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FX「ウクライナ危機で米ドルは幾分上昇も、景気悪化で株価が弱い苦しさ」

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総括

FX「ウクライナ危機で米ドルは幾分上昇も、景気悪化で株価が弱い苦しさ」

ドル円=115-120、ユーロ円=126-131 、ユーロドル=1.07-1.12

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨7位(5位)、株価13位(12位)、原油130ドルショックでの円売り。貿易需給は改善。3月過ぎれば円相場は落ち着く」
 先週末の1円の上昇は大きなものではないが2016年からドル円の動きは「太平の眠り」のようだったので、それなりに驚きであったかもしれない。
 ドル円は5日連続上昇、一時は117円35銭と2017年1月以来、5年2カ月ぶりのドル高円安水準を付けた。ただここ5年は2016年の99.08-121.68のレンジ中で静かに推移し、まだ2016年高値の121.68までは遠い。上昇の要因はウクライナ危機で安全資産の米ドルと資源国通貨が買われたことだろう。ただ地政学リスクの高い欧州通貨程円は売られていない。今週のドル円の上昇は米国がロシアから原油輸入を禁止すると宣言しWTIが130ドルまで上昇したのがきっかけだった。ただ米国のロシア産原油の輸入は少額である。またロシア産原油を大量に輸入している欧州各国は原油輸入を禁止していない。原油価格も110ドル台へ下落してきた。
 またドル円の上昇は、外債ヘッジをしていた日本の機関投資家のヘッジ外しのドル買いもある。ただこれは長期間続くことではない。1月は2兆円の貿易赤字は2月は約1000億円の赤字へ縮小する。また昨年ほどの外貨投信の買いは見られない。ドル円相場は少しずつ落ち着いてくるだろう。1月は例年貿易赤字が膨らみ所得黒字が縮小するので日本の経常赤字化という報道は誇張している。
 ただ日本の景気は不安だ。法人企業景気予測調査によると、2022年1-3月期の大企業(全産業)現状判断はマイナス7.5%と、3期ぶりの「下降」超となった。大企業のうち製造業がマイナス7.6%、非製造業はマイナス7.4%ポイントだった。中堅企業はマイナス9.6%ポイント、中小企業はマイナス26.2%である。
 今週は日銀政策決定会合があるが、日銀は、日本の経済・物価情勢を踏まえると、金融緩和を修正する状況にはないと述べた。賃金上昇など物価高の2次的な波及が懸念されない限り、金融引き締めで対応するのは適切でないとも話した。コストプッシュ型の物価上昇について、やや長い目で見れば家計の実質所得の減少や企業収益の悪化を通じて日本経済に悪影響を及ぼすため、「持続的・安定的な物価上昇にはつながらない」との見方を示した。景気悪化を示唆している。景気悪化では資源以外の輸入は伸びず貿易赤字の拡大もないだろう。

*米ドル「通貨4位(6位)、株価(NYダウ)10位(8位)、ウクライナ危機で米ドルは幾分上昇も、景気悪化で株価が弱い苦しさ」
 米ドルが幾分上昇、一方米株が弱いところが米国の苦しさだろう。ウクライナ危機での安全資産としてのドル買い、ドルで取引される資源価格高騰でのドル買いが起きている。ただ米貿易赤字が膨らもうとドル相場への警戒発言は聞こえない。先ずはウクライナ危機、ついでインフレ脱出だからだろう。一時、3月0.5%利上げの声が高まっていたが、今週のFOMC前では0.25%利上げに留まる予想が強い。何といっても
パウエルFRB議長が議会証言で「3月FOMCでは0.25%の利上げを提案し、支持する方向に傾いている」と表明したからだ。ロシアのウクライナ侵攻の影響について、物価上昇や支出・投資の抑制など、多岐にわたる経路で米経済に打撃を及ぼす可能性があるという見解を示した。さらにリスク心理の悪化や投資の後退、消費者が支出を控える動きが確認される可能性がある。需要と供給双方にどのような影響が及ぶかを見極めることは難しいと述べた。
 またゴールドマン・サックストは、2022年の米経済成長率予想を従来の3.1%から2.9%に引き下げた。ロシアのウクライナ侵攻を受けた原油などコモディティー(商品)価格の高騰により、支出が打撃を受けるとみている。生産が主要金属不足の制約を受けた場合、景気下振れリスクはさらに強まるとした。今後1年間にリセッション入りする確率は20-35%と予想した。

*ユーロ「通貨11位(11位)、株価14位(14位)DAX)、成長見通し引き下げ、インフレ見通し引き上げというウクライナ危機の悪影響で下げ」
 ウクライナ危機を受けて地政学リスクもありユーロも株価も売られている。先週のECB理事会では、予想に反して金融緩和解除を加速させた。ロシアのウクライナ侵攻が記録的な高水準にあるインフレをいっそう押し上げる恐れがあり、ECBはインフレを成長減速よりも懸念していることを示唆した。資産購入プログラム(APP)による債券購入は5月から減らし始め、7-9月)にも終了させる方針を示した。ただ、利上げはその直後とは限らないとくぎを刺した。ECBは今年のインフレ見通しは平均で5.1%と、昨年12月時点の3.2%から大幅に引き上げた。ただ、来年は2.1%への鈍化を見込む。12月時点での予想は1.8%だった。
 ラガルド総裁は、ロシア・ウクライナ紛争が「エネルギーや商品価格の上昇、国際商取引の混乱、信頼低下を通じて、経済活動やインフレに重大な影響を与える」と警告。「これらの影響の程度は、紛争の動向や現在の制裁措置の影響などに左右される」としながらも、「インフレ率は中期的に2%の目標で安定する可能性が高まっている」と述べた。今年の成長率見通しは従来の4.2%から3.7%に引き下げ、来年の予想も2.9%から2.8%に修正した。 シティグループはさらに悲観的で経済成長率予測を下方修正した。ロシアからのエネルギー調達を中止する計画が、数年にわたって経済の重しとなる可能性があり、新型コロナウイルス禍からの速やかな回復が阻害されるとしている。2022年の経済成長率予測を3.3%から2.2%に下方修正した。

*ポンド「通貨10位(10位)、株価5位(7位)、対露経済制裁が英経済にも悪影響。今週の政策金利は0.25%引き上げに留まるか」
 対ドルで3週連続陰線、対円では3週ぶりに陽線陽線となった。年初からは資源高と利上げ観測で上位にいたが、先週末は12通貨中10位まで下落している。ウクライナ危機で資源価格はさらに強いが、ロシアに
経済制裁を課したために英国にもその悪影響が及んでくるとの思惑で売られている。ただ英経済回復を示す経済指標を受けて、今週の政策会合では利上げ観測も強まっている。1月の英国内総生産(GDP)は前月比0.8%増と、昨年6月以来の大幅な増加となり、予想の0.2%増も上回った。昨年12月は0.2%減だった。エネルギーコストの上昇による経済的圧力は、英国や世界中でインフレや経済成長に対する懸念を高めている。ただ、ウクライナ情勢の影響もあり英中銀はそれほど強気にならないだろう。0.5%ではなく0.25%の利上げか。FRBの3月利上げ幅予想が0.5%ではなく0.25%に傾いていることもある。
 英国株式市場は資源株が買われ、意外と下げ幅は小さい。ウクライナ・ロシアで停戦の動きが出れば株価が先行してポンドも巻き戻すこともある。

*豪ドル「通貨2位(2位)、株価6位(5位)、商品価格高騰と利上げ観測で強い」
 ウクライナ危機での資源価格急騰とインフレ上昇による利上げ観測で豪ドルは上昇、年初来では南アランドに次ぐ強い通貨となった。ロウRBA総裁は、最近の世界的なコモディティー価格高騰によりインフレが押し上げられることを考慮すると、借り手は今年の金利上昇に備えることが妥当だとの見解を示した。国内のコアインフレ率は2.6%と依然抑制されており、賃金も緩やかな伸びにとどまっていることから、利上げまでには時間的猶予があるとの認識も示した。早ければ6月にも利上げを実施する可能性があるかとの質問には、具体的な時期への言及を控え、「より早い」可能性を想定した妥当なシナリオや年内に全く利上げしないシナリオがあると述べた。
 ゴールドマンサックスはRBAは8月と9月に連続利上げと予想している。消費者物価の総合インフレ率が6月までに5.3%に加速すると予想。11月に3回目の利上げ、24年3Qまでに引き締めサイクル終を見込んでいる。一方、オーストラリア・コモンウェルス銀行などは6月の利上げを見込んでいる。

*NZドル「通貨5位(4位)、株価9位(8位)、物価上昇、追加利上げ観測強い」
 ウクライナ危機の当事者であるウクライナとロシアは農業国でもあるので農産物核価格が上昇し、農産物輸出国のNZドルも上昇した。実際2月の食料品価格は前年比6.8%高と10年来で最高の伸び率となった。
インフレは現在5.9%でありウクライナ危機が石油、小麦、および多くの主要工業製品の商品価格の高騰につながったため、さらに高くなるのではないかという懸念がある。ANZのエコノミストは、現在の1Qのインフレ6.6%のピークという中銀の予測ではなく、2Qのインフレが7.4%でピークに達する可能性があるとし4月と5月の政策金利が連続して0.5%引き上げられると予想している。既に中銀もインフレ抑制に向けて金利面でさらなる対応が必要だとの見解を示している。必要であれば0.5%の利上げもあり得る、来年末までに金利が3.35%に達すると予想している。10年国債利回りは3.0%に達し米国より1%高い。 今週は21年4Qの経常収支とGDPの発表がある。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン2σ下限から一気に3σ上限を上抜く」
日足、ボリバン2σ下限から一気に上昇し3σ上限を上抜く。3月10日-11日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向く。
週足、2月7日週-28日週の下降ラインを一気に上抜きボリバン3σ上限へ。2月21日週-3月7日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン2σ上限へ上昇。5か月線から反発。1月-2月の上昇ラインがサポート。1月-2月の下降ラインを上抜く。雲の上。
年足、2021年は6年ぶり陽線。15年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「ボリバン3σ下限から反発も中位まで届かず」
日足、ボリバン3σ下限から反発も中位まで届かず先週後半は連続陰線。3月10日-11の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン3σ下限へ急落。2月28日週-3月7日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、1月、2月は雲の上に出きれず、3月急落。ボリバン2σ下限下抜く。1月-2月でダブルトップ。2020年3月-2022年2月の上昇ラインを下抜く。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインがサポート。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「ボリバン3σ下限から反発も中位に届かず」
日足、ボリバン3σ下限から反発も中位に届かず。雲の下へ。先週末は上ヒゲが長い。3月8日-9日の上昇ラインがサポート。2月25日-3月11日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
週足、ボリバン3σ下限から反発も中位に届かず。雲下限。2月28日週-3月7日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線下向き。
月足、1月、2月は陰線。2月の長い上ヒゲで3月急落。ボリバン下位。20年5月-22年3月の上昇ラインがサポート。21年10月-22年2月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2年連続陽線も今年は陰転。20年-21年の上昇ラインを下抜く。14年-21年の下降ラインが上値抵抗。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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