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新年度のドル円の売りは例年通り進んできた、中国の経済報復はあるか

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総括

新年度のドル円の売りは例年通り進んできた、中国の経済報復はあるか

ドル円=106-111、ユーロ円=128-133 、ユーロドル=1.17-1.22

通貨ごとの注目ポイント

*円通貨11位(11位)、株価9(3)位、例年通りの新年度のドル売り、今週は貿易統計、米中対立が日本に波及か、生保為替リスク取らずか
 3月下旬から取り上げている新年度のドル円下落が続いている。例年のリーズ&ラグズで輸出のドル売りが先行する4-8月だ。さらには、一時的要因にせよ米金利上昇でのドル買いが、米大型減税の報道で金利が低下しドル売りとなっていることや、米中、米露、米イランの対立も有事のスイスや円買いに向かわせたのだろう。今日は3月貿易統計の発表がある。3月中旬までは輸出の伸びが輸入の伸びを上回っていることから3月全体でも5000億円近い黒字となりそうだ。
 さて中国は日米共同宣言に台湾問題や香港・新疆ウイグルの人権問題を取り上げられて反発している。政治的な是非はともかく、中国からの経済的な報復は必須で日本企業にも悪影響が出てくるだろう。有事で日本に弊害があるにもかかわらず円買いが出るのが今後の通常の展開だろう。
また新年度の生保の投資計画が出始める頃だが、一部では生保は外貨投資は増加させるが、為替ヘッジ付きになるということだ。これではドル買いには繋がらない。そうならば例年通り、基本的な流れは
上半期のドル売り、下半期のドル買いとなる。輸出が上半期に出やすく夏頃に一息つき、下半期は輸入が目立つこととなる。ただGWまではドル売りが続いてもGW明けは1週間ほどドル買いが出るのも例年の動きだ。現在、ドル円の市場出来高が激減して、極端にいえば、資本為替は細々で貿易為替中心である。そうならば、やはり貿易の商慣行に沿った動きとなる。
 また日本は米国が主導した増税は歓迎しているが、新たな景気対策を打ち出す計画はなさそうだ。コロナ前から消費増税で落ち込んでいる消費は回復しない。消費が回復しなければ輸入も伸びず円高要因となる。

*米ドル通貨5(4)位、株価(NYダウ)3(3)位、ドルは弱含み。対外関係悪化、FRB緩和と大型増税で金利低下。貿易赤字は過去最大
 小売売上、住宅着工、ミシガン消費者信頼感、鉱工業生産、新規失業保険申請と指標は好調、NYダウも最高値を更新している。NY連銀の消費者の短中期インフレ上昇期待も約7年ぶりの水準に上昇しているが米金利は低下した。FRBの執拗な金融緩和継続発言と大型増税案が金利上昇を抑制し、上昇を見込んでドルを買った短期的投機筋のドル売りが出た。米中対立、米露対立、米イラン対立も有事のスイスフランなどの買いとなりドルを押し下げた。元々貿易赤字が大きいので、一般にドル高と言われるほど年初からはドルは上昇していなかった。
 トランプ政権からバイデン政権となり米中の対話が始まると思ったが、米国はそれ以前に、日本やクワッドなどで中国包囲網を築き、対中対立を煽っている感もある。いまや米国景気を上回る勢いの経済力を持った中国なので米国の意見には中国は従わないだろう。バイデン大統領での米中関係改善期待は裏切られた。ただ世界経済がどっぷりと中国経済に浸かっている中で、経済での往復合戦を続けることは相応に打撃となる。景気が縮小し不穏な空気が拡がれば買われるのは、スイス、ユーロ、円であるのでドルは売られることとなる。

*ユーロ通貨9(9)位、株価2(2)位(DAX)、独DAX最高値更新、経済指標好調もECBはFRB同様に慎重に経済を支えている。ユーロ上昇
 4月は4か月ぶりに上昇しているユーロ。域内各国でロックダウンが続くも意外と経済指標は改善し上昇に繋がっている。米金利の低下も一時的にユーロを支えている。ただECBは慎重だ。ラガルドECB総裁は、ユーロ圏経済は金融政策と財政政策という「2本の松葉杖」になお支えられているとし、こうした支援策は経済が完全に回復するまで維持される必要があるとの考えを示した。ECBは3月の理事会でパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れを次の四半期に拡大すると決定。今月に入り公表された同理事会の議事要旨によると、債券買い入れの増額ペースを落とすことや、2Qに買い入れを集中させ、状況によって後に買い入れペースを落とすことが話し合われた。
ただラガルド総裁は、米ジョンソン・エンド・ジョンソンと英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンへの対応などに言及し、ユーロ圏ではコロナ感染では不確実性が極めて高い状態が続いているとの認識を表明。一部ECB当局者は早くて7月の緊急買い入れ縮小開始を示唆しているが、こうした流れに水を差す格好となった。今週のECB理事会では政策変更は見込まれておらず、PEPPの今後の扱いを中心に討議されるとみられている。それと貿易黒字がユーロを支えている。

*ポンド通貨3位(3位)、株価8(9)位、ロックダウン解除で明るさ。東芝買収案後退もポンドを支えた
 3月の最強通貨の位置からは下落したが、依然3位と底堅い。株価も年初来8.65%高と順調推移している。一端、EU離脱後の底打ち感から上昇も終わり下落したと思ったが、素早いワクチン接種からのロックダウン解除で買い戻された。英政府は、50代以上の人全員に新型コロナワクチンの1回目接種を受けさせる目標を前倒しで達成した。経済活動の再開をさらに進めようとしているジョンソン首相の計画を大きく後押しするものだ。ジョンソン首相は、「重要な2回目接種の完了を推進し、7月末までに全成人にワクチンを提供する目標に向けて前進する」と述べた。冬の3カ月間導入されていた厳しい封鎖措置が緩和され、店舗やジム、パブ、美容室の営業が再開した。
 会計事務所デロイトが英大手企業の最高財務責任者(CFO)を対象に実施した調査によると、今後1年間の利益に対する楽観度が過去最高水準に達した。英国のEU離脱は、過去4年間、事業活動の大きな重しとなってきたが、英国が正式にEUを離脱したことを受けて、そうした影響が薄れつつある。ワクチン接種の進展と世界情勢の大幅な改善を背景に、企業の楽観度は力強く改善している。
 また、英投資会社CVCによる東芝の2兆円に上る買収案が後退したこともポンドを支えた。

*豪ドル通貨4(5位)、株価11位(12位)、順調な推移。上昇して一服。対中関係が懸念
 景気回復順当で通貨が強いが、その分株価は他国と比べると弱い。月足や週足でボリバン上限に位置しているので一服か。週足で4週連続で対円で84.50を上抜けない。3月雇用統計によると、就業者数は前月比7.7万人増と、予想の3.5万人の倍のペースで増えた。失業率は5.6%と1年ぶりの低水準に改善した。求人数は感染拡大前の水準をはるかに上回っていることから雇用は増加し続ける。ただ、RBAは賃金とインフレ率が大幅に上昇するまで緩和政策を続けると繰り返し述べており、そのためには失業率を4%以下にする必要があるとみている。4月の消費者信頼感指数は前月から6.2%上昇し、2010年8月以来の高水準に達した。3月の企業景況感指数は、8ポイント上昇のプラス25と、過去最高を記録した。
 あまり弱みはない。コロナ発生の地武漢調査問題に起因する中国との貿易関係が改善するかどうかだろう。

*NZドル通貨8(8)位、株価15位(15位)、企業信頼感とGDP弱く、通貨にも勢いが出ない
 リズム的には豪ドルに連れて動くが、水準はNZドルが低く、株価も弱い。NZ政府や金融当局はよく企業信頼感指数を口にする。それが弱い。21年1Qの企業信頼感は低下した。業況全般が「良くなる」と回答した企業の割合から「悪化する」と回答した企業の割合を引いた値はマイナス13だった。前期はマイナス6。昨年4QのGDPもマイナス成長となったこともあり、政策金利は0.25%に据え置かれた。
 政府の新たな住宅市場対策や外国人観光客の回復の影響を確認する必要があるとの認識を示した。中銀は声明で、サプライチェーンの混乱や原油価格の上昇によってインフレ率は短期的に急上昇し、目標レンジの中心である2%を上回る可能性もあるが、一時的な現象にとどまると指摘。先行き見通しは引き続き「非常に不透明」で、目標達成にはかなりの時間と忍耐が必要になるとした。長期間の金融刺激策がなければ中期的なインフレと雇用は中銀の目標を下回る公算が大きいとした。
 政府は3月、住宅価格の高騰抑制に向け、投資家を対象とした税制措置や住宅供給拡大など一連の措置を発表した。この副作用も大きい。

テクニカル分析

*ドル円「新年度入りでドル安、今年初の2週連続陰線。4月月足もここまで陰線」
日足、ボリバン2σ上限から下限近くまで下落。2月23日-4月16日の上昇ラインがサポート。4月13日-19日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、今年初の2週連続陰線。4月5日週-12日週の下降ラインが上値抵抗。3月22日週-4月12日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン上位。
月足、3か月連続月足陽線だが4月はここまで陰線。21年2月-3月の上昇ラインがサポート。20年2月-21年3月下降ラインが上値抵抗。雲中から下落。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜くか。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン2σ下限から反発し上限へ」
日足、ボリバン2σ下限から反発し上限近くへ。2月25日-4月16日の下降ラインが上値抵抗。4月13日-16日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、3月29日週の長い下ヒゲで上昇。2月22日週-4月12日週の下降ラインが上値抵抗。4月5日週-12日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ下限で踏みとどまり中位へ。
月足、3か月連続陰線も4月は陽線スタート。2月-3月の下降ラインが上値抵抗。20年11月-21年3月、20年3月-5月の上昇ラインがサポート。雲の上維持。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも一時上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「引き続きボリバン上位で揉みあう」
日足、ボリバン上位で揉みあう。4月7日の上ヒゲで下げるも8日の下ヒゲで上伸。4月8日-16日の上昇ラインがサポート。4月15日-16日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、ボリバン2σ上限。3月22日週-4月12日週の上昇ラインがサポート。4月5日週-12日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、5か月連続陽線、雲の上へ出る。4月もここまで陽線。ボリバン2σ上限。2月-3月の上昇ラインがサポート。18年2月-21年3月の下降ラインを上抜く。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインを上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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