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FX「世界が原油高対策へ動く。年初来の円安基調が変るか」

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総括

FX「世界が原油高対策へ動く。年初来の円安基調が変るか」

ドル円=111-116、ユーロ円126-131 、ユーロドル=1.10-1.15

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価11位(11位)、米中主導の原油高対策は円高要因。日本は何で儲けるかのビジョンが見えなかった経済対策」
年間11位の円も今月は3位と健闘している。ただ米ドルが円より強いので円安感はあるが、コロナ感染者増加のユーロや資源通貨の下落で円が全体では上昇している。原油(WTI)価格は今月9.13%下落している。原油価格下落は米中の石油備蓄放出によるものだ。持続性は不明だが影響は小さくなさそうだ。バイデン政権は石油を大量に消費する一部の国に対して、価格を引き下げ景気回復を後押しするための協調した取り組みとして石油備蓄の放出を検討するよう要請した。
 今年の円安の要因は貿易赤字ではない。貿易収支は漸くフラットとなったばかりだ。一番の大きな要因は外貨投信が約10兆円増加していることだろう。貿易は輸出は半導体不足で自動車輸出が減少、輸入は原油高で原油輸入額が増加している。原油価格が下落すれば円高要因となる。半導体不足はまだ解消しそうもない。
 過去最大の景気対策が消費に結びつくかどうかはわからない。金融所得課税の見直しについて、今年は議論しないとされたが、将来引き上げるなら株価への不安が付きまとう。製造業はそのシェアーが中国に奪われたり工場の海外進出に繋がるとすれば、重点を置きたいのは金融立国だが、その方向性は見られなかったのは残念だ。株価を引き上げずして繫栄も円安もない。

*米ドル「通貨3位(3位)、株価(NYダウ)7位(3位)、FRB主要人物がテーパリング加速を示唆。大統領は原油価格下落へ行動。感染拡大のユーロと資源通貨が下落でドル浮上」
先週も米ドルは強かった。 米国のインフレ率が約30年ぶりの高水準に達し、雇用増のペースも加速する中、FRB当局者から景気支援策の早期終了を示唆する発言が相次いだ。
クラリダFRB副議長は、インフレには上振れリスクが存在し、経済は「非常に力強く推移している」とし、12月のFOMCテーパリングのペース加速を討議することが「極めて適切となる可能性がある」と述べた。
ウォラーFRB理事も、同様に予想よりも早期に利上げを実施する用意を整える必要があるとの見解を表明。来年1月にテーパリングのペースを倍増させ、4月に完了させた上で、2Qに利上げに着手する案に支持を表明した。ウォラー理事とクラリダ副議長の発言を受け、金融政策運営の見通しに反応しやすい2年債利回りが上昇した。
 バイデン大統領は高インフレの主要な要因である原油高を懸念し中国を含む広範な国に対し協調的な石油備蓄放出を打診したと明らかにした。これによって先週は原油(WTI)が6.28%、11月は9.13%下落している。資源国通貨が下落しこれによって米ドルが浮上、欧州のコロナ感染拡大でユーロが下落し、これもドル上げに繋がった。資源価格が下落すれば、持たざる国の円やスイスがやや強くなっている11月だ。
 史上最大の貿易赤字や財政の崖の問題もあるが、強い米株や米国債への資金流入がドルを支えている。FRB議長人事もあるが、金融政策は冒頭のFRB副議長と理事の発言通りに動いていくだろう。

*ユーロ「通貨10位(10位)、株価5位(5位)DAX)、コロナ感染さらに拡大しユーロ下落。金融政策は真っ二つ」
先週も触れたがコロナ感染が拡大している。オーストリア政府は11月19日、完全ロックダウンを再導入すると発表した。西欧で今秋、ロックダウンが再導入されるのは初めてだ。
これを受けて、感染が拡大している隣国ドイツも追随するとの観測が浮上している。ロックダウン懸念は金融市場に幅広く影響を及ぼしている。ユーロ、株式や原油が下落した。
 インフレは高い。10月のユーロ圏消費者物価は前年比4.1%上昇と、13年ぶりの高い伸びを記録した。一方、3Qのユーロ圏GDPは前期比2.2%増で予想を上回り、1年ぶりの大幅増加。夏の間経済活動が活発化したことを示した。
 独連銀ワイトマン総裁は、「インフレ期待の上昇や賃金の伸び拡大が中期的な物価上昇圧力を強める可能性がある。パンデミックはインフレ環境に著しい影響を与えた。インフレ率が以前予測されていたように目標値を下回らない可能性は十分にある」と述べた。
 一方、ラガルドECB総裁は、「現在のように、インフレ圧力が後退する見込みである時に、政策を引き締めるのは理にかなっていない」と指摘した。ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を来年3月に終了することを示唆しているが、ラガルド氏は、その後も資産買い入れは依然として「重要」になると指摘。ECBは需要を「育てる」必要があると主張。「政策支援を早急に引き揚げることなく、これらの力を引き続き育てる必要がある」との考えを示した。

*ポンド「通貨4位(4位)、株価11位(8位)、再び利上げ観測強まりポンド上昇。次回は12月16日に政策金利決定」
11月4日は事前にベイリー中銀総裁が、インフレリスクの高まりに対して躊躇なく利上げする考えを示したことを受け、利上げ観測が高まっていたが、労働市場の状況を見極める必要があるとして政策金利は据え置かれ、その後はポンドはじり安推移していた。ただ先週は10月の被雇用者数は前月比16万人増加し2930万人。新型コロナウイルスのパンデミック前の2020年2月の水準を0.8%上回った。
 さらに10月の消費者物価は前年比4.2%上昇と、10年ぶりの高い伸びとなった。電力、ガス、その他燃料が主な上向き圧力になった。99月の住宅価格は、前年比で11.8%上昇した。伸び率は6月(12.6%上昇)以降で最大で、過去15年あまりで2番目の上昇率となった。10月の小売売上高は前月比0.8%増と、予想の0.5%増を上回る伸びとなった。オークションハウスや衣料品店が好調だった。
小売売上高は、新型コロナウイルス感染拡大前の2020年2月を5.8%上回る水準となった。インフレが加速する中、英中銀は、コロナ関連の雇用保護制度が先月終了したことで景気が悪影響を受ける兆しが見られなければ今後数カ月間に利上げに踏み切る考えを示している。
 英中銀のチーフエコノミストのヒュー・ピル氏は、12月に利上げが決定される可能性が高まっているが、ピル氏自身は最終的な判断を下したわけではないと述べた。また、市場はより長期的な視点を重視したほうが良いと主張した。またマン英中銀政策委員は日、消費者物価が10年ぶりの高水準に達したものの、英世帯や企業、金融市場はなお、英中銀がインフレを目標の2%に回帰させると確信しているという認識を示した。
 コロナ感染者拡大やクリスマス直前ということもあり、利上げ材料が揃っていても再び政策金利据え置きの可能性も残している。次回は12月16日に政策金利決定があるが、まだ指標精査の時間がある。

*豪ドル「通貨8位(9位)、株価10位(9位)、豪ドルを上昇させた10月のテーパリング後のフォロースルーなし。様子見」
11月はじり安推移している。10月はテーパリング示唆と開始で上昇したが後が続かず。ロウRBA総裁は、「最新のデータと予測は22年のキャッシュレート引き上げを正当化しない」とした上で、最初の利上げについて24年より前には引き続きなさそうに思われると語った。インフレショックがより持続的なものとなり、労働市場がより速いペースで逼迫するシナリオも一方で提示し、その場合は24年より前の利上げの根拠が強まるとした。インフレ目標(2-3%)のミッドポイント前後へのインフレ率の到達を支えるには3%以上の賃金の伸びが必要との認識を示し、「まだ道のりがある」と発言した。その3Q賃金指数は前年同期比2.2%上昇となった。2Qは1.7%上昇だった。新型コロナウイルスのパンデミック前の伸びを回復した。賃金の伸びは2019年の水準を回復したものの、RBAがインフレ率を目標に維持するのに必要と主張する3%強には届いていない。10月の雇用統計の悪化もありRBAが利上げを議論するのは時期尚早だ。
 外部要因も弱い。貿易摩擦があるとは言え豪の対中国貿易依存度は高い。その中国の景気減速が豪ドルの重しにもなっている。資源価格上昇も勢いがなくなってきている。今週は設備投資と小売売上の発表がある。

*NZドル「通貨5位(4位)、株価15位(15位)、政策金利は0.25%引き上げか ゼロコロナからウィズコロナ政策へ転換」
NZ中銀は11月24日に2会合連続で政策金利を0.25%引き上げ0.75%とする見通しだ。前年比で10年ぶりの上昇率となっている物価を抑制し、住宅市場の過熱も沈静化させる狙いがある。来年末の政策金利については、予想中央値は1.75%、2023年末は2.0%となった。中銀が想定していたよりニュージーランドの経済情勢がかなり強くなっている。住宅市場の過熱があり、3Q失業率は3.4%と2007年12月以来の低水準となっている史上最低の水準、年間のインフレ率は4.9%(3Q)と前期の3.3%から拡大し、過去10年余りで最大となっている。インフレ目標の上限の3%をはるかに超えている。4Qのインフレ期待指数は2.96%で前期の2.27%から上昇した。
 懸念はNZのコロナ感染者数が増加傾向にあること、世界的な水準から見れば低いが、過去のNZの感染者数から比べると増加している。8月にも利上げ機運が高まっていたが、コロナ感染者数増でロックダウンとなったため利上げは10月に引き伸ばされた。ただ現在のNZはロックダウンを通じたノーコロナからワクチン接種推進によるウィズコロナ政策に転換している。ある程度の感染者は甘受して経済活動を維持しようとしている。また先週の3Q卸売物価が1.8%上昇と前期の2.6%上昇から低下したことも気になるところだ。今週は小売売上と貿易収支も注目したい。

テクニカル分析

*ドル円「114中心で揉みあい。5日線が20日線を上抜き両者上向きに。週足上ヒゲ長い」
日足、5日線が20日線を上抜き両者上向きに。11月10日-19日の上昇ラインがサポート。11月17日-19日の下降ラインが上値抵抗。
週足、10月18日週にボリバン3σ上限越えて反落も114円中心にもみ合い。先週は上ヒゲ長い。11月8日週-15日週の上昇ラインがサポート。2σ上限が上値抵抗。雲の上。
月足、21年9月-10月の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン3σ上限近辺から反落も下ヒゲを残し盛り返している
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン2σ下限に沿って弱い」
日足、ボリバン一時2σ下限を下抜く。11月10日-19日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、雲の下へ落ちる。ボリバン3σ下限に到達。11月8日週-15日週の下降ラインが上値抵抗。3σ下限は1.1235。
月足、10月最終日に陰転。11月はここまで大陰線。ボリバン中位以下。21年6月-9月の下降ラインが上値抵抗。サポートは2σ下限。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「5週連続週足陰線、日足はボリバン2σ下限に沿って下落継続」
日足、ボリバン2σ下限に沿って下落。3σ下限がサポート。11月10日-19日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、5週連続陰線。漸く実体比少し短いが下ヒゲが出る。11月8日週-15週の下降ラインが上値抵抗。1月18日週-11月15日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ下限に一時到達。雲中。
月足、10月は5か月ぶり陽線。今月大陰線。9月-10月の上昇ラインを下抜く。6月-10月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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