総括
通貨・株価ともに世界最強、貿易・経常収支の黒字転換で
通貨首位、株価首位
予想レンジ 南アランド円 7.3-7.8
（ポイント）
＊通貨・株価ともに世界最強
＊貿易・経常収支が黒字へ
＊2月小売売上が強い
＊今週は3月消費者物価の発表
＊米中景気回復によるリスク選好の流れにのっている
＊クガニャゴ中銀総裁は「南アは極度の重債務国」ではないと発言
＊20年4Q・GDPは予想を上回る
＊2月製造業PMIは改善
＊コロナ警戒レベル1に引き下げ
＊4Q失業率は過去最悪となった
＊世銀の21年成長見通しは3.3％
＊経済対策財源は公務員給与の昇給凍結
＊IMFは、南アの2020年の成長率予想をマイナス8％に据え置く
＊中銀の20年インフレ見通しは3.84％
(ランドは年初来最強通貨へ)
通貨ランド、株価指数（ALSI）ともに世界最強だ。ランドは昨年の高値の7.80に近づいた。株価指数（ALSI）は最高値を更新している。コロナ禍からの世界の景気回復、とりわけ貿易依存度が一番高い中国の景気回復が南アの景気を押し上げている。かつては赤字が当たり前だった貿易・経常収支が黒字に転換したことが大きい。経常黒字国なのに長期金利が9％台であることは南アに資金を流入させている。
（2月の小売売上高が予想外の改善）
2月の小売売上高は前年同月比2.3％増加し、前月改定値の3.7％減から、2020年3月以来11カ月ぶりのプラスに転じた。家具、家電、食品購入の伸びに支えられ、予想は1.8％のマイナスだった。
前月比では6.9％増。前月に32.3％減だった食品と飲料は今回、8％増と最も大きく改善した。このほか、家具・家電は17.3％増、衣料は12.3％増だった。
一方、小売り雑貨、医薬品、化粧品は減少した。
（中銀総裁発言）
南ア中銀は、景気支援のため緩和的な金融政策姿勢を維持する余地がある限りそうする公算が大きいと、クガニャゴ総裁が述べた。南ア中銀は2020年初め以降、政策金利を合計3％引き下げて過去最低の3.5％とした。先月の政策会合では、この利下げサイクルが始まって以来初めて政策委員が１人も利下げを支持せず、市場の期待は利上げ開始時期へと移っている。今週は3月消費者物価の発表がある。インフレ目標は3％-6％。2月は2.9％を下限を割り込んだが、今回の予想は3.2％。
（ワクチン接種スケジュール）
ワクチン接種の計画もけっして速さはないが打ち出され安心感を与えている。第1フェーズでは5月中旬までに 150 万人の医療従事者のワクチン接種を完了させる。5月中旬から 11 月中旬を予定している第 2 フェーズにおいては、エッセンシャルワーカー、高齢者及び基礎疾患者等を対象に 1,300 万人の接種を目標としている。
（世界最強の株価指数、ALSI）
（貿易収支に続き、黒字となった経常収支もランドを支える）
テクニカル分析（ランド/円）
ボリバン2σ上限から反落。7.67でダブルトップ
日足、4月15日にボリバン2σ上限に達し反落。4月13日-14日、3月25日-4月13日の上昇ラインがサポート。4月15日-16日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、一時、ボリバン2σ上限を上抜く。3月29日週-4月12日週の上昇ラインがサポート。3σ上限は7.85。
月足、21年1月-3月の上昇ラインがサポート。19年12月-20年3月の下降ラインを上抜く。ボリバン上位。
年足、16年-19年の上昇ラインを下抜くも上抜き返す。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。今年は陽転。
喜望峰
IMF、2021年のサブサハラ・アフリカの成長率を上方修正
IMFは4月6日発表の「世界経済見通しで、2021年のサブサハラ・アフリカ地域の実質GDP成長率見通しを3.4％とし、1月の前回発表の3.2％から0.2ポイント上方修正した。2022年の成長率も、前回発表時から0.1ポイント高い4.0％とした。2020年の成長率は前回発表時より0.7ポイント高いマイナス1.9％と発表した。
新型コロナウイルスワクチンの普及が他地域に比べて遅れているサブサハラ地域では、特にガーナやケニア、ナイジェリア、南アフリカ共和国などの感染拡大が2021年以降も経済成長の妨げになると予測しながらも、世界経済全体の成長率を6％台に上方修正したことがサブサハラ地域の見通しの上方修正の主な要因とみられる。
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。
