トルコのエルドアン大統領は29日、同国統計局のディンサー局長を更迭した。理由は明らかになっていないが、統計局が発表したインフレ率を巡り（あるいはこれから発表する1月インフレ率を巡り）大統領と局長の間になにかしらの対立があったのではないかとの疑いを禁じ得ない。大統領はこれまでも、自らの考えに従わない財務相や中銀総裁らを解任してきた経緯がある。
なお、トルコ統計局が発表した昨年12月のインフレ率は+36.08％を記録。今週3日に発表される1月のインフレ率は+48.15％に加速して40年ぶりの高い伸びになると見られている。一方で、一部の民間調査によるとトルコの実際のインフレ率は80％を超えているとの説もある。つまり、統計局発表のインフレ率は「そもそも」低すぎるとの見方もあるという事だ。
こうした中で、仮に1月インフレ率が予想を下回っても市場はその結果を素直に受け入れる事はないだろう。すなわち、もし市場予想に反してインフレが鈍化しても、それを好感してリラが買われるという反応はほとんど期待できそうにない。
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