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FX「黒田発言が円安容認と取られる。3月過ぎれば需給は落ち着くが商品価格動向は注意」

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総括

FX「黒田発言が円安容認と取られる。3月過ぎれば需給は落ち着くが商品価格動向は注意」

ドル円=116-121、ユーロ円=129-134 、ユーロドル=1.08-1.13

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(7位)、株価11位(13位)、黒田総裁発言が円安容認と取られる。3月過ぎれば需給は落ち着くが商品価格動向は注意」
黒田日銀総裁の発言が円安容認ととられドル円は119.39まで上昇した。円は12通貨中11位へ下落した。為替相場を管轄する財務省が沈黙しているので為替については財務官時代に巨額介入を行った経験のある黒田総裁に質問が集中し総裁も丁寧に対応している。黒田総裁はエネルギー価格の上昇などを注意深く見ていく必要があるとしながらも「円安が全体をとして経済・物価をともに押し上げ、わが国経済にプラスに作用しているという基本的な構造に変わりはないと考えている」と発言した。 3月は新年度を控えて輸出業者も取引を手控えていることもあり、ドルも上昇しやすい。21年度上半期には外債投資に消極的であった日本の生保などもヘッジ外しのドル買いを行っているのだろう。 さて2月の貿易統計では6683億円の赤字となった。輸出額、輸入額ともに2月としては過去最大だったが、原油価格上昇や円安などの影響で輸入の伸びが輸出を上回り、貿易赤字は7カ月連続となった。ウクライナ情勢を背景とした資源価格の高止まりや円安の影響による輸入増が続く。1月は2兆1913億円の赤字。1月の第一次所得収支は1兆2890億円の黒字で経常収支は1兆1887億円の赤字となったが、2月の第一次所得黒字は約2.5兆円あたりに増加するので2月の経常収支は約1.8兆円の黒字、1-2月で6千億円の経常黒字となるだろう。需給的に落ち着いてくるが原材料価格の動向も影響を与えるだろう。

*米ドル「通貨6位(4位)、株価(NYダウ)8位(10位)、全体では米ドルは上昇していない」
ドル円で見るとドルは強いが、ドルは全体では12通貨中6位で中位にいる。ドルインデックスも100へは向かわず99台から98台前半へ下落してきた。ウクライナ危機による商品価格上昇でドルよりも資源通貨が強い。 米株価も先週は回復したが年初来ではまだマイナス圏で弱い。ウクライナ情勢はロシアが和平交渉を続けながら猛攻を続け、米中首脳会談はバイデン大統領が、中国がロシアに物質的支援を行った場合、「結果」が伴うと警告したこともあり、まだ不安定な状況が続きそうだ。 さてFOMCでは、政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定し、年内残り6回の会合全てで利上げを実施することを示唆した。FOMC終了後も当局者がインフレ抑制に向け一段と積極的に行動する必要があるとの見解を示している。 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、経済の過熱を防ぎ、インフレを抑制するために、年内に政策金利を1.75-2.0%に引き上げる必要があるとの考えを表明。ウォラーFRB理事は、今後、数回の会合で0.5%の利上げかどうかが問題になるだろうが、データはその方向に進むことを示しているとしたほか、利上げの前倒しに賛成だ。約束するより実行したほうが良い」と述べた。 不安は、ウクライナ問題やサプライチェーンの問題で上昇している原材料価格の高騰を利上げで抑えきれるかどうか。また今年のFOMCのGDP成長率予想はは4%から2.8%に切り下がった。力強い成長でないところでの利上げはスタグフレーションを呼ぶ可能性がある。ゴールドマン・サックストは、2022年の米経済成長率予想を従来の3.1%から2.9%に引き下げた。今後1年間にリセッション入りする確率は20-35%と予想した。

*ユーロ「通貨10位(11位)、株価13位(14位)DAX)、テクニカルでまず反発、若干のリスク選好とECB発言でさらに上昇」
依然ウクライナリスクという悪材料があるが、金融緩和継続と貿易赤字の続く日本の円を上回った。ウクライナリスクで一番影響のあるユーロが売られ続けていたが、反発はテクニカルからだった、ボリバン3σ下限を下抜いたあたりから反発し5日線がまず上向き20日線と雲を上抜いた。現在はボリバン2σ上限に近づいている。ロシアがドル建て国債2本の計約1億1700万ドルの利払いをした。西側諸国による厳しい制裁措置後の対外債務を履行する能力に対する疑念を和らげ、投資家心理を支えた。またバイデン米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談も材料視された。 需給的には弱い。1月のユーロ圏貿易収支は272億ユーロの赤字となった。ロシアのウクライナ侵攻前だが、エネルギー価格の高騰で輸入が急増し、3カ月連続の赤字となった。エネルギーの供給元であるロシアに対するEUの貿易赤字は2倍以上の119億ユーロに達した。  それでもクノット・オランダ中銀総裁は、インフレ率が過度に高いため、7月に債券買い入れを終了すべきで、4Qの利上げが現実的であるという考えを示した。さらにホルツマン・オーストリア中銀総裁は資産買い入れ策終了前に利上げに踏み切ればインフレと闘う明確なメッセージを打ち出せるというタカ派的な考えを改めて示した。ホルツマン氏はこれまでも、ECBが資産買い入れ終了前の夏に利上げを開始することもあり得ると述べていた。また、ロシアによるウクライナ侵攻がなければ、ユーロ圏経済は「素晴らしい成長軌道」に乗っていただろうと語った。

*ポンド「通貨9位(10位)、株価5位(5位)、政策金利は0.25%引き上げ。今週は消費者物価の発表で追加利上げ観測を占う」
資源国通貨の強みを持っていて1月は強かったが、ロシアのウクライナ侵攻後は、リスク回避で売られる場面が多かった。ただ黒田日銀総裁の円安容認とも受け取ることも出来る発言で円よりは強くなっている。 英中銀はインフレ抑制に向けて政策金利を0.5%から0.75%に引き上げた。ただ、エネルギー価格の高騰で家計が大きな打撃を受けていることから、今後の追加利上げの必要性については文言を和らげた。 利上げは昨年12月以降、3会合連続。金融政策委員9人のうち8人の賛成多数で決定、カンリフ副総裁はコモディティー価格の上昇による需要への影響を懸念し、据え置きに票を投じた。 英中銀は、「今後数カ月はさらに緩やかな引き締めが適切かも知れないと判断したが、中期的な見通しがどのように進展するかによってその判断には両面にリスクがある」とした。先月にはさらなる緩やかな引き締めが「適切である可能性が高い」と述べていた。 今週は早速2月消費者物価が発表される。 11月-1月の平均賃金は前年比4.8%上昇。予想の4.6%上昇を上回った。新型コロナ流行前の水準も上回った。英経済は新型コロナ流行前の水準をわずかに上回っているが、労働力人口は約50万人縮小している。50歳以上の人が早期退職していることが主因。11月-1月の就業者数は1万2000人減。予想は2万3000人増だった。スナク財務相は、人員削減が過去最少となる中、労働市場が「現在の世界的な課題に対処するのに良い状態にある」と確信していると述べた。

*豪ドル「通貨2位(2位)、株価6位(6位)、雇用改善。商品価格高騰と利上げ観測で強さ継続」
3月に入ってというか、2月24日のロシアのウクライナ侵攻による商品価格の急騰に伴ってその恩恵を受ける豪ドルも強調推移し、通貨番付では南アランドに次ぐ2位となっている。1月は豪のコロナ感染拡大で最弱通貨の一つであったが、2月には賃金価格やインフレの上昇で、通貨番付も中位となり、3月は2位となった。ただボリバン上限まできたので注意は必要だ。 RBAは3月理事会の議事要旨で、賃金の伸びが加速するのを待つ中、利上げに忍耐強くなる用意がなおあるとの姿勢を示した。ただ、ウクライナ戦争に起因する商品価格の高騰で、物価に一段の上昇圧力がかかると見込んだ。議事要旨では中銀が総じて、景気見通しに楽観的であることが示された。ただ、ウクライナの紛争は世界経済の先行きに影を落としている。「ウクライナ侵攻は世界の見通しに新たな不確実性をもたらし、供給面の負のショックが成長率を下押しし、インフレ率押し上げにつながる」とした。 2月の雇用統計は、就業者数が増えて失業率が改善し、予想を上回った。新型コロナウイルスのオミクロン変異株感染拡大による影響から経済活動が予想以上のペースで回復しており、早期利上げ観測が高まりそうだ。失業率は4.0%と前月の4.2%から低下し、2008年の水準に並んだ。予想は4.1%。就業者数は7万7400人増加。予想の3万7000人増の倍以上の伸びとなった。 労働市場が予想以上のペースで引き締まっており、今後数年で賃金の伸びが加速する。利上げサイクルが前倒しされるのは確実で6月利上げの予想も出てきた。利上げが基本シナリオである8月から前倒しされるリスクが強まっている。市場はすでに、年内に少なくとも5回の利上げを織り込んでいる。

*NZドル「通貨4位(5位)、株価8位(9位)、4Q・GDPと経常収支冴えないが物価上昇で追加利上げ観測強い」
豪ドル同様に、利上げ観測と商品価格上昇でウクライナへのロシア侵攻後上昇し通貨番付は豪ドルに次いで3位だ。ただ対円、対ドルでボリバン上限に位置しているので注意したいところだ。 先週の指標はやや物足りなかった。21年4Q・GDPは前期比で3.0%増加で予想の3.2%増加を下回った。内訳では、消費、政府支出、企業投資が好調。輸入が拡大したため、純輸出はGDPを押し下げる要因となった。在庫も大きな押し下げ要因。企業が需要に対応するため、在庫を減らした。 21年4Qの経常収支は73億NZドルの赤字となった。21年3Qは83億NZドルの赤字。2021年の1年間の経常収支は202億NZドルの赤字でGDP比で5.8%で、このあたりは経常黒字を続ける豪と差がある。物価、賃金は豪より高く、NZ中銀は、景気過熱とインフレ進行に対応するため、ここ数カ月で3回の利上げを実施。市場は追加利上げを予想している。 さてアーダーン首相は、新型コロナウイルスのワクチン接種を完了した豪国民や永住者を対象に、4月12日から入国を許可すると発表した。また、5月1日からは、ワクチン接種を完了した日本、英国、米国などのビザ免除国からの渡航者や、その他有効なビザを保持する渡航者の受け入れを再開するとした。これによって、海外からの観光客の受け入れが本格的に再開し景気回復を支援する。

テクニカル分析

*ドル円「9日ぶり陰線も翌日また陽線でボリバン2σ上限へ上昇
日足、ボリバン2σ下限から一気に上昇し3σ上限を3月11日に上抜く。その後も2σ上限に沿いながら上昇。3月17日は9日ぶりに陰線も18日週末は再びボリバン上限を上抜く。3月17日-18日の上昇ラインがサポート。ボリバン3σの120.66までは遠い。5日線、20日線上向く。 週足、2週連続大陽線。2月7日週-28日週の下降ラインを一気に上抜きボリバン3σ上限越え。3月7日週-14日週の上昇ラインがサポート。 月足、ボリバン2σ上限を越える上昇。5か月線から反発。1月-2月の上昇ラインがサポート。1月-2月の下降ラインを上抜く。雲の上。 年足、2021年は6年ぶり陽線。15年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「ボリバン3σ下限から反発続くもボリバン中位が抵抗」
日足、ボリバン3σ下限から反発も中位まで戻す。3月17日-18日の下降ラインが上値抵抗。3月16日-18日の上昇ラインがサポート。5日線上向く、20日線下向き。 週足、ボリバン3σ下限から反発、ボリバン2σ内へ戻す。2月28日週-3月14日週の下降ラインが上値抵抗。3月7日週-14日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線下向き。 月足、1月、2月は雲の上に出きれず、3月急落。ボリバン2σ下限下抜き3σ下限で下げ止まり2σ下限まで回復。1月-2月でダブルトップ。2020年3月-2022年2月の上昇ラインを下抜く。21年9月-22年2月の下降ラインが上値抵抗。 年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインがサポート。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「ボリバン3σ下限から2σ上限へ急反発。雲の上に」
日足、6日連続陽線。ボリバン3σ下限から上位へ反発。2σ上限に近い。雲の上。2月10日-3月18日の下降ラインが上値抵抗。3月17日-18日の上昇ラインがサポート。 週足、ボリバン3σ下限から反発も上位へ。雲の上に出る。3月7日週-3月14日週の上昇ラインがサポート。2月7日週-3月14日週の上昇ラインが上値抵抗。5週線上向き、20週線下向き。 月足、1月、2月は陰線。2月の長い上ヒゲで3月急落も下ヒゲで急回復。ボリバン上位へ。20年5月-22年3月の上昇ラインがサポート。21年10月-22年2月の下降ラインが上値抵抗。 年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインが上値抵抗。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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