オーストラリアではデルタ株の感染が拡大しております。 ロイターによると、ビクトリア州のロックダウン延長が20日以降も延長することを発表されました。 オーストラリアの2大都市、シドニーとメルボルンをはじめ、全人口の半数近くがロックダウン対象となっているようです。
参考元:https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-australia-idJPKBN2EP081
これにより、一部のエコノミストでは、8月のRBAにて、テーパリングの中止や第3四半期におけるマイナス成長の予想も出てきているようです。 オーストラリアは昨年秋以降、新型コロナウイルスを完全に抑え込んでいたこともあり、前年同月比でマイナス成長に陥る可能性は高いと筆者自身も同じように感じます。 他国と比較してデルタ株の感染拡大が目立ちますので、豪ドル売りは加速しやすいものと考えます。
また例年8月は月足で豪ドル/円が陰線になりやすいアノマリーもあるため、なおさら売りやすいのではないでしょうか。 米国は8月下旬、ジャクソンホール講演に向けて、テーパリングを示唆してくるでしょうし、豪ドルにとってもショート戦略がワークしやすい時期かもしれません。
豪ドルを当面買う理由がなくなってきました。 本日は豪ドル分析から始めます。
目次
▼利上げとは対象的なオーストラリアとニュージーランド
▼ヘッド・アンド・ショルダー、ネックラインに位置
▼ECB待ち、テーパリングの温度感を探る展開
利上げとは対象的なオーストラリアとニュージーランド
豪ドル/NZドル(AUD/NZD)週足チャートです。
オーストラリアのシドニーロックダウンは30日までとなっておりますが、月曜時点でも今年の感染者数の最高を更新しておりました。 以前のコラムにて、NZ中銀(RBNZ)はテーパリング開始どころか、緩和政策を一度に中止し、利上げ方面に舵を切ったことはお伝え済みです。RBNZは住宅バブルを懸念しているようです。
また隣国だけあって、オーストラリアからニュージーランドに資金も移りやすいのではないのでしょうか。ニュージランドはタカ派、オーストラリアはハト派。
個人的には再びパリティ(1.00)を目指す展開を予想します、日足で戻り売りの目処を考えていきましょう。
ヘッド・アンド・ショルダー、ネックラインに位置
豪ドル/NZドル(AUD/NZD)日足チャートです。
ヘッド・アンド・ショルダーは完成しつつあると言って良いでしょう。 ネックラインとなりそうなのが、1.06前後ですので、ここをバックにショートを。 昨日の高値は1.0618前後ですので、この付近も意識して売りポジションを作ると良さそうです。 現状のプライスレベルからわずか20-30pips引きつけてからのエントリーになりますので、指値注文をセットして放置が良いと思います。
第一ターゲット1.0423に。RCI52がボトムにべったり張り付いたトレンド相場をイメージして、気長にスイングトレードを狙います。 シンプルですが、今週はこのネックラインゾーンから売り指値注文のみとします。
ECB待ち、テーパリングの温度感を探る展開
ユーロ/ドル(EUR/USD)日足です。
明日はECB理事会にて、テーパリングの温度感を探る展開を予想します。 欧州エリアも順調にCPIが上昇しておりますが、ドイツを除けば、2.0%を超えている国々は少なめです。まだ利上げというレベルではなく、ここからインフレ率が抑え込まれれば、ユーロを当面買う理由はなくなります。
ユーロ/ドルが再び1.10方向にゆっくりと動き出すかも知れません。 チャート上では、平行に近しいトレンドラインを少し下抜けて来ました。1.20を割れてから好ポイントとなるような戻りがなく、ユーロ/ドルのショートを狙っているプレイヤーはあまりしっかりと売れていないように感じます。
売りを仕掛けるなら、1.1800-1.1850ゾーンからでしょうか? 1.1850のレジスタンスラインまで引きつけたいところでしょうが、明日にECBを控えているため、せいぜいポジション調整でユーロドルが多少上昇した程度で終わってしまうと考えます。 ダメ元、ここに売り指値注文をセットし、1.1800-1.1820付近からの打診売りも想定しておいたほうが良いかも知れません。
週後半戦略は、豪ドル/NZドル(AUD/NZD)の戻り売り戦略と、ECBでハト派に賭けたユーロ/ドル(EUR/USD)戻り売り戦略で行きたいと思います。
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<もくじ>
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・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
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FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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