ウクライナ問題が日に日に報道の勢いを増す中、為替市場ではそこまでリスクオフ的な値動きに反応を示さなくなってきました。
その例として、先週後半はECBの影響も受けてユーロ/ドルは高値を大幅更新、一時1.15まで突破するのではないか!?というほどの上昇に勢いがありました。今週に入ってからは1.1480付近の高値から反落するも、現在も1.14台をキープしており、押し目が鈍い印象です。戻り売りポジションがまだ捕まっている印象があります。
そして明日は米CPIですが、もはや経済指標が上振れしても織り込み済みということでそこまでドル買いに反応を示さなくなってくると考えます。
利上げは年4-5回を織り込みにいっているため、次は調整相場のターンが少し強めに出ると考えております。
先週のコラムではユーロ/ドルの上昇についてお話をさせていただきましたが、今週も同じくユーロ/ドルチャート分析から入りたいと思います。
目次
▼ユーロ/ドル 日足分析 1.1485突破は今週中か?
▼豪ドル/米ドル日足分析 1年間続いた下落トレンドも終焉が近い?
ユーロ/ドル 日足分析 1.1485突破は今週中か?
ユーロ/ドル日足です。下降トレンドラインを綺麗に抜けてきております。またレジスタンスラインにピッタリと阻まれてきており、1.1480と1.1520を突破した際に大きくストップロスを巻き込むものと考えます。
大きな下落トレンドから高値と安値ブレイクし、そしてダマシの値動きとなっておりましたから、短期的な売りポジションも買いポジションも一掃されていると考えます。
1.1480突破後は、中長期ポジションの解消も進むと思いますので、昨年5月ごろから続いた下落トレンドは、ここらで終了となりそうです。
フィンランド中銀総裁でもありECB理事会メンバーのレーン理事は、「遅くとも2023年中に利上げすることが論理的」とはっきり認識を示しました。
利上げの可能性を排除しない」的な言葉ならまだしも、遅くても来年までに利上げしないと普通ではないと解釈できます。
出典:https://jp.reuters.com/article/ecb-policy-rehn-idJPKBN2K91MD
これらの発言がユーロ/ドルの調整相場に繋がりつつあるものと考えます。
先週のコラムでユーロ/ドルの買い戦略をお知らせいたしましたが、ポジションは継続したいと思います。
先週のコラム:https://www.gaitame.com/media/entry/2022/02/02/162115
ユーロ/ドルが大きく動きますとその他のドルストレートでも動きが大きくなりやすく、そういった意味では利上げを最も織り込んでいない先進国の通貨で言えば、豪ドルと日本円になります。
ドル/円と豪ドル/米ドルで悩んだのですが、本日は豪ドル/米ドルチャートを2つ目の分析通貨ペアにあげたいと思います。
豪ドル/米ドル日足分析 1年間続いた下落トレンドも終焉が近い?
しばらく豪ドルは売り目線で当コラムを発信させていただいておりましたが、そろそろ見通しの変更をお知らせいたします。
昨年から徐々に下値を切り下げていた豪ドル/米ドル日足チャートですが、この値動きは当然米国のインフレ上昇を昨年の春先から織り込み始めていた値動きです。
ほぼ1年間並行チャネルや三角保合に近い形状で下落トレンドが続いていたことがわかります。
3月にはFRBの利上げが開始され、米-豪間の金利差拡大は目に見えているのですが、チャート形状はすでに安値を更新するも、すぐに反発を演じており、下落トレンドに鈍りが生じ始めているのも事実です。
ユーロ/ドルが反発すれば、こちらも影響を受け始めるでしょう。
4時間足に時間軸を落としてみますと、0.7165ラインを突破した場合、次のレジスタンスまで100pips程度と距離があります。
1月上旬からの下落トレンドの大半を戻していくことになり、いずれこの下落が全否定につながり兼ねません。
0.7300方向に動き出すとしたら、日足の下降トレンドライン突破が意識されてきますので、さらに大きくショートカバーが誘発しそうです。
ユーロ/ドルと同じく、このポジション解消を狙ったトレードになります。
4時間足のRCIは3本とも上向き、0.7165のレジスタンスライン突破は一つの目安となるでしょう。明日の米CPIで値動きは荒れると思いますが、ドルストレートの値動きを感じて、あえてドルのショート戦略に切り替えました。
世間的には少々リスクがあるトレードですので、ほどほどにご参照くださいますようお願いいたします(笑)
ユーロ/ドル、豪ドル/米ドル買い目線で週後半はみていきたいと思います。
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<もくじ>
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
・レポートの勧め
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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