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期末要因でのドル上げ終了。10月初旬は特色無し。所得倍増などの新政権経済政策を期待していいのか

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総括

期末要因でのドル上げ終了。10月初旬は特色無し。所得倍増などの新政権経済政策を期待していいのか

ドル円=108-113、ユーロ円126-131 、ユーロドル=1.14-1.19

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価10位(10位)、期末のドル上げ終了。10月初旬は? 所得倍増政策ならばリスク選好?」
 期末のドル買いが終わり、10月はドル下げで始まった。最悪のコロナ感染者状況下での横浜市長選挙の自民党敗戦、菅自民党総裁の辞意表明で新政権期待のリスク選好の株高ドル高もあった。ただ実際に自民党新総裁が決定した後はリスク回避の株安が始まり、先週後半はドル売りとなった。岸田自民党新政権は数十兆円の財政支出や所得倍増を打ち出したが、具体的な政策やその実現性はまだ不透明であり、今暫く時間がかかりそうだ。
 経常黒字という円高要因は変わらないが、ワクチン輸入もあるのか貿易収支が拮抗し、外貨投信は1-8月で8兆円増加となり相殺している。実需の上半期の円買い(輸出予約)が終わり、下半期は円売り(輸入予約)が勝ってくるが、それは11月以降だろう。コロナ感染抑制のための緊急事態宣言が解除されたことは消費増加に繋がりコロナ前に戻ると予想されるが、元々コロナ前はマイナス成長だったので、大きく期待は出来ない。また金融所得課税見直し案も出てきた。これが株安となればドル円も上昇し難い。所得倍増が公約ならば増税は出来ない筈だが不透明感は残る。

*米ドル「通貨3位(4位)、株価(NYダウ)6位(4)位、期末のドル買い終わりドル緩むか、債務上限問題やインフラ法案も先送りの不安あり」
 期末のドル買いと、最近言及していたが、期末明けの10月1日は全面ドル売りとなった。米金利も低下した。10月の初旬の過去16年分のデータではドル円は上げ下げ約50%ずつで特色がない。
米国にはインフレの問題と財政の問題がある。先々週までの経済指標は強弱マチマチであったが、先週後半はGDP確報値、個人消費支出、ミシガン大消費者信頼感確報値、ISM製造業景気指数などは強かった。ただパウエル議長は長引く高水準のインフレに関し、自動車関連などの供給制約が当初想定より長引き、価格を押し上げているとしつつ「来年前半にかけてある程度、和らいでいく」との見方を示している。
足元のインフレの加速について「我々が制御できない供給側の目詰まりによるものだ」と強調した。仮に深刻な高インフレが長く続く恐れがあれば必要な手段を講じるとした。一方で、労働市場は「完全雇用から遠く離れている」と指摘し「緩和的な金融環境を続ける動機づけとなっている」と語った。
 連邦政府の債務上限に関しては、パウエル議長とイエレン財務長官は、揃って「上限を適時に引き上げることが不可欠であり、それができなければ深刻な結果を招く。議会が対応しなければ10月18日以降に政府資金が尽きるとの見通しを改めて示し、米国は史上初のデフォルトに陥り、金融危機と経済後退に直面する」と訴えた。米連邦議会の上下両院は2022会計年度の一部資金を手当てするつなぎ予算案を可決した。これによって、連邦政府機関の一部閉鎖は回避される見通しとなったが、債務上限問題解決は失敗している。また米下院は1兆ドルのインフラ法案の採決再び見送り、子育て支援や気候変動対策に3.5兆ドルをあてる歳出・歳入法案とあわせて可決できるメドがまだ立っていない。今週は貿易収支と雇用統計に注目したい。

*ユーロ「通貨9位(8位)、株価5位(5位)DAX)、インフレ上昇も、ECB総裁は一過性と主張」
 9月は期末のドル買いや、独総選挙での与党の不利な状況(実際野党が勝利)もありユーロは弱含んだ。ただ10月は上昇で始まった。ポンドに比べると弱いのは、金融引き締めへの当局の姿勢の違いで、ラガルドECB総裁はまだインフレは一時的とし、ベイリー中銀総裁は年内利上げも示唆しているからだ。9月のユーロ圏消費者物価指数は前年比3.4%上昇と、2008年9月以来13年ぶりの高い伸びを記録、独の9月の消費者物価指数は前年同月比で4.1%上昇した。独のインフレ率はほぼ30年ぶりの高水準に達した。ただラガルドECB総裁は、ユーロ圏経済がパンデミックによる落ち込みから脱却するなか、政策引き締めに忍耐強く対応するよう促した。総裁は「中期的な影響のない、一過性の供給面での衝撃に過度に反応しないようにすることが主要な課題となる」とし、ECBは総合インフレの改善のみに反応すると表明した。現在見られているインフレが「経済全般に広がっていく兆候は見られていない」と述べた。その上で「インフレ率が一時的に目標をやや上回ることを容認することで、改善が持続的なものだと確信できるまで政策引き締めに忍耐強く対応できる。パンデミックから安全に脱却し、インフレ率が持続的に2%に戻るようにするために、緩和的な金融政策がなお必要になっている」と述べた。
 この意見には、独などECBのタカ派からは異論が出るものと見られ注目したい。

*ポンド「通貨4位(3位)、株価7位(9位)、中銀総裁が年内利上げを示唆」
 9月は総じて弱かった。中国景気減速による資源価格の下落がポンドにも波及した。ドル高ポンド安になりやすい9月末を過ぎて、ポンドも若干持ち直している。ベイリー中銀総裁は、中期的にインフレ目標を持続的に達成するために、全員が緩やかな利上げが必要になると考えているとした。また年内利上げという選択肢もあらためて示した。インフレ圧力に対して金融政策の対応が必要になる場合には「量的緩和ではなく金利を使うべきだろう」と発言。行動が早過ぎれば、まだ始まったばかりの英国の景気回復を損ねる恐れがあるとし、経済の異なる要素を金融政策で均衡を図ることには限界があるとくぎを刺した。
英中銀は年末時点のインフレ率が4%を超え、目標の2%を大きく上回るとの見通しを示し、金利上昇の根拠が「強まったもよう」との見解を示した。金融市場では、英中銀が2022年2月に0.15%の利上げを実施し、その後あと1回の利上げが実施され、政策金利は22年11月までに0.5%まで引き上げられるとの見通しが完全に織り込まれている。
 JPモルガンは国内の供給問題が長引き、政府の労働者支援策終了でもインフレ圧力が緩和しなければ、年内利上げに踏み切る公算が大きいとした。
 2QのGDP確報値は前期比5.5%増加し、速報値の4.8%増から上方改定された。ロックダウンによる影響から経済が急速に立ち直ったことが示された。ただ足元ではトラック運転手の不足など供給面のボトルネックにより急減速している兆候が見られる。

*豪ドル「通貨10位(10位)、株価4位(6位)、政策金利は据え置きで経済を支える。豪ドル下げ止まり」
 9月前半の対円、対ドルの下げを幾分回復している。豪経済に影響する中国の景気減速と中国恒大の債務問題が若干だが持ち直していることもある。さて今週は政策金利の決定があるが0.1%に据え置かれる見通しだ。RBAはは今後1年以内に債券買い入れを終了するとの見方が優勢となっている。ただ、賃金の伸びは低調なままであることから、政策金利は少なくとも2024年までは据え置かれる見通しだ。
RBAは9月にコロナ禍対応の債券買い入れを10億豪ドル減額し週40億豪ドルとした。一方で購入は少なくとも来年2月半ばまで延長するとした上で、次にまた見直すことも決めた。
RBAが政策金利をあと2-3年過去最低に据え置くことで、経済への下支えをしっかり続ける。低インフレが続いているため、2024年まで様子見姿勢を保てる。賃金の年間上昇率が23年終盤まで3%に達しないと見込まれるので、基調インフレも23年末までに2%を若干上回る程度にとどまると予想されている。
 注目はデルタ株の感染が収まらないこと、8月小売売上はロックダウンの影響で減少したが、住宅価格の上昇は続ていることだ。このあたりもRBAの声明に含まれるだろう。

*NZドル「通貨7位(7位)、株価14位(14位)、0.25%の利上げか」
 今週は注目の政策金利決定。中銀は7年ぶりに政策金利を0.25%引き上げ0.5%とする見通しだ。インフレ率が目標を上回り、景気過熱の兆しも見られるためだ。8月に利上げする予定だったが、新型コロナウイルスの感染が再び確認され、全土封鎖を再び導入したことで中銀は利上げを見送っていた。ただ、現在は、感染者数が比較的低水準にとどまっており、一方で大規模な景気刺激策の効果で景気は昨年の封鎖措置の打撃から力強く回復。インフレ率を10年ぶりの水準に押し上げていることで利上げに踏み切る。景気の過熱、労働市場の引き締まり、消費者物価の上昇、そして驚くほどの住宅価格高騰と利上げ条件がそろっている。政策金利は来年2月までに1%になると見られている。
 インフレ率については、中銀目標の中間値である2.0%を今後数年間、上回り続けるとの予想になった。今年の見通しは2.9%、来年は2.5%、2023年は2.2%。経済成長率については、3Qが封鎖措置の影響で前期比7.0%のマイナス成長、4Qがワクチン接種進展を背景に7.9%のプラス成長に転じるとの見通しになった。
 また急騰を続ける住宅価格の沈静化については、不動産の投資家に住宅ローンの利子の課税所得からの控除を認めないこととなる。また住宅融資のなかで、資産評価額に対する融資金額の割合(LVR)が80%を上回る「高リスク」融資が占める比率を現行の20%から11月1日に10%に引き下げると表明した。

テクニカル分析

*ドル円「長い週足の上ヒゲが効くか」
日足、先週後半下落、ボリバン2σ上限を下抜く。9月30日-10月1日の下降ラインが上値抵抗。9月22日-10月1日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。相場は5日線を下回る。
週足、先週は週初はボリバン3σを上抜く強さであったが、週後半は上げ幅を縮小し、長い上ヒゲを残した。9月20日週-27日週の上昇ラインがサポート。ボリバン
2σ上限は111.119。3σ上限は111.646。雲の上。
月足、7月-8月の下降ラインを上抜く。21年8月-9月の上昇ラインがサポート。雲中。ボリバン上位。18年10月-21年9月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「先週は最終日だけ陽線」
日足、ボリバン2σ下限に沿いながら下落。9月30日-10月1日の下降ラインが上値抵抗。9月30日-10月1日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン2σ下限へ下落、雲中。9月13日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。2σ下限は1.15435。
月足、21年4月-6月の上昇ラインを下抜ける。6月-9月の下降ラインが上値抵抗。20年3月-21年9月の上昇ラインがサポート出来るか。ボリバン中位を下抜く。雲の上維持。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「急落、雲の下へ」
日足、先週後半急落。9月29日-30日の下降ラインが上値抵抗。9月22日-10月1日の上昇ラインがサポート。5日線下上向き。雲下へ。ボリバン下位。
週足、9月20日週はボリバン2σ下限から反発も中位に届かず。9月20日週-27日週の上昇ラインがサポート。9月6日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、8か月連続陽線とならず4か月連続陰線。20年11月-21年9月の上昇ラインがサポート。21年7月-9月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。ただ上ヒゲが長くなってきた。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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