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パウエル議長がリスク選好の流れを生み出す

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総括

パウエル議長がリスク選好の流れを生み出す

ドル円=107-112、ユーロ円=127-132 、ユーロドル=1.15-1.20

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(10位)、株価14位(15位)、円安株安の要因は。リスク選好の仲間に入れない日本」
 例年通り、7月半ばから8月半ばはやや円高となった。ただそれが過ぎた先週は円は最弱通貨となった。月間で言えば6月、7月は3位の強さだった。8月では8月16日週は2位であったが、23日週で5位に下落。年間でも再び豪ドルに抜かれ11位となった。勢いが出てきたトルコリラにも抜かれれば最下位だ。円安なら株高なのだが、今年は日本株も低迷している。何か日本がおかしい。冴えない日本経済というか、冴えない政治なのだろう。
 さて先週、ドルは週末売られた。パウエルFRB議長が「インフレは一時的だ、それを示す兆候が出始めている」としたからだ。米金利は低下、それをはやして世界の株価が上昇した。先週、ドル高となった通貨は円だけだ。かつてはドル安の流れでは一番強くなったのが円であったが、その面影はない。貿易収支は黒字化しそれは円高要因。ただ海外から日本へ投資しようとするもは少なく、またリスク回避でも日本に戻すよりも、海外に残しておいたほうが有益だとの見方が強くなっている。さすがに日本が大きな貿易黒字をたたき出す米国のドルには強い場面もあるが、それほど黒字が大きくない他国の通貨には対しては弱いのだろう。日本の政治がどうなろうと、個人が頑張ればいいのだが、方針を決められる政治に戻って欲しいものだ。コロナ対策不十分で、景気対策もない政府には税金を払う価値もなくなっていくだろう(と思いきや、自民党総裁候補の岸田氏が数十兆円の経済対策をぶちあげたそうだ)。少し期待できるか。経済対策が出れば日本もリスク選好の仲間に入れるだろう。

*米ドル「通貨4位(2)位、株価(NYダウ)5位(5)位、パウエル議長がリスク選好の流れを生み出す」
 先週はパウエル議長の講演で週末にドルは下落し、米国株価は上昇した。世界的なリスク選好の流れに回帰した。講演内容は意外と金融引き締めに慎重であった。年内のテーパリング開始が適切になり得ると認識しているとしたが、「インフレの一時的な変動に対応することは、益となるよりも害となる恐れ」、「インフレ率の上昇は一過性となる公算」、「過度のインフレを引き起こす恐れのある賃金上昇の兆しはほとんど見られず」、「耐久財価格の伸びがインフレ全体に大きく貢献し続けるとは考えにくい」、「サプライチェーンの問題が解消すればインフレは低下する」、「高インフレの要因の中古自動車の価格上昇も収まっている」と、データを上げながら、かつ歴史的な早すぎる金融引き締めの失敗などもあげて従来の主張を繰り返した。直前にFRBタカ派の数名がテーパリングを急ぐべきとしていたので市場にとっては、ややサプライズとなりドル安、米金利低下、株高、資源高のリスク選好の流れが復活した。パウエル議長のインフレは一時的、賃金上昇は鈍いとの主張は変わらずも、細かく指標を追っていくとした。今週は雇用統計に注目が集まる。米国の指標はCPIはまだ強いが、議長の言うように他の指標はマチマチで、貿易赤字は大きい。

*ユーロ「通貨9位(8)位、株価6位(4位)DAX)、パウエル議長講演で上昇。指標は弱い。経常黒字は大きい」
 先週はユーロ円、ユーロドルともに反発した。金融緩和堅持の欧州とテーパリングへ向かう米国との差で一時的にドル高ユーロ安が進んでいたが、先週末、覆された。パウエル議長がテーパリング開始時期については年内が適切との見方を示したが、利上げに慎重な姿勢、またインフレは一時的で2%へ収束するとしたことで、先週末はドル安ユーロ高が進んだ。ボリバン3σ下限までやや売られ過ぎていたのでショートカバーも入り上昇した。一方、ユーロ圏の指標は弱い。ただ貿易・経常黒字は大きい。8月の独IFO業況指数は99.4と2カ月連続で低下した。新型コロナウイルスの感染拡大と、サプライチェーンの混乱による部品不足などで企業の景況感が悪化した。8月のユーロ圏消費者信頼感指数はマイナス5.3と、7月のマイナス4.4から0.9ポイント低下した。8月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)は59.5。7月の60.2から低下した。独連銀は今年の国内経済成長率は予測を下回る可能性があり、新型コロナウイルスの感染再拡大が秋の景気を予想外に圧迫する可能性があるとした。
独連銀は今年の経済成長率が3.7%、来年が5.2%と予測。しかし、回復局面初期の数週間が予測よりもさえず、通年の予測も圧迫しそうだとした。独連銀はインフレ率について、年末に向けて5%に迫る可能性があるものの、来年初めに急速に低下するとのこれまでの見解を繰り返した。今週は消費者物価、小売売上に注目したい。

*ポンド「通貨2位(3位)、株価10位(9)位、国内要因は弱いが、外部要因とテクニカルで浮上」 
 先週はポンドが再浮上して年初来2位となった。資源価格や資源通貨が上昇すればポンドも上昇する。ボリバン3σ下限まで売られ過ぎたテクニカル要因と、パウエルFRB議長の慎重な金融政策運営の講演がポンドを浮上させた。パウエル議長は雇用の最大化を図る中で資産買い入れの縮小を始める時期を忍耐強く待ち続ける姿勢を示し、市場に安心感が広がった。ドル安と資源価格高が進んだ。一方英国の経済指標は勢いがなくなってきている。8月の総合購買担当者景気指数(PMI)は55.3で、7月の59.2から低下し2月以来の低水準となった。人手や原材料の前例のない不足が続く一方、インフレ圧力はやや和らいだ。感染再拡大で、消費者を中心に支出が抑制され、人員・供給不足が成長を阻害している。7月の消費者物価指数や小売売上も弱かった。

*豪ドル「通貨10位(11位)、株価8位(7位)テクニカルとパウエル発言で反発。国内要因は弱い。ロックダウン延長」
 先週は円を抜き返し年初来10位へ浮上した。全体では最弱通貨の一つだ。豪の内部要因は良いものがなかったが、対円、対ドルでボリバン3σ下限まで下落して行き過ぎ感もあったので反発した。また注目のパウエル議長の講演では、年内のテーパリング開始は認めたものの、利上げなど金引き締めには慎重でありインフレは一時的なものとしたことでドル安と米金利低下が進み、資源価格が上昇、資源通貨である豪ドルも上昇した。
 ただ国内要因は悪化している。日本と比べれば感染者数は少ないが、豪のコロナ対策は厳格だ。NSW州政府はデルタ型変異株が感染拡大していることを受けて、8月28日を期限としている自宅待機命令について、9月末までの期間延長を発表した。今後の経済活動は停滞する。7月の小売売上高は、前月比2.7%減少と、今年最大の落ち込みとなった。ロックダウンによる小売店などの休業が響いた。予想の2.3%減少よりも大幅な減少で、3QGDPが大幅なマイナス成長になるとの見方を裏付けた。8月製造業PMIも悪化した。8月はメルボルンとキャンベラでもロックダウンが導入されたため、売上高の指標が一段と悪化するとみられる。今週は経常収支、住宅建設許可、2Q・GDP、貿易収支の発表がある。

*NZドル「通貨7位(9位)、株価15位(13位)、豪ドル同様の要因で反発。さらに経済指標好調、中銀は利上げ示唆」
 豪ドルと同じく、テクニカルでボリバン3σ下限からの反発があった。パウエルFRB議長の金融引き締めに関して慎重な講演によるドル安、米金利低下もNZドルを押し上げた。さらにホークスビー中銀総裁補は中銀が先週、利上げを見送ったことについて、ロックダウン導入日になぜ利上げを実施するのか説明が難しかったことが主因だと発言、0.5%の利上げも検討していたことを明らかにした。
新型コロナの動向は、必ずしも最優先の検討事項ではないとし「金融政策を巡る決定は、新型コロナの動向や、ロックダウン中かどうかに密接に結びつけられるものではない」と述べた。「ロックダウンでは、消費が全滅するわけではなく、消費が先送りされている」とした上で、供給面のショックのほうがはるかに根が深く、インフレ圧力につながっているとの認識を示した。
 2Q小売売上は前期比3.3%増加と1Qの2.8%増加を上回った。
アーダーン首相は、全土で実施しているロックダウンを緩和すると発表した。オークランドとノースランドを除く全地域で8月31日から警戒レベルを1段階引き下げ「レベル3」とする。
首相は「これは動向を注意深く見守るレベルだ」と述べた。新規感染者数が頭打ちになり始めている可能性があるとも指摘した。

テクニカル分析

*ドル円「先週末は上ヒゲ長い」
日足、ボリバン2σ下限近くから反発。雲には入れず。ボリバン中位。8月27日は上ヒゲ長い。8月25日-27日の上昇ラインがサポート。8月11日-27日の下降ラインが上値抵抗。雲下。5日線上向き、20日線上向く。
週足、ボリバン中位。8月9日週-23日週の下降ラインが上値抵抗。8月16日週-23日週の上昇ラインがサポート。雲の上。5週線下向き。20週線は横ばいに。
月足、一目の雲に入りきれない6か月。21年5月-7月の上昇ラインを下抜くも戻す。ボリバン2σ上限からは下落。ボリバン上位。5か月移動平均線は下向き。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン2σ下限から反発、中位を上抜く」
日足、ボリバン2σ下限から反発、中位を上抜く。8月25日-27日の上昇ラインがサポート。8月4日-27日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、ボリバン下位、雲中。8月2日週-23日週の下降ラインが上値抵抗。8月16日週-23日週の上昇ラインがサポート。
月足、4月-6月の上昇ラインを下抜ける。1月-6月の下降ラインが上値抵抗。20年3月-5月の上昇ラインがサポート。ボリバン中位で留まる。雲の上維持。ボリバン上位。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「週足で4週ぶり陽線」
日足、ボリバン2σ下限から反発し中位越え。130円にはのせず。8月25日-27日の上昇ラインがサポート。8月26日-27日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。20日線下向き。雲の下。
週足、ボリバン2σ下限から反発。4週ぶり陽線。8月16日週-23日週の上昇ラインがサポート。8月2日週-23日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、8か月連続陽線とならず2か月連続陰線。今月もここまで陰線。134.10あたりでダブルトップ。20年11月-21年7月の上昇ラインを下抜く。20年6月-11月の上昇ラインがサポート。21年6月-7月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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