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FX「これからの冬相場、早春相場は悪い円高に注意」

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総括

FX「これからの冬相場、早春相場は悪い円高に注意」

ドル円=110-115、ユーロ円125-130 、ユーロドル=1.11-1.16

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨9位(11位)、株価14位(12位)、円安にするには景気浮揚による消費増加と輸入増加が必要だが、政府にはその気が見られない」
 秋の実需の円安需給が終わり、テクニカルでも週足や月足がボリバン上限に達したことでやや円高に推移している。今後の需給のブレがあるとすればリパトリだがそれは来年となる。円買い金額は大きくはなさそうだ。ジェトロの2021年度海外進出日系企業実態調査では次のようになった。2021年の日系企業の業績は全世界的に上向きながらも、回復の勢いは力強さを欠いた。2021年の営業利益見込みでは、「黒字」を見込む企業は6割を超えたが、過去10年間で2番目に低かった。リーマン・ショック直後の2010年と比較しても回復のペースは鈍い。景気回復・需要増に沸く一部の業界と、新型コロナウイルス対策の経済活動制限が直撃する旅行などのサービス業との間の業種間格差が一段と拡大した結果となった。
 リパトリの円買いも限定的で、貿易収支も均衡しているなら一方向に伸びのある相場は想定しにくい。テクニカルな、ボリンジャーバンドの上下限での往復となるので行き過ぎた時は逆張りしたい。
気になるのは世界で多くの投資家が運用の基準にするMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の株価指数で、日本企業の構成銘柄を削る動きに歯止めがかからない。最高値を更新し続ける米国などに比べて、日本の相対株価パフォーマンスが悪化しているのが要因だ。これによって日本株が下落すると、リスク回避の円買いに繋がることもある。最近もそういう動きになっているのではないか。これまでの円安を支えてきた外貨投信の動きも注目したい。同じく貿易収支を黒字から均衡へもっていった輸入では原油価格の上昇やワクチン輸入量(国産品や国産飲み薬が出来れば減少)、半導体不足で輸出が減少した自動車産業動向も注視したい。
 円安にするには景気浮揚による消費増加と輸入増加が必要だが、政府にはその気が見られないのは円高要因となる。既に株安を放置して景気対策55兆円を無駄にしている。

*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)7位(5位)、ドルは強くもなく弱くもない。オミクロンでリスク選好から回避の動き。ただ成長見通し下方修正でもインフレは上昇見込みのジレンマあり」
 米ドルはやや弱含んだ。オミクロン株発生で世界的なリスク回避の流れで、対円、スイス、ユーロでドルは下落したが、資源国通貨や高インフレでも利下げを敢行するトルコに対してはドルが上昇した。年初来では人民元に次いで2位。経済指標や株価の好調さが支えている。ただ先週末はナスダックが急落した。11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より21万人増加で予想の55万人増を大幅に下回った、昨年12月以降で最も低い伸びとなった。ただ、失業率が4.2%と1年9カ月ぶりの低水準に改善し、労働市場の急速な引き締まりを示唆した。パウエル議長は、次回金融政策決定会合でテーパリングの加速を検討すべきだと議会で証言していたが今回の雇用統計はテーパリング加速を決定するのに十分すぎるデータだと指摘されている。
 懸念は新型コロナウイルスの新たなオミクロン変異株の発生に伴うリスクと不確実性だ。ゴールドマン・サックスは2022年の米経済成長率見通しを従来の4.2%から3.8%に引き下げた。今年4Qの成長見通しも従来の3.3%から2.9%に下げた。一方、変異株の影響で職場復帰への不安が続けば、労働者不足がさらに長期化する可能性もあるとした。供給不足問題への影響については、変異株の広がりで各国が制限を強化すれば悪化する可能性があるが、貿易相手国のワクチン接種率が高まると重大な阻害要因にはならないようだ。

*ユーロ「通貨8位(7位)、株価8位(8位)DAX)、対円で7週連続で陰線と弱い。ラガルドECB総裁はインフレは一時的の持論変えず。米は独に支出拡大陽性」
 ユーロは対円で7週連続で陰線だが、年初来ではかろうじて円より強い。ただ年足では上ヒゲが長くなってきた。円との激烈な攻防が続く。オミクロン株発生の前からのコロナ感染の急拡大による経済活動停滞、けっして力強さがない経済指標、メルケル首相退陣で不透明感が漂うドイツ経済と良い材料がない。
 ラガルドECB総裁は、「利上げについてのフォワードガイダンスの条件が満たされれば行動をためらわない」と述べた。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)については「現状では3月に購入を終了することに自信を持っている」と述べた。その上で、ECBが行動しないということではないとし、PEPP下での再投資プログラムがあり、行動手段もあると述べた。2022年の利上げの可能性は極めて低いと述べた。「インフレ率が2022中に低下すると「強く信じている」とも語った。
 米FRBはインフレ高進は一時的という認識を修正したが、ラガルド総裁は、インフレがいずれ落ち着くというECBの見解を維持し、米国とは状況が根本的に異なる。
米財務省は、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書を公表し、独の新たな連立政権に対し、持続的な財政黒字に戻すことよりも、新型コロナウイルスのパンデミック関連の「大胆な」支出を続けるよう求めた。IMFと欧州委員会は長年にわたって欧州最大の経済大国ドイツに対し、世界経済の不均衡を是正し、他国の経済成長を刺激する方法として内需と輸入を拡大するようさらなる努力を促してきた。

*ポンド「通貨4位(4位)、株価9位(10位)、オミクロンショック続く。政策金利決定は不透明に」
 オミクロン株が発見された南アとの経済交流が盛んなだけに打撃は受けている。英中銀は11月4日の前回金融政策委員会で7対2で政策金利を過去最低の0.1%に据え置くことを決定した。オミクロン株の拡散で英経済が鈍化すると同時に、インフレ圧力が増大する可能性があるが、オミクロン株は検出されてからまだ日が浅く公衆衛生、ひいては経済にどのような影響が及ぶのか見極めるために待たなければならない。
 原油価格が80ドル台から60ドル台へ下落したことや、他の資源価格が下落していることは、資源通貨の要素を持つポンドに重しとなった。
 ベイリー中銀総裁は、オミクロン株による経済への影響は依然として強いとの認識を示したほか、サプライチェーンの混乱と消費財の需要増加を起因とするインフレ圧力に言及した。英中銀が今月、利上げに踏み切るかどうか不透明となる中、株価指数は下落している。景気減速や規制、場合によってはロックダウンさえも予想される時に政策金利を引き上げれば、経済的苦痛が増すことになる。クリスマス前の利上げも国民の不満となる。

*豪ドル「通貨11位(8位)、株価10位(9位)、5週連続週足陰線。世界的なリスク回避の流れで弱い」
 弱い。対円、対ドルで5週連続で週足陰線となった。世界経済の減速、資源価格の下落、オミクロン感染者急増などがリスク回避の流れとなり豪ドルが売られている。豪は3Qの景気減速の後に、4Q以降は景気回復へ向かとし、その通り経済指標は改善していたが、リスク回避の流れに勝てなかった。3Q・GDPは前期比1.9%減少したが、4Qの指標である10月小売売上。11月製造業PMIは改善。賃金指数も目標の3%へ向かい2.2%まで上昇してきていた。3Qインフレは前年比で3%上昇、コアインフレは2.1%上昇と中銀の目標レンジに入ってきたが、リスク回避の流れ、オミクロン株への懸念があるので今週の政策金利も0.1%で据え置きとなりそうだ。市場は2023年1Qに政策金利を過去最低の0.1%から引き上げる見通しとなっている。
 最大の貿易相手国の中国との関係も改善していない。豪は人権侵害などに関与した外国の当局者らに制裁を科す法案を可決した。中国の新疆ウイグル自治区での人権問題を念頭に、既に同様の法律を持つ欧米と足並みをそろえた。一方、米国のキャンベル・インド太平洋調整官は、中国はオーストラリアに「激しい経済戦争」を仕掛けており、同国を「壊す」試みを行ってきたとの見解を示した。

*NZドル「通貨6位(6位)、株価15位(15位)、5週連続で弱い。企業信頼感も悪化。焦点は来週の経常収支とGDP」
 豪ドル同様に弱い。対円、対ドルで5週連続で週足陰線となった。世界的なリスク回避の流れはNZにも押し寄せている。強い経済指標とインフレの高進(年間のインフレ率は4.9%と、過去10年余りで最大)
政策金利は0.75%まで引き上げられている。ただ3Qの小売売上悪化に続き、11月の企業信頼感も前月から悪化した。コストとインフレ圧力が極端に強い状況が続いている。向こう1年間に経済が悪化すると予想した回答者の割合は差し引き16.4%。10月の13.4%から悪化した。向こう1年間に自社の事業が拡大すると見込んでいる回答者の割合は差し引き15.0%で、10月の21.7%から低下した。
 オミクロン株感染については、NZは世界で最も厳しい水準の国境管理を行っており、今後も5カ月間はほとんどの外国からの渡航者に対して国境を閉鎖する予定だ。ただこれは経済活動を停滞させてしまう。
焦点は来週12月15日に発表される3Q経常収支と。3Q・GDPだ。経常収支は4四半期連続で赤字が続いている。3Q・GDP予想は前期比5%縮小か。

テクニカル分析

*ドル円「5日線が20日線を下抜き雲中へ下落。週足、月足で上ヒゲの長い陰線」
日足、5日線が20日線を下抜き、雲中へ落ちる。11月26日-12月3日の下降ラインが上値抵抗。11月30日-12月3日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、11月22日週の上ヒゲの長い陰線の後も陰線。11月22日週-29日週の下降ラインが上値抵抗。9月20日週-11月29日週の上昇ラインがサポート。ボリバン中位に近づく。
月足、11月は上ヒゲの長いカブセ的な陰線。12月も陰線スタート。ボリバン2σ上限越えから下落。21年10月-11月の上昇ラインを下抜く。21年8月-9月の上昇ラインがサポート。雲の上。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン2σ下限から反発もボリバン中位に阻まれじり安」
日足、ボリバン2σ下限から反発もボリバン中位に阻まれじり安。11月30日-12月3日の上昇ラインがサポート。11月30日-12月3日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向く。
週足、2週連続陽線でボリバン内へ戻る。11月8日週-29日週の下降ラインが上値抵抗。11月22日週-29日週の上昇ラインがサポート。
月足、4か月連続陰線と弱い。12月も陰線スタート。雲の下。20年3月-21年11月の上昇ラインがサポート。21年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ下限近い。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「7週連続陰線でボリバン2σ上限から下限へ下落」
日足、ボリバン2σ下限で推移。12月1日-3日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ下限は127.14。5日線下向き。雲の下。
週足、7週連続陰線でボリバン2σ上限から下限へ下落。11月22週は上ヒゲが長い。11月22日週-29日週の下降ラインが上値抵抗。1月18日週-11月29日週の上昇ラインがサポート。雲中。
月足、11月は大陰線。12月も陰線スタートでボリバン中位へ。21年10月-11月の下降ラインが上値抵抗。20年5月-21年11月の上昇ラインを下抜く。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜くも長い上ヒゲを出し戻ってきた。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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