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FRB議長と財務長官が「インフレは一時的」を主張、伝統の双子の赤字はドルの重し

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総括

FRB議長と財務長官が「インフレは一時的」を主張、伝統の双子の赤字はドルの重し

ドル円=108-113、ユーロ円=127-132 、ユーロドル=1.16-1.21

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価13(13位)、有事の円買い株安続く 夏のせいもあり 7月は最強通貨となるか」
 円相場は6月は12通貨中3位(ドルが2位)、7月はここまで2位と強い。ただ年間では依然11位と弱い。6、7月の円が強いのは、まだ上半期で輸出予約が先行しやすいことと、米中対立激化世界的な金融テーパリングというリスク回避の流れで有事の円買いとなっている。円買いといつも共にあるのは日経平均の下落である。リーマンショックであろうと、今回のリスク回避であろうと、リスク回避の発生の地の市場よりも日本株が下落する伝統は残っている。3月より続いている日銀のETF購入の減少も株価下落に影響している。
 今週は6月貿易統計の発表がある。黒田日銀総裁が「国内はコロナ感染で厳しいが外需で支える」と発言したように輸出が伸びているか確認したい。輸出が伸びれば円高要因だ。円高株安が続くが、反転するとすれば、自民党の二階俊博幹事長が示唆した30兆円規模の補正予算を編成される時かコロナ対策で使われていない20兆円を使いだす時だろう。

*米ドル「通貨5(5)位、株価(NYダウ)4(4)位、FRB議長と財務長官がインフレ一時的を繰り返し主張、伝統の双子の赤字はドルの重し」
先週もパウエルFRB議長、イエレン財務長官ともに「一時的インフレ説」を繰り返した。パウエル議長は「インフレ率の急上昇については、これまでのところは中古車価格など限定された分野にとどまっているとし、そうした価格上昇は一過性だ」とした。イエレン財務長官は、「数カ月はインフレ率が急上昇するが、中期的に正常な水準に戻る。物価の大幅な上昇は、部品の供給制約に見舞われている自動車などに集中している」との見方を示した。
 一方、サマーズ氏、ガントラック氏、ブラックロック氏などはインフレ高進が続くとしている。FRB的に言えば半年以上、インフレ高進が続くとしてもその後低下するとしたらテーパリングには向かいにくい。当局は民間が考えるほど小回りは出来ない。市場は一時的とみているのか債券市場に資金が流入し利回りが低下している。それともテーパリング不安で株を売り債券にシフトして利回りが低下しているのか。いずれにせよ、膨大な貿易赤字と財政赤字を有する米ドルの上昇は限定的で、ドルは年間では12通貨中5位、7月は6位となりけっして強くはなっていない。経済指標はマチマチだ。6月小売売上は改善したが、鉱工業生産、7月ミシガン大消費者信頼感指数は低下した。また米国だけではないが、コロナ感染者数が再び増加していることは金利低下要因ともなろう。債務上限問題もあり米国の不安は消えていない。

*ユーロ「通貨8(9)位、株価5位(2位)DAX)、フォワードガイダンス見直し。緩和的だろうが量的緩和と金利を切り離すか」
 今週はECBのフォワードガイダンス変更に注目が集まっているが、事前にラガルド総裁が「低インフレの持続性を考慮すると、われわれはコミットメントを果たすことを示す必要があり、フォワードガイダンスは確実に再検討されるだろう」と語った。ただガイダンスがどのように変わる可能性があるのかについては言及せず、「経済の好ましい資金調達環境を維持することが引き続き決定されるというのが私の感触だ」と述べるにとどめた。景気刺激策の縮小について話すには適切な時期ではないとしたこともあり、前回会合で合意した「インフレ目標2%で合意、オーバーシュート容認」を軸にした文言となるだろう。既に緩和的な文言になることは市場で織り込まれユーロは対円、対ドルで下落しているのでさらなる下落余地は少ないだろう。フォワードガイダンスが好感されれば株式市場の好転も予想され、そうなればユーロ買いにも繋がるだろう。デギンドス副総裁も、「物価安定の新たな定義を盛り込んだ新しいフォワードガイダンスについて協議する」とし、経済状況はなお脆弱なことから「良好な資金調達環境を維持する必要があるほか、財政・金融刺激策の解除は非常に慎重かつ緩やかに行わなければならず、時期尚早であってはならない」と強調した。センテノ・ポルトガル中銀総裁は、2014年に導入された資産購入プログラム(APP)を金利と切り離すべきと主張。「フォワードガイダンスでAPPと金利を切り離すことが利益に資すると考えられ、現在の形態では一方の決定が他の決定を先取りしており、効果的とはいえない」と語った。
 現在のガイダンスは、必要な限り債券を買い入れ、インフレ見通しが目標に「しっかりと収れん」しているとみられるまで金利を現行の過去最低水準に維持する、となっている。

*ポンド「通貨3位(3位)、株価10位(9)位、コロナ規制全面解除への賭け、対円では弱含みか」
 世界全体でリスク回避傾向が続き弱い。弱いが年間順位は3位を維持。ただリスク回避の円買いで円には追い付かれ先週は153円台から151円台へ下落した。インフレは他国同様に上昇している。6月の消費者物価は前年同月比2.5%上昇し、約3年ぶりの高い伸びとなった。目標とする2.0%を上回った。ただインフレ上昇はどの国でも同じような状況なので取り立ててポンドが買われるわけでもない。経済も他国同様に回復している。3Qの英国経済は急速に回復する見通し。成長率見通し2.5%。21年の成長率は6.7%となる見通し。 新型コロナウイルス感染対策の規制が解除され、需要がさらに喚起されることが理由。
 焦点は7月19日からのコロナ規制を全面解除することだ。英イングランド主任医務官のウィッティ氏は、英国の新型コロナウイルス感染状況はワクチン接種プログラムにより大きく改善したが、規制の全面解除は慎重に進める必要があると述べた。政府は、迅速なワクチン接種の進展により感染が重症化・死亡におおむね直結しなくなったとして、イングランドで大半の規制を緩和する予定。
しかし、ウィッティ氏は、「驚くほど速く、困難な事態に再び陥る恐れがあるという事実を過小評価すべきでないと思う。ワクチンプログラムや薬剤その他さまざまな要因のおかげで事態は大きく改善しているが、まだ危機を脱したわけでは全くない」と述べた。

*豪ドル「通貨10位(8位)、株価9位(10位)、世界的なリスク回避に加え豪のコロナ感染拡大やロウ総裁発言で弱含み推移か」
 弱い。年初来では円に次いで弱い通貨となっいる。米中対立激化や世界的な金融テーパリング示唆の中でリスク回避の豪ドル売りが続いている。豪の場合、これらに加えて先週新型コロナウイルスの1日当たり感染者が今年に入ってからの最多を記録した。最大都市シドニーではロックダウン3週目に入ったが、感染力の強いインド由来の変異株(デルタ株)が広がっている。
 さてロウRBA総裁は、債券買い入れの縮小は支援停止を意味しないと述べ、中銀が金融引き締めに乗り出したとの見方を否定した。国債買い入れを9月以降、現行の週50億豪ドルから40億豪ドルに縮小すると発表し市場では、早ければ来年にも利上げが行われるとの観測が浮上していたがこれに水を差した。ロウ総裁は、金利は長期にわたって過去最低の0.1%にとどまると述べ、市場の観測を否定した。
インフレ加速には失業率がさらに低下し、4%台前半に維持され、賃金の伸びが持続的に押し上げられる必要があるとの認識を示した。

*NZドル「通貨7位(7位)、株価15位(15位)、8月利上げ観測もあるが大きくは上昇しないだろう」
 強くはない。全体的には世界的なリスク回避の流れで弱い。ただ利上げ観測が豪より強いので豪ドルよりは強い。2Qの消費者物価は、予想以上に上昇し、約10年ぶりの大幅な伸びを記録した。8月にも金融引き締めに動くとの見方が一段と強まった。NZドルを少し押し上げた程度にとどまっている。2Qの消費者物価は前年比では3.3%上昇し、2011年6月以来の大幅な伸びとなった。伸び率は中銀目標の1-3%を超えた。
新築住宅や燃料の価格上昇が目立った。ただ、比較対象となる昨年2Qに新型コロナウイルス対策のロックダウンの影響で物価が下落していたことも要因だとしている。中銀が5月に示した見通し(前年比2.6%上昇)を大幅に上回り、早期の引き締め観測が一段と強まった。中銀は7月14日、大規模資産買い入れ(LSAP)プログラムに基づく追加的な資産購入を7月23日から停止すると発表していた。中銀が次回8月の会合で利上げすると予想が強まっている。ただそれも影響してかNZの株価指数は世界の中でも最弱の部類であることは不安要因だ。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン2σ下限で下げ渋る。5日線、20日線下向き」
日足、ボリバン2σ上限から反落し下限で下げ渋る。7月15日-16日の上昇ラインがサポート。7月14日-16日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、4週連続陽線の後ボリバン2σ上限から反落し連続陰線。7月5日週-12日週の下降ラインが上値抵抗。7月5日週-12日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン上位。
月足、一目の雲から一旦落ちるもまた戻る。21年4月-5月の上昇ラインがサポート。2か月連続で109.30以下で下ヒゲが効いて上昇。ただボリバン2σ上限から下落中。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン下位での推移続く」
日足、ボリバン下位で推移。7月14日-16日の上昇ラインがサポート。7月15日-16日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、ボリバン下位、雲中へ下落。6月28日週-7月12日週の下降ラインが上値抵抗。3月29日週-7月12日週の上昇ラインがサポート。
月足、4月-5月の上昇ラインを下抜ける。1月-5月の下降ラインが上値抵抗。20年11月-21年4月の上昇ラインがサポート。雲の上維持。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「伸びきれず再びボリバン2σ下限へ」
日足、ボリバン下限での推移。7月13日-16日の下降ラインが上値抵抗。7月15日-16日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。雲の下。
週足、ボリバン2σ上限から反落し中位も下抜く。7月5日週-12日週の下降ラインが上値抵抗。1月18日週-7月12日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン下位。
月足、8か月連続陽線とならず。134.10あたりでダブルトップ。2月-6月の上昇ラインを下抜く。20年6月-11月の上昇ラインがサポート。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

 

情報提供元:FX湘南投資グループ
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