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テーパリング方向へ進むも、米国感染者数急増と貿易赤字が懸念

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総括

テーパリング方向へ進むも、米国感染者数急増と貿易赤字が懸念

ドル円=107-112、ユーロ円=127-132 、ユーロドル=1.15-1.20

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価13(13位)、米雇用改善でドル持ち直すも、需給の円高要因でドル円の頭を押さえるか」
6月、7月の円相場は12通貨中3位とまずまずの成績であったが、8月第1週は7位と順位を下げている。ドル円のテクニカルで言えば、ボリバン2σ下限を割り込んだところで長い下ヒゲが出て反発し、ボリバン中位を上回った。米国の雇用改善も寄与した。日本の経済指標は弱い。6月の家計調査によると、2人以上の世帯の実質消費支出は前年比5.1%減となった。6月の毎月勤労統計によると、実質賃金は前年比0.4%減少し、4カ月ぶりにマイナスとなった。経済活動の回復で残業代は増えたが、ボーナスが減少したことが響いた。8月16日発表の4~6月期の実質国内総生産(GDP)の予想は前期比年率で0.7%増にとどまっている。コロナ感染の急拡大により、今後も経済活動の停滞が予想される。内需が弱ければ、景気回復が進む外需に頼らざるを得なくなり、輸出の伸びが輸入の伸びを上回り貿易黒字の拡大で円買い要因となる。

*米ドル「通貨5(5)位、株価(NYダウ)5位(3)位、テーパリング方向へ進むも、感染者数急増と貿易赤字が懸念」
FRB当局者からのテーパリング発言が増えたところへ米雇用改善があり先週末はドルは強含んだ。デイリー・サンフランシスコ連銀総裁は「インフレ率の一時的な高伸は来年まで続く可能性があり、年内か来年早期のテーパリングを見込む」とした。ウォラーFRB理事は、景気回復は急速に進んでおり、労働市場も改善していることから、一部の予想よりも早く金融緩和の解除に着手できるという考えを示した。クラリダFRB副議長は、米経済が金融当局の予想通りに推移した場合、2023年に利上げが開始されるとの見通しを示した。
 先週の米国長期金利はテーパリングを示唆した6月のFOMC前の水準よりまだ低いが、先週はFRB当局者のテーパリング示唆の発言や、雇用改善で上昇した。一方、貿易赤字は膨らむばかりで、6月の貿易収支は、赤字額が前月比6.7%増の757億ドルと、過去最高となった。個人消費が好調な中、企業が再び在庫を積み上げており輸入が増えた。貿易赤字によるドル売りは今後もドルの頭を押さえていくだろう。
 さて、 コロナ感染者数が8月4日、10万人を超え、6カ月ぶりの高水準となった。ワクチン接種が進んでいない地域で感染力の強いデルタ型変異株が急速に広がっている。4日までの7日平均の新規感染者数は9万4819人。1カ月弱で5倍になった。ファウチ感染症研究所所長は、デルタ株の影響で新規感染者は数週間で20万人に達する可能性があると指摘した。

*ユーロ「通貨9位(8)位、株価6位(6位)DAX)、経済指標弱含み。米雇用は改善しユーロ安へ」
経済指標が弱く、緩和的なECBのフォワードガイダンスもあり、堅調な雇用を示した米国のドルに対して弱含んだ。6月の独鉱工業生産指数は予想に反して低下した。中間財の供給が滞り、景気回復を鈍らせている。前月比1.3%低下した。予想は0.5%の上昇。IFO経済研究所は製造業は供給問題を理由に6月に生産見通しを引き下げている。また6月の鉱工業受注指数は、前月比4.1%上昇した。予想の2倍以上の伸びとなったが生産は振るわず、供給のボトルネックが引き続き生産を妨げていることが浮き彫りになった。製造業について、供給面の制約で今後も生産が抑制され、3Qも景気の回復ペースを鈍化させる要因になる公算が大きい。7月のユーロ圏小売売上高は前月比1.5%増、前年同月比5.0%増となった。予想とほぼ一致したが前月から伸びが鈍化した。
 さてユーロ圏では新型コロナのデルタ株の感染が拡大している。これによる移動規制が景気減速につながる可能性も売り材料となった。

*ポンド「通貨首位(2位)、株価11位(11)位、出口戦略明確化で底堅い」
8月第1週でポンドは年間首位に立った。原油安でカナダが下落し首位を譲った。さて英中銀は、インフレ率が従来の予想を上回り年内に4%を超えるとの見通しを示し、物価上昇抑制のためにある時点で「緩やかな引き締め」が必要になるとの認識を明らかにした。金融政策委員会は7対1で債券買い入れ目標の維持を決定した。ソーンダース委員は可及的速やかに縮小すべきだとして据え置きに反対票を投じた。他の7人は高インフレの大部分は一過性のものだと判断し据え置きを支持した。ただ、インフレ率を「中期的に」目標の2%に一致させるためには景気刺激の手を緩めることが必要だと警告した。英中銀は「予測対象期間内に緩やかな金融政策の引き締めが必要になる公算が大きい」との判断を示した。
 さて英イングランドでは7月19日に感染防止のための規制がほぼ解除されたが、感染者が再び急増し始めた直後というタイミングだったため、その後の動向が保健専門家や金融市場から注目されていたが、最近のコロナ感染者数は日々2万人台と規制解除当時の5万人から減少している。英国では、成人の70%強がワクチン接種を完了している。

*豪ドル「通貨10位(10位)、株価7位(8位)、RBAはテーパリングを覆さず豪ドル上昇。ただ利上げは2024年までなしと表明」
8月はNZドルとともに上昇スタート。ただ年間では10位と弱い。豪中銀(RBA)は、政策金利を過去最低の0.10%に据え置くとともに、予定通り債券買い入れの縮小を進める方針を示した。新型コロナウイルスのデルタ変異株を中心とする感染の再拡大でロックダウンが導入されており、市場では債券買い入れの縮小延期あるいは拡大が予想されていた。
 RBAロウ総裁は、新型コロナウイルス対策のロックダウンが所得に及ぼす一時的かつ局部的な悪影響には、財政刺激策のほうが「より適切な手段」と理事会は認識したと明らかにした。総裁は、政府による大規模な財政出動に歓迎の意を表し、中銀は必要であれば追加措置を講じると付け加えた。ロウ総裁は、インフレ率は中銀の2-3%の目標レンジを何年も下回り続ける見込みで、政策金利を引き上げる条件は2024年まで満たされることはないとの見方を改めて示した。
 ただ資産買い入れの縮小を延期しなかったのは、タカ派のシグナルであとする見方もあり豪ドルを支えた。6月の豪貿易収支は104.96億豪ドルの黒字で依然堅調だが、6月の小売売上高は、前月比1.8%減少した。新型コロナウイルス対策のロックダウンによる小売店の休業が響き、今年に入り最も落ち込んだ。

*NZドル「通貨7位(7位)、株価15位(15位)、インフレ、住宅価格上昇、雇用改善で8月利上げ観測強まりNZドルも上昇」
相変わらず、通貨はやや強く、株価は弱い(年初来マイナス2.46%安)。8月第1週は最強通貨となった。21年2Qの失業率は4.0%となり、前期から0.6ポイント改善した。内容も良い。失業者数は1万7,000人減少して11万7,000人で、前期比12.4%減と史上最大の下落幅を記録した。就業者数は2万8,000人増加して277万8,000人、実労働時間は1.6%増の9,460万時間となった。8月18日に利上げを決定するとの見方が強まった。利上げに踏み切れば2014年半ば以来で、新型コロナウイルスのパンデミック以降で先進国の中で最初となる。経済活動の強さ、それに関連したインフレ圧力の高まり、住宅価格がOECD加盟国の中で最も大幅に上昇していることを踏まえ、8月に0.25%利上げ、10月と11月に追加利上げがあるとの予想が出てきている。尚、アーダーンNZ首相は体調不良を訴えたが、コロナは陰性との結果が出た。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン下限から反発、中位越える」
日足、ボリバン2σ下限で反発。8月3日、4日の下ヒゲも効いて上昇。ボリバン中位を越える。雲中。8月5日-6日の上昇ラインがサポート。7月26日-8月6日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向く。
週足、ボリバン中位で留まり上昇。7月26日週-8月2日週の下降ラインが上値抵抗。4月19日週-8月2日週の上昇ラインがサポート。雲の上。5週線下向き。20週線上向きもなだらかに。
月足、再び一目の雲へ戻る。21年5月-8月の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限からは下落。ボリバン上位。5か月移動平均線は下向き。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン2σ上限から下限へ下落」
日足、ボリバン2σ上限から下限へ下落。8月4日-6日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ下限は1.1746。7月21日-8月6日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン下位、雲中。7月26日週-8月2日週の下降ラインが上値抵抗。3月29日週-8月2週の上昇ラインがサポート。
月足、4月-6月の上昇ラインを下抜ける。1月-6月の下降ラインが上値抵抗。4月-7月の上昇ラインがサポート。雲の上維持。ボリバン上位。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「ボリバン2σ下限から反発するも中位を越えず」
日足、ボリバン2σ下限から反発するも中位を越えず。8月4日-6日の上昇ラインがサポート。8月5日-6日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。20日線下向き。雲の下。
週足、ボリバン2σ下限から反発も7月19日週-26日週の上昇ラインを下抜く。7月19日週-8月2日週の上昇ラインがサポート。7月26日週-8月2日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。ボリバン下位。
月足、8か月連続陽線とならず2か月連続陰線。今月も陰線スタート。134.10あたりでダブルトップ。20年11月-21年7月の上昇ラインがサポート。21年6月-7月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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