフレによる価格上昇の影響ももちろんありますが、購買意欲が減速していないことを示しています。そうなると、賃金は緩やかに伸びていますのでインフレを抑えなければ家計へのダメージが大きくなってしまいます。そういったことから来週のRBA理事会では0.25%もしくは0.40%の利上げの可能性が出てきました。豪ドルの反応としては、「0.25%利上げなら材料出尽くしで一旦売り」、「0.40%利上げなら買い」が発表直後の動きとなりそうです。その後の声明文で今後の利上げペースを判断することになりますので、利上げ幅だけでなく、声明文の内容にもにも注目です。

中国の回復が豪ドルを支える

来週は中国の注目経済指標が数多く予定されています。ご存じの通り中国は3月後半から新型コロナ・オミクロン株の感染拡大により、各地で厳格な制限が実施されました。その制限も5月中旬から徐々に緩和されています。上海では一部を除く地域で6月1日から外出制限が解除されるなど、6月中旬の経済正常化を目指してします。来週発表される中国の経済指標は5月のものとなりますので、厳しい制限下にあった4月と比べると改善しているものの、著しい改善は予想されていません。結果が予想よりも弱かった場合でも、前月よりも改善していれば豪ドルへの影響はなし。予想を上回る結果となれば、ポジティブサプライズとなり豪ドルが買われる要因となりそうです。中国当局が制限を解除したので、後戻りはないと思ってよいでしょう。

市場の注目は再び金融政策へ

6月1日に発表されました米ISM製造業景況指数が予想を上回る結果となりました。5月に入ってから米国の経済減速を市場参加者は警戒していたのですが、執筆時には3日に発表される米5月雇用統計と5月ISM非製造業景況指数の結果が判明していないのですが、ISM製造業を見る限りでは米経済の減速は限定的なものだったようです。米経済の減速が一時的だったと分かれば、市場の目は再び金融政策に向いていきます。①既に欧州の利上げ開始時期が7月に早回りそうなこと、②パウエルFRB議長がバイデン米大統領、イエレン米財務長官との3者会合で「インフレはFRBの政策のせい」と責任を押し付けられてしまったことで、にわかに噂されていた米国の9月利上げ一旦停止説がほぼなくなったこと、などにより再び日銀と他の主要国中央銀行との金融政策の差が意識され始めています。4月のように一気に円安が加速するといった過熱感はまだないので、豪ドル/円やNZドル/円といったクロス円は底堅い動きとなることを予想しています。

テクニカル的には

豪ドル/円は日足の一目均衡表で、①遅行線がローソク足の上、②転換線が基準線の上、③ローソク足が雲の上、と三役好転となり買いシグナルが点灯しました。上値は4/20高値の95.738円が最初の目標となりそうです。その上の水準では2015年の1月~6月に96円~97円あたりで上値を抑えられています(その後下落して、現在はそれ以来の高値圏)。97円付近までの上昇はあり得ると考えておいて良いと思います。一方で下値は日足一目の雲上限がとりあえずの目途となります。そこを下抜けた場合は、週足の転換線(現時点では91.517円)近辺が意識されそうです。

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
AUD/JPY:92.50-97.00、NZD/JPY:83.00-87.50

6/6 週のイベント:

06/06 (月) NZ エリザベス英女王誕生日で祝日休場
06/06 (月) 10:45 中国 5月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)
06/07 (火) 13:30 豪 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
06/09 (木)  未定 中国 5月貿易収支
06/10 (金) 07:45 NZ 1-3月期四半期製造業売上高(前期比)
06/10 (金) 10:30 中国 5月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
06/10 (金) 10:30 中国 5月生産者物価指数(PPI)(前年同月比)

一言コメント:

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nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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