▼今週の振り返り
▼豪準備銀行は動くのか？
▼オミクロン株の影響は？
▼OPECプラスは計画維持
▼テクニカル的には…
▼12/6 週のイベント
▼一言コメント
国内は回復基調なのに、豪ドルもNZドルも下落基調！？
今週の振り返り－オミクロン一色に…
26日に南アフリカで発見された新型コロナ「オミクロン株」への懸念が世界中で広がり、外国為替市場では警戒感の広がりとともにリスク回避の姿勢が強まりました。また、30日にはパウエルFRB議長の議会証言がタカ派的に転移したと受け止められドル買いが強まりました。結果、米テーパリング加速懸念でのドル買いと、リスク回避の円買い（ドルストレートでのドル買い）から豪ドル円は一時80.039円まで下落、NZドル円も76.647円まで下落しました。
豪準備銀行（RBA）は動くのか？
来週は7日にRBA理事会が開催されます。前回11月2日の会合では3年国債のイールドカーブ・コントロールを撤廃し、利上げについては「条件が整うには一定の時間がかかるだろう。」と、これまで「条件は2024年より前には満たされない」と具体的に示していた時期を曖昧な表現に変更しました。また、11月5日に公表されたRBAの四半期金融報告ではRBAがインフレ率とともに重視する賃金の伸び（賃金指数）が年3%の伸びを達成するのは2023年終盤との見解を示しています。RBAは年2‐3%のインフレ率を維持するには3%以上の賃金の伸びが必要とかねてから主張しており、11月17日に発表された7-9月期賃金指数は前年同期比+2.2%と4-6月期の同+1.7%と比べても加速していることがわかります。ただ、RBAの目標としている3%には程遠い状況です。そのほかの経済指標の結果を見ても豪経済が回復基調にあることを示すデータは出ているものの、RBAが金融政策の見通しを早めるほどの材料は出てきていません。そして、新たに新型コロナの「オミクロン株」という不確定要素が出てきてしまった。そのため、金融政策はもちろんのこと、政策見通しも様子見となることを予想しています。
オミクロン株の影響は？
11月26日にオミクロン株が発見されてから1週間経ちました。専門家が「毒性や致死率などの詳細がわかるまで2週間かかる」と言っていましたので、これから徐々に詳細が明らかになっていくと思います。現状では「感染力は強いが、重症度や致死率は高くない」と言うのが一般的な見方となっています。これを覆すような強烈なネガティブ材料が出てくればリスク回避の姿勢が強まり、豪ドル、NZドルは対ドル、対円共に下落しますが、そういった情報がない限りは下値は限定的。徐々に底固めに入るのではないかとみています。
OPECプラスは計画維持
12月2日にOPECプラス会合が開催されました。米国や日本などの石油消費国が戦略石油備蓄を放出することや、新型コロナ「オミクロン株」の出現による経済減速懸念から、一部では「OPECが増産計画を見送るのでは？」との見方もありましたが、結果として増産計画の維持（日量40万バレルの増産）となりました。原油価格はオミクロン株が発見された11月26日以来の1週間で1バレル=78ドル台から62ドル台まで急落した後、現在は67ドル台まで反発しています。原油価格に関してはオミクロン株への懸念から売られ過ぎた感は強いので一定の反発は見せると思いますが、ウイルスの詳細が明らかになるまでは戻りも限定的となりそうです。
テクニカル的には…
下落トレンドは継続中です。下値は9/22安値の78.85円や8/20の77.89円が目途となりそうです。一方で上値は日足転換線と82.00円。この水準には8/20安値と10/21高値を結んだフィボナッチの半値戻し、9/3高値、日足雲下限、月足の転換線など、これまでのサポートがありこの水準がレジスタンスとなる可能性があります。
【豪ドル/円 日足チャート 一目均衡表とフィボナッチリトレースメント、200MA】
予想レンジ：
AUD/JPY：78.00-82.00、NZD/JPY：74.50-79.00
12/6 週のイベント:
12/07 (火) 未定 中国 11月貿易収支（米ドル）
12/07 (火) 09:30 豪 7-9月期四半期住宅価格指数(前期比)
12/07 (火) 12:30 豪 豪準備銀行（中央銀行）、政策金利発表
12/09 (木) 06:45 NZ 7-9月期四半期製造業売上高(前期比)
12/09 (木) 10:30 中国 11月消費者物価指数（CPI）(前年同月比)
12/09 (木) 10:30 中国 11月生産者物価指数（PPI）(前年同月比)
（執筆：中村 勉）
一言コメント：
12月6日の14:15～14:28、ストックボイスという番組に電話出演することになりました。初めてのテレビ出演、しかも生放送で資料作成も悩みまくり。挙句の果てには「出演を一週間延ばしましょう」という夢まで見て…がんばります
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