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FX/為替見通し「豪ドル/円は市場のリスク心理の変化で振り回される可能性も」週刊為替レポート ハロンズ 豪ドル/円、NZドル/円 2022年05月21日

週刊為替レポートハロンズ 豪ドルNZドル

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪ドル/円は市場のリスク心理の変化で振り回される可能性も

今週の振り返り

16日にロックダウンが続く中国・上海市が6月中に経済を正常化する方針を示したことで、豪ドル、NZドルは買いで反応。17日に公表された、5月3日開催の豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨で、0.40%利上げの可能性も話し合われていたことが判明しました。RBAが市場が思っていた以上にタカ派化していたことで、近い将来の利上げ幅の拡大期待が膨らみ豪ドルは買われ、豪ドル/円は91.17円付近まで上昇しました。 しかし18日に発表された豪1-3月期賃金指数と19日の豪4月雇用統計の結果が市場予想を下回ったことや、欧米諸国の経済減速への警戒が強かったことで豪ドル/円の上値は抑えられることとなりました。

期待を裏切る?豪雇用関連指標

今月3日に開催されたRBA理事会の議事要旨で、RBAが予想以上にタカ派に傾いていたことがわかりました。それによって、「18日に発表される豪1-3月期賃金指数(WPI)と19日に発表される豪4月雇用統計で好結果が出て6月のRBA理事会での利上げ幅が0.25%よりも大きくなるのではないか?」と市場の期待値が上昇。そんな状況で迎えた両指標の発表となりました。結果は、WPIが予想の前年比+2.5%を下回る+2.4%。豪雇用統計の結果ですが、失業率は統計開始以降最低(一番良い)だったものの、雇用者数変化が+4000人と予想の+3万人を大幅に下回る結果となりました。ただ、内訳をみると正規雇用者数が9.24万人増加したのに対して、非常勤雇用者数変化(パートタイマー)が8.84万人減少しています。雇用の『質』という部分を見るとポジティブな結果でした。事前の期待値が高かったために豪ドルは失望売りに繋がりましたが、内容は悪いものではなかったです。特に失業率の4%割れと正規雇用者数の大幅増は賃金の上昇にも徐々に影響を与えていくと予想されますので、RBAが継続して利上げするとの予想は維持。利上げ幅は今後の経済指標次第では拡大するかもしれません。

来週の豪ドル相場を主導するのは?

豪の注目すべき経済指標は27日に予定されている豪4月小売売上高のみとなります。そのため、来週の豪ドル相場は「中国の段階的ロックダウン解除への期待」(リスクオン)と、「欧米経済の減速懸念」(リスクオフ)といった、為替相場に大きく影響を与えるリスクオン/オフの材料が混在しています。特にここ数日は、欧米の経済指標の結果を受けて、市場のリスクセンチメントが普段以上に敏感に反応しています。その分、値動きも普段よりも大きなものになる可能性がありますので、いつもよりも余裕もを持った取引をお勧めします。

NZ中銀の利上げ幅は?

5月25日にはNZ準備銀行(RBNZ)理事会が予定されています。前回4月13日のRBNZ理事会では市場予想の0.25%を上回る0.50%の利上げを実施。声明では「今後ではなく、今大幅に政策金利を上げることが『もっとも後悔の少ない選択肢』」と示しました。その後のNZの経済指標を見ると1-3月期CPIは予想(前年比+7.1%)こそ下回る+6.9%となりましたが、前回(+5.9%)からインフレは大幅に高進しています。労働市場も堅調に伸びているようですが、インフレの伸びが大きい状況です。そのため、今回の会合でも0.50%の利上げが8割方織り込まれています。 RBNZが市場の大方の予想通り0.50%以上の利上げを行った場合は、一旦は材料出尽くしでNZドルは売りで反応しそうです。ただ、その後の声明で、今後のスタンス(大幅利上げ継続など)、RBNZの今後の姿勢が強気であると判明すれば、NZドルは一転上昇となりそうです。

テクニカル的には

豪ドル/円は雲の中での動きとなっており、方向感を模索している状態です。上下ともに雲を抜けた方に着いていきたいと思います。雲を下抜けた際の下値の目途は、今週のサポートとして見ていた87.30円近辺が引き続き下値目途となりそうです。この水準には①5月12日安値(87.296円)、②昨年12月3日安値ー4月20日高値のフィボナッチリトレースメント半値戻し(87.26円)、③週足一目均衡表基準線(87.261円)、④月足一目均衡表転換線(87.261円)、と多くの目安があります。この水準を下抜けてしまうと、3月16日以来の85円台を目指すことになりそうですのでご注意を。
一方で上値はあまり目安になるものがありません。近い目途は、今週高値の91.173円や日足一目均衡表雲上限、同基準線、週足転換線が目先のレジスタンスとして見られそうです。

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表、フィボナッチリトレースメント】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
AUD/JPY:86.00-92.00、NZD/JPY:79.50-83.50

5/23 週のイベント:

05/24 (火) 07:45 NZ 1-3月期四半期小売売上高(前期比)
05/25 (水) 11:00 NZ ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
05/26 (木) 10:30 豪 1-3月期四半期民間設備投資(前期比)
05/27 (金) 10:30 豪 4月小売売上高(前月比)

一言コメント:

運動不足解消のために、お昼の休憩時間に30分ほど会社の周りをお散歩しています。ところが、今週はお散歩中に腰痛発症。片道10分の距離をなんとか戻ってきました。原因は柔軟不足(多分)。このコメントに書くことに悩んでいるときに、ふとストレッチをしたら体が凝り固まっていることに気付きました。運動、ストレッチ、そして筋トレ。この3つを”バランスよく”やろうと思います。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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