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財務相交代、製造業PMI悪化、プラチナ下落で弱いランド

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総括

財務相交代、製造業PMI悪化、プラチナ下落で弱いランド

通貨4位、株価3位
予想レンジ 南アランド円 7.2-7.7

(ポイント)  
*財務相交代で一時ランドが急落した
*プラチナ価格が1000ドル割れとなった
*7月マークイトとアブサのPMIが大きく悪化
*引き続き株価は意外と堅調だ
*モルガンスタンレーは南ア国債買いを推奨
*S&Pは今年の成長率低下を予想
*コロナ警戒レベルを3に引き下げ
*政策金利は3.5%で据え置き
*6月CPIは4.9%上昇
*21年インフレ見通しは4.3%
*21年と22年の経済成長率予想をそれぞれ4.2%と、2.3%に据え置いた(中銀)
*ズマ前大統領、汚職疑惑巡る審理の再延長要請
*暴動を扇動したとみられる人物を治安当局が特定
*暴動に関しての格付け評価はマチマチ
*賃金交渉開始
*対円8.15-20の売りも下落を誘った
*貿易・経常収支の黒字が南アランドを支える
*弱点は雇用と停電
*経済対策財源は公務員給与の昇給凍結、これを新財務相が受け継ぐかどうか

(財務相交代での不安感あり)
ズマ大統領逮捕に関わる暴動・略奪の混乱も落ち着き、コロナ感染警戒レベルも4から3に引き下げ経済活動も再開し始めたところに、再び南アランド下落となった。マポーザ大統領が、大掛かりな内閣改造を発表し、辞意を明示していたムボウェニ財務相の後任、南部アフリカ開発銀行のエノク・ゴドンワナ総裁を起用したこともある。ゴドンワナ氏が、ムボウェニ氏の設定した債務上限を堅持するかどうか、また財務省が過去10年の大半の期間で見られたように財政目標未達を再び容認するかどうかが問題である。財政改善が遅れれば、格付け引き下げの材料となってしまう。

(経済指標悪化もランド売りに繋がる)
 経済指標が悪化したこともランド売りに繋がった。IHSマークイットの7月製造業PMI、アブサ製造業PMIともに悪化した。さらにはプラチナが7カ月ぶり安値を付けたことも影響した。新型コロナ感染拡大で需要冷え込みを警戒され売られた。中国の経済指標悪化や7月の輸出入の伸びの縮小も南ア経済に影響してくるだろう。

(新財務相は)
新財務相のゴドンワナ氏は南部アフリカ開発銀行総裁であった。ゴドンワナ氏は与党アフリカ民族会議(ANC)の経済変革委員会の委員長でもあり、ANC内で影響力が強い。公共企業省の副大臣や経済開発担当省庁の副大臣も務めたことがある。
 市場は財務省の継続性と安定性が保たれると評価し、投資家への知名度が高い点も好感した。南アの改革の可能性を高める上で主要な役割を果たすとの期待も寄せた。ANCの現職メンバーとの協力を進める能力もあり、実現が待たれる経済成長や財政改革を巡ってANC内の支持を得られやすいともみられている。
 
 このほか9人の閣僚が交代し、副大臣11人も新たに任命された。
保健省内の新型コロナ関連の不正契約を巡って休職していたムキゼ保健相の後任には、副保健相が昇格。先月の全土での暴動を許したと批判の強かった治安担当の省庁は廃止され、大統領府に統合された。暴動を巡ってラマポーザ氏との対立が伝えられたヌカクラ国防・退役軍人相も交代させられた。ラマポーザ氏は内閣改造の狙いについて、コロナワクチン接種の迅速化や経済再建、先月の暴動や破壊行為を受けて国の安定を図ることだとした。

(マークイットPMIとアブサPMI悪化の詳細)
 7月の民間部門PMIは46.1と、前月の51.0から低下し、10カ月ぶりの低水準となった。
2020年9月以来初めて、好不況の分かれ目となる50を下回った。
一部の地域で発生した暴動の影響や、新型コロナウイルス対策のロックダウンの厳格化で、生産が急激に落ち込んだ。
 7月下旬にロックダウンが緩和され、信頼感が一部回復した可能性があるが、暴動で打撃を受けた多くの企業は回復までに長い時間がかかる。サプライチェーンの再構築にも時間がかかる。特に新型コロナの流行で原材料の調達・供給が難しくなっている。

 一方、アブサの7月製造業PMIも43.5で前月の57.4から急低下した。昨年4月以来の低水準となった。約22年前の統計開始後で最も大きく下げた。極めて多数の死傷者を伴う大規模な暴動が発生した同国では、略奪や放火によってサプライチェーンや工業生産、工業製品需要が打撃を受けた。

テクニカル分析(ランド/円)

ボリバン2σ下限から反発

日足、ボリバン2σ上限近くから反落。8月5日-6日の下降ラインが上値抵抗。8月5日-6日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。雲の下。
 週足、連続陽線。ボリバン2σ下限まで落ちず。7月19週-8月2日週の下降ラインが上値抵抗。7月26日週-8月2日週の上昇ラインがサポート。
月足、2か月連続緯線。今月は小反発でスタート。雲の下。21年1月-7月の上昇ラインがサポート。21年6月-7月の下降ラインが上値抵抗。
年足、18年-20年の下降ラインを上抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。20年の下ヒゲも効いている。

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喜望峰

プラチナ価格下落。2月の1340ドルから1000ドル割れへ

南アの主要資源であるプラチナ価格が下落した。新型コロナウイルスの感染拡大で工業用コモディティーの需要見通しが悪化したほか、資産購入のテーパリング開始に関する米金融当局高官の発言も影響した。

 デルタ変異株が広がり世界経済の急回復シナリオが崩れる中で、プラチナは続落。新規感染者数は東京やシドニー、米国の一部など広範な地域で増え、中国では感染拡大からアナリストが経済成長予測の見直しを迫られている。
  自動車の排ガス浄化触媒などに使用されるプラチナは、2月に付けた今年の高値から22%下落した。半導体不足で自動車生産が抑制され、電気自動車(EV)の販売増加で中長期の消費見通しにも不透明性がある。プラチナの投資需要も後退し、プラチナを裏付けとする上場投資信託(ETF)は先週、2月以来の安値に下落。運用者が建てたネットロングのポジションは、約9カ月ぶりの水準に低下している。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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