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FX「新年度入りで需給・出来高は変わるか、先ずは7日の貿易統計、8日の経常収支を見てみよう」

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総括

FX「新年度入りで需給・出来高は変わるか、先ずは7日の貿易統計、8日の経常収支を見てみよう」

ドル円=120-125、ユーロ円=133-138 、ユーロドル=1.08-1.13

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価8位(7位)、新年度、先ずは7日の貿易統計、8日の経常収支を見てみよう」
ウクライナへロシアが侵略した2月24日以降、年度末3月31日までの為替相場では円が最弱通貨となった。上位は南ア、メキシコ、豪など資源を持てる国、円はウクライナ紛争で悪影響を受ける欧州やトルコの通貨よりも弱くなった。3月初めに1月の経常収支が赤字と公表されたことも影響した。輸出は商慣行で3月はドルを売らず輸入のドル買いが目立った。生保などのヘッジ外しのドル買いや、年度末の海外企業の買収などの円売りもあり最弱通貨となった。
 新年度からは、需給は変わってくるだろう。ドル円やクロス円の週足も上ヒゲが長くなってきた。貿易関連では4月7日に3月中旬までの貿易統計が、4月8日には2月国際収支・経常収支が発表される。1月は1兆1887億円の赤字であったが、2月は1兆4499億円の黒字予想で予想通りならば1-2月は合計で黒字となる。貿易・経常黒字を続けてきた日本にとっては黒字幅が小さくなってきたのは事実だ。背景には中国の台頭で日本の輸出が減少し、直近では資源価格の上昇で輸入が増えたことにある。新年度からは輸出も動き出す。
 黒田日銀総裁は目標の物価上昇率2%を目指し金融緩和を続けるだろう。最近の円安は金融緩和が原因ではないとしている。2016年にマイナス金利という金融緩和を実施した年は20円以上の円高となったこともあるからだ。相場を決めるのは貿易・経常収支だろう。それと資本の流れが偏る時だ。黒田総裁の考えは間違っていないが、物価上昇に慣れていない日本人にとっては0.9%程度の物価上昇も耐えられない人もいる。日本の対外ポジションは3兆ドルのロングで円安がメリットとなる。ただ3兆ドルのロングということはドル売りも多く出るわけで円安が長期化するものではない。


*米ドル「通貨7位(6位)、株価(NYダウ)9位(8位)、米ドルは強くもなく弱くもない状況、利上げ観測の悪影響は株価へ」
 ドルは強からず弱からず年初来7位、ただ株価は時々リバウンドを見せるが年初来ではダウが4.6%安、ナスダックが9.1%安と勢いがない。今年はウクライナ紛争の影響もあり、資源価格が上昇し(資源を)「持てる国」の通貨が強い。米国も資源国の一つだが、同時に大貿易赤字国でもあるので、通貨番付では上位にはいけない。ただ欧州程のウクライナ紛争の悪影響は受けないので「持てない国」の欧州通貨や円よりは強い。
 高インフレに次いで雇用や賃金も改善してきたので利上げ観測は強まってきている。先週末のフェッドウオッチでは5月FOMCでの0.25%利上げ確率は26.7%、0.5%利上げ確率は73.3%と0.5%の利上げ予想が高まっている。ただ半導体不足やウクライナ紛争による物価高を利上げで抑制出来るかは疑問だ。その疑問が株価が上昇出来ない要因となっている。ドルは強いのは資源取引がドル建てなので、資源需要国はドルを多く準備しておかないといけない。これが基軸通貨の強みだろう。ただ利上げの弊害もあり、。今年のFOMCのGDP成長率予想はは4%から2.8%に切り下がっている。経済指標も一様に強いわけではなく、ISM製造業などは低下している。
 IMFのライス報道官は、ロシアのウクライナ侵攻を受け新たなインフレ圧力が発生する中、米経済のソフトランディング達成はFRBにとり困難な課題で、「大きな下振れリスク」を伴うとの見方を示した。


*ユーロ「通貨9位(10位)、株価14位(14位)DAX)、貿易赤字拡大、スタグフレーション懸念でも利上げ出来るかの迷い」
 3月は124円台から一時137円と13円も上昇したが、通貨番付では12通貨中9位と弱い。ウクライナ紛争の悪影響は受けている。英国と違って株価も弱い。重要なのは、日本と同じく貿易赤字が続いていることだ。1月は272億ユーロの赤字となり3か月連続の赤字となった。輸入が前年比44.3%増に対し、輸出は18.9%増に留まった。ウクライナ紛争が始まったのは2月下旬なので、2月、3月も赤字が見込まれユーロ売り要因となる。
 一方3月のユーロ圏消費者物価は、前年比上昇率が7.5%に加速し、過去最高を更新した。タカ派の独連銀を中心に金融引き締め論が一気に強まった。ナーゲル独連銀総裁は、ECBは行動を起こす必要があるとの見解を示した。声明で「インフレ率のデータを見れば明らかだ。金融政策は適切なタイミングで対策を講じる機会を逃すべきではない。ECB理事会は金融政策がデータ次第であることを明確にしてきた」と指摘した。
 一方、ラガルド総裁は、ウクライナ紛争が信頼感を圧迫しエネルギーコストを押し上げているとして、欧州経済は「短期的に成長鈍化とインフレ高進に直面する」との認識を示した。「紛争が長引くほど経済的コストが大きくなり、悪いシナリオが実現する可能性が高くなる」と指摘した。家計は既に悲観的になっており、企業の投資も打撃を受けそうだと述べた。デギンドスECB副総裁は、ユーロ圏は今年もプラス成長を維持するが、上期は弱いとの見通しを示した。「1Qの成長率はわずかにプラスで、非常に低い成長率になる。2Qはゼロ近辺という印象」と指摘。下期は盛り返すと予想され、スタグフレーションの可能性は今のところ低いと述べた。ユーロ圏のインフレ率は今後数カ月上昇し続け、年央あたりにピークに達するとの見通しを示し、「下期には下がり始める」と述べた。
 4月の独消費者信頼感指数はマイナス15.5と、予想のマイナス14.00を超えて低下し、2021年2月以来の低水準となった。


*ポンド「通貨10位(9位)、株価5位(4位)、対円では強いが、対ドルでは弱い。生活水準は、統計開始以来最も低下すると予想されている」
 円より強いが、ドルより弱い。それなりにウクライナ紛争の影響を受けて年初来では12通貨中10位となっている。ただ資源高で、資源会社の本社がある英国の株価を押し上げている。今年は世界でも数少ない株のプラス圏市場だ。
 高インフレで利上げを実施するも悪影響が出始めている。3月の企業景況感指数は前月から11ポイント低下して33なり、新型コロナウイルス禍開始以来最大の落ち込みとなったほか、2021年8月以来の低水準となった。インフレ拡大に応じて値上げを予定している企業の割合は、3ポイント上昇して55%となった。前回触れた2月小売売上、3月消費者信頼感に続き経済指標が思わしくない。
 調査会社ユーガブの世論調査で、英国のスナク財務相の支持率が、予算演説の後、急落した。演説では減税が発表されたが、生活コスト上昇への懸念が払拭されなかった。
スナク財務相はジョンソン首相の後継候補として最有力視されているが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う初めての大規模な財政出動を発表した2020年3月をピークに支持率が下落し続けている。
スナク氏の実績への支持から不支持を差し引いた純支持率がマイナス15%と、予算演説前のマイナス5%から大きく悪化した。
スナク氏の仕事ぶりが「悪い」との回答が過半数を占めた。政府予算では、来年度の生活水準は、統計が始まった1956年以降で最も低下すると予想。年末近くにはインフレ率が9%に達する公算が大きいとしている。一方今年の成長率予測を3.8%に引き下げた。


*豪ドル「通貨3位(2位)、株価6位(6位)、今週の政策金利は据え置き予想だが経済指標好調で利上げ観測が強まる」
 3月28日には94円台に乗せたが、日本の期末の円安要因剥げ落ちで、先週は対円では上ヒゲの長い週足となった。それでも9週連続陽線となった。2月失業率の4.0%への改善に続き、先週の指標も好調だった。
2月小売売上は前月比1.8%増で前月の1.6%増を3月製造業PMIは57.7で前月の57.0を上回った。3月商品価格は前年比40.9%増で前月の16.7%を大きく上回った。21年12月-22年2月の求人件数は42万3500件と、新型コロナウイルスのパンデミック前の水準を20万件上回り、過去最高を記録した。力強い労働需要を示し、失業率のさらなる低下につながるとみられる。
 政府の経済見通しでは、失業率は2022年後半に3.75%に達し、GDPは2021/2022年度に4.25%、2022/2023年度に3.5%成長すると予測している。
 さて今週の政策金利は据え置き予想だが、それ以降は利上げ観測が強まってきている。3Q末までに政策金利を引き上げ、過去最長となっている金融緩和サイクルを終えるとの見方は大勢になっている。5月に行われる見通しの総選挙から数週間のうちに最初の利上げがあるとの予想も少数派ながら増えている。短期金融市場は6月の利上げを既に織り込んでいる。ロシアのウクライナ侵攻でコモディティー高が進み、世界の供給制約も悪化することで、インフレが高まるとの予測が背景だ。


*NZドル「通貨4位(4位)、株価11位(8位)、利上げ観測あるも、スタグフレーション論も聞こえてきた」
 戦争となっているウクライナ、ロシアは農業国でもあることから農産物価格が上昇し、同じ農業国のNZドルも買われてきた。ただ先週の週足は長い上ヒゲとなっているので注意したいところだ。インフレは5.9%と高いが経済指標は必ずしも強くはないのが悩みだろう。貿易・経常収支は赤字が続く。1Qの消費者信頼感は92.1と前期の99.1から、3月のANZ消費者信頼感指数も77.9と前月の81.7から悪化した。ANZ企業信頼感指数もマイナス41.9と弱い。ただ高インフレなのでIMFからも利上げ要請を受けている。
 IMFは「NZの力強い景気循環局面とインフレ圧力を踏まえると、政策金利をを近いうちに大きく引き上げることが適切だ」と指摘。金融政策は引き続きデータ次第とすべきだが、「基本的な状況では継続的で迅速な政策正常化が適切だろう」とした。労働市場逼迫やロシアのウクライナ侵攻に伴う商品価格の上昇圧力、サプライチェーンの継続的な混乱を受け、インフレ率が短期でさらに上昇して年内は中銀の目標レンジ(1-3%)を大きく上回ったまま推移する兆しが強まっているとの分析を示した。ただ上述のように最近の経済指標は弱いために、利上げは債務者・消費者を苦しめることからスタグフレーションの声も出てきた。

テクニカル分析

*ドル円「週足の上ヒゲが長い」
日足、3月31日は2月1日以来の3連続陰線となったが、4月1日は3月28日-29日の下降ラインを上抜いた。3月31日-4月1日の上昇ラインがサポート。
5日線、20日線上向き。
週足、4連続陽線。3月28日週は短い陽線だが長い上ヒゲを残した。売り圧力は残る。ボリバン2σと3σ上限の間に位置する。3月21日週-28日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン3σ上限を越える上昇。5か月線から反発。1月-3月の上昇ラインがサポート。1月-2月の下降ラインを上抜く。3月は上ヒゲが長くなった。雲の上。
年足、2021年は6年ぶり陽線。15年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。


*ユーロドル「ボリバン2σ上限から反落」
日足、ボリバン3σ下限から反発、2σ上限まで戻すむ先週末は反落。3月31日-4月1日の下降ラインが上値抵抗。3月29日-4月1日の上昇ラインがサポート。5日線上向く、20日線上向き。
週足、ボリバン3σ下限から反発、ボリバン2σ内へ戻す。2月21日週-3月28日週の下降ラインが上値抵抗。3月7日週-28日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線下向き。
月足、1月、2月は雲の上に出きれず、3月急落。ボリバン3σ下限で下げ止まり2σ下限まで回復。2月-3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインがサポート。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。


*ユーロ円「ボリバン2σ上限から反落、上ヒゲが長い上ヒゲ」
日足、ボリバン2σ上限から反落。3月31日-4月1日の下降ラインが上値抵抗。3月22日-4月1日の上昇ラインがサポート。5日線上向く、20日線上向き。
週足、ボリバン3σ下限から反発、一時3σ上限上抜く。雲の上に出る。ただ上ヒゲが長い。3月21日週-28日週の上昇ラインがサポート。5週線上向き、20週線も上向く。
月足、1月、2月は陰線。2月の長い上ヒゲで3月急落も下ヒゲで急回復。ボリバン上限へ。20年5月-22年3月の上昇ラインがサポート。21年10月-22年2月の下降ラインを上抜く。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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