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FX「夏の陣へ(円相場)、ドル円2週連続陰線、ユーロ安懸念も円高寄与か」

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総括

FX「夏の陣へ(円相場)、ドル円2週連続陰線、ユーロ安懸念も円高寄与か」

ドル円= 126-131、ユーロ円=133-138 、ユーロドル=1.03-1.08

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価7位(8位)、円相場、夏の陣」
 ドル円は9週連続で週足陽線の後、2週連続で陰線となった。また独で開催されたG7の声明では、為替については従来の1行の文言「2017年5 月に詳述された我々の為替相場のコミットメントを再確認する」だけとなった。要は「為替レートは市場において決定されること、競争力のために為替レートを目標にはしない」であることの確認であり、それ以上、付言されなかったということは現在の相場は問題なしで、自由にやって良し、ということだろう。
 ただ米国のインフレは3月にピークをつけたことが示唆され米金利が低下したこと、仏中銀総裁がユーロ安懸念を表明したこと、円の貿易需給も上半期なので貿易赤字は続くが季節的に輸出予約が勝り始めたことでドル円は下落した。日本の消費者物価が総合とコアで2%にのせたこともあるだろう。
 外貨投信残高も4月は円安が進んだのにかかわらず2兆円の減少となったことは利食いの売りが出ているのだろう。4月貿易統計は8392億円の赤字となったが、予想の1兆円超えの赤字よりは小さくなった。米利上げの話も進んでいるが、ECBが7月利上げに向けて進んでいることの方が市場には新鮮味があるので、夏に向けてユーロが上昇すれば夏の円高需給もあり、120円方向へ円高が進むだろう。
 岸田首相が海外投資家向けに「インベスト 岸田」と提言したが、それを誘導する政策はまだ表明されていない。また首相は「円安の影響もあり原油をはじめとする原材料の高騰が国民生活や事業者に影響を与えている」と指摘した。インバウンドの拡大や中小企業の輸出増を後押しし「所得をできるだけ多く国内に流入させる政策を進めていく」と強調した。所得の流出抑制と流入拡大への支援は「為替の安定にとっても大事な取り組みだ」と力説した。23日には日米首脳会談、24日には日米豪印の「クアッド」首脳会議がある

*米ドル「通貨3位(2位)、株価(NYダウ)14位(10位)NYダウの90年ぶり8週連続下落には米経済の強さは感じられない。ドル高も一服か」
 先週はドルが弱含んだ。ドルインデックスが下落、12通貨中では南アランドに抜かれ3位へ後退した。株価は下落、ダウが13.97%安、ナスダックは27.45安とロシアと並んで今年の最弱グループにいる。NYダウは90年ぶり8週連続下落。経済的に強いイメージはまったくない。バイデン大統領のトッププライオリティに沿うべくパウエルFRB議長は経済は底堅いとしてインフレ抑制のために躊躇することなく大幅な利上げを継続し金融の引き締めを加速させていく姿勢を強調した。ただ実際はそうなのだろうか。米労働省は賃金の伸び、消費者物価、卸売物価、輸入物価を発表し、インフレが3月にピークに達したことを示唆している。一方、イエレン財務長官は「多くのエコノミストが2023年のリセッションを予測しているが、ソフトランディングは可能だ」と述べた。立場上、ハードランディングとは言えないが、目標がソフトランディングとはやや寂しい感じだ。イエレン財務長官は他の主要通貨と比べたドルの価値上昇に関しては、懸念していないとの姿勢を表明。「私は市場原理に基づくドルの価値を信頼している」とし、米金融当局が利上げを実施しており、相対的に利回りが高い米証券への投資を引きつけていると説明。「ある意味、それは金融政策引き締めがどう機能するのかを示す要素だ」と語った。
 ただ日本や欧州が通貨安懸念を示し始めたことは米金利の低下と欧州金利の上昇もありドル高への抑制となろう。

*ユーロ「通貨9位(8位)、株価10位(13位)DAX)ついにユーロ安懸念が出る 利上げは7月か」
 ついにユーロ安懸念が中銀から出た。5月16日、ユーロが対ドルで1.04台前半、対円で134円台後半でのことだ。ビルロワドガロー仏中銀総裁は、ユーロ安は物価をECBの目標まで下げる取り組みを脅かす可能性があると指摘した。「輸入インフレをけん引する要因として実効為替レートの動向を注意深く見守っていく」と述べ、過度なユーロ安は物価安定目標に悪影響を及ぼすことになると指摘した。
またECB理事会は6月が「決定的な」会合になり、その後金融政策面で「活発な夏」を迎える可能性があると指摘。「追加措置のペースは、一定の選択性と漸進主義をもって、実際の活動や物価データを考慮することになる」と述べた。経済を刺激も冷やしもしない「中立金利に向けて少なくとも行動」すべきだと指摘した。
 一方ECB議事要旨では、インフレの拡大に広範な懸念が示され、政策をどの程度速く、どこまで引き締めるべきかが唯一の主要な議題だった。量的緩和策の段階的縮小方針を確認。債券買い入れを今四半期中に縮小し、3Qに終了するとのガイダンスを維持し、金利は量的緩和終了後も「しばらく」は上昇せず、また緩やかなものになるとした。 ECB政策担当者のほぼ全員が7月の利上げ着手を提唱。ECBの中銀預金金利は現在マイナス0.5%だが、政策担当者の多くは年内のマイナス金利政策終了に支持を示している。次回のECB理事会は6月9日。7月の利上げを示唆すると予想されている。

*ポンド「通貨10位(10位)、株価3位(3位)、5週ぶりに対円、対ドルで反転上昇、英国内要因ではなく米金利低下で。英中銀自らスタグフレーション懸念」
 5週ぶりに対円、対ドルで反転上昇した。米国でインフレピーク感が出て金利が低下したのが影響した。英中銀チーフエコノミストのピル理事は、物価がスパイラル的に上昇するリスクを回避するために、一段の利上げが必要との認識を示した。「引き締めは今後も続く」と発言。金融政策委員会は目標を追求するために独立性を与えられており、インフレ率を2%に戻し、同水準にとどめるために厳しい決断を下すことができると語った。 インフレは短期的には、地政学的な紛争、エネルギー価格高騰、供給制約といった中銀が制御できない要素が原因となっているが、高インフレ期待が定着しないようにする必要があると主張。
 経済指標はマチマチだ。4月の英小売売上高は前月比1.4%増と予想外に増加した。だが、生活費の危機が深刻化する中で個人消費の見通しは依然厳しい。5月の英消費者信頼感指数はマイナス40と、前月のマイナス38から低下し、1974年の調査開始以来最低を記録した。生活コスト高が家計を直撃し、経済見通しに関する指数も過去最低となった。
 英中銀は経済は2桁のインフレに圧迫されて来年はマイナス成長になる見通しだと警告している。前途多難でポンド12通貨中10位と弱い。

*豪ドル「通貨5位(5位)、株価6位(5位)、9年ぶり新政権誕生。貿易依存度の極めて高い対中関係が重要」
 豪の政権が9年ぶりに労働党となり次期首相はアルバニージー党首となる。労働党は豪最古の政党であり、2007年-13年も政権与党であった。新首相は早速、5月24日に東京で開かれる日米豪印の連携枠組み「クアッド」首脳会議に出席する見通しだ。コロナ感染拡大、高インフレと続き、国民には保守政権に不満が高まっていたことが政権交代の理由だろう。今後の焦点は中国との関係だろう。豪の対中輸出は全体の40%、輸入は29%で豪の貿易において中国依存度は極めて高い。最近の中国はゼロコロナ政策で景気は減速し豪にも悪影響を及ぼしていたが、漸く上海が経済活動正常化へ向かうので労働党政権にとっては追い風となる。問題はアジア地域における中国の軍事拡大であり、これには豪も米国とともに対抗し豪中関係が悪化し経済にも及んでいることだ。保守党より親中国と見られる労働の舵取りが焦点だ。
 全体的にはウクライナ紛争による資源高で豪経済は拡大傾向にある。高インフレだが賃金上昇は進んできている。新政権はそれほど悪く無い経済状況でのスタートとなるのではないか。

*NZドル「通貨7位(7位)、株価12位(11位)、政策金利引き上げ前に下げ止まる。観光客受け入れ開始が前向きな材料」
 対ドルで8週ぶり陽線、対円で5週ぶり陽線となった。今週の0.5%利上げが予想される政策金利発表を前にしての動きだろう。1Qのインフレは前年比6.9%と高かった。エコノミスト21人中20人が再び0.5%引き上げられ、2.0%になると予想している。2会合連続で0.5%利上げがあれば、1993年3月以降で初めてとなる。インフレとサプライチェーン混乱の早期解消が見通せない以上、景気後退突入を避けつつも、物価圧力を抑え込むためにタカ派姿勢を維持する公算が大きい。
 ただ利上げに伴って不動産価格が大幅に下がれば、家計部門にマイナスの資産効果を及ぼして消費が鈍化し、最終的には経済成長の減速と失業率増加につながりかねない。株価の下落も懸念材料だ。
明るい材料としては政府は、多くの国からの入国を原則禁止とする現在の規制措置を、7月末で撤廃し、各国の観光客などの受け入れを全面的に再開する方針を示したことだ。
アーダーン首相はその理由について「経済の回復を加速させるため」としたうえで「コロナ禍で生じた労働力不足に対応し、入国管理をより持続可能なものにする」と述べた。

テクニカル分析

 *ドル円「9週連続陽線後に2週連続陰線、日足は2σ下限で小反発」
日足、ボリバン2σ下限まで下落。5月18日-19日の下降ラインが上値抵抗。5月19日-20日の上昇ラインがサポート。5日線下向きで。20日線下抜く。5月に入って伸び悩み、山なりになってきて小緩む。
週足、9週連続陽線後に2週連続陰線。3月7日週-5月16週の上昇ラインがサポート。5月9日週-16日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、ボリバン2σ上限と3σ上限の間で推移する強さ。3月-4月の上昇ラインがサポート。5月はここまで陰線。3か月ぶり陰線となるか。131円以上で4月、5月上ヒゲあり。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

 *ユーロドル「ボリバン中位突破、5日線上向く」
日足、ボリバン中位突破。5月19日-20日、5月13日-19日の上昇ラインがサポート。4月21日-5月20日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
週足、ボリバン2σ下限から反発。5月9日-16日週の上昇ラインがサポート。4月25日週-5月16日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、ボリバン3σ下限へ。4か月連続陰線。今月は陽転。3月-4月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。ボリバン2σ下限は1.00あたり。

 *ユーロ円「3σ下限から反発も中位を上抜けず」
日足、ボリバン3σ下限まで下落し小反発。雲の上限で抵抗にあう。5月18日-20日の下降ラインが上値抵抗。5月19日-20日の上昇ラインがサポート。5日線上向き、20日線下向き。
週足、4月18日週に一時、ボリバン3σ上限に近づいたがその後は反落。雲の上は維持。5月9日週-16日週の上昇ラインがサポート5月9日週-16週の下降ラインが上値抵抗。5週線下向く。20週線上向き。
月足、1月、2月は陰線。4月にボリバン3σ上限へ上昇したが5月は反落している。20年5月-22年3月の上昇ラインがサポート。22年4月-5月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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