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円は最弱、ドルも強くはない。強いのは他通貨。アラスカ会談とFOMCに注目

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総括

円は最弱、ドルも強くはない。強いのは他通貨。アラスカ会談とFOMCに注目

ドル円=106-111、ユーロ円=128-133 、ユーロドル=1.17-1.22

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨最下位(10位)、株価4(3)位、リスク選好の円安に貿易赤字と外貨投資増が加わるか」
円は再び年初来最弱通貨へ。世界的なリスク選好でスイスやユーロと共に売られる。ただスイスはスイス売り介入を行っている。ユーロはドルより安いが対円では3.25%高。円はただ弱い。対外純資産が3兆ドルあるので円が安いことは景気回復やインフレ上昇に結び付くので良いことだ。
 需給でも円は様子が変わってきた。2月貿易収支はおそらく赤字となる。外貨投信の残高も昨年3月の24兆円から10兆円増えて21年2月は35兆円となり史上最高の36兆円に近づきつつある。貿易が赤字を維持すれば円安は継続できるし、昨年度は外貨投資に慎重であった生保などが外債市場に戻ってくれば円安は継続する。今週は2月貿易統計を注目したい。
 日銀が金利を操作しても大きな持続的な影響はない。むしろマイナス金利の深堀は預金者がより一層、お金を使えなくなり円高要因となってしまう。これは2016年のマイナス金利導入から続いていることだ。日銀が市場に役立ったのはETFの購入だ。これを市場原理に反するなどとして抑制すれば市場は崩壊するかもしれない。そこも気を付けてみたい。景気は悪いし麻生財務相がいうように財政も悪化。格下げされてもおかしくない。もちろん日本は勤勉な国民の膨大な預金があるので新興国のような債務危機にはならないが、現在の政治状況などから見ると一抹の不安はある。

*米ドル「通貨5(3)位、株価(NYダウ)5(7)位、FOMCとアラスカ会談。米追加景気対策は世界に好影響。米貿易赤字は拡大」
米国のコロナ追加経済対策の影響は大きかった。OECDは米国の経済成長率の予測を今年6.5%、来年4.0%とした。昨年12月時点の予測はそれぞれ3.2%、3.5%だった。大幅な、ありえない上方修正だ。これは米国のみならず、主要貿易相手国の経済にも波及する見通しで、カナダとメキシコの経済成長率は0.5-1.0%、ユーロ圏と中国は0.25-0.5%押し上げられるとしている。6.5%成長の国の政策金利が0.25%というのは低すぎる、上昇して当然だが、FRB、財務省ともに金利上昇を抑制する。雇用者数はコロナ前の昨年2月の水準を900万人も割り込んでいることを鑑みれば、インフレが2%を確実に超えるまで長期金利が上昇しても金融緩和を続けるのだろう。
 今週はFOMC以上に米中外交トップのアラスカでの会談を注視したい。バイデン新政権となっても、まだ米中関係の改善は見られないからだ。「米中で意見が大きく異なる課題を含めて様々な問題を話し合う」としているが、政経で力を伸ばしている中国はどの問題も安易に妥協はしないだろう。会議をするだけでも一歩前進だが、関係改善にむすびつけば世界的にリスク選好となる。株高ならドル安か
 ドルは年初来では5位の強さで、それほど強いわけでもない。再び貿易赤字が拡大している中では持続的なドル高も難しい。

*ユーロ「通貨9(8)位、株価7(10)位(DAX)、ECBの金利上昇抑制やユーロ高懸念あるも下がりきらず反発」
18年11月8日ぶりの130円のせとなった。ユーロは年初から対ドルで弱いが、最弱の円より強く130円のせとなった。株価(独DAX)も年初来5.7%高とまずまず。ECBはインフレ抑制の妨げとなる金利上昇やユーロ高を懸念している。少しは効果が出ているが、膨大な貿易経常黒字で金利やユーロも下げ切らない。リスク選好で円やスイス程は売られず。ユーロ圏内にギリシャなどリスク選好の対象となる国を抱えていることもある。
 ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)買い入れを次の四半期に拡大すると決定。月次の買い入れ目標について、先月の600億ユーロを上回るものの、昨春の1000億ユーロほどには拡大しないとの見通しを示した。ユーロについては為替レートを目標にしていないとしながらも、為替レートを引き続き注視するとした。ラガルド総裁は「全般的な経済状況は年内に改善すると予想されるが、短期的な経済見通しには不確実性が残っており、特にパンデミックの動向やワクチン接種の速度が関連してくる」と述べた。ユーロ圏経済については、21年1Qもマイナス成長に陥るとの見方を示した上で、回復の兆候は一様ではないと強調。長期インフレ見通しは引き続き目標を下回っているとの認識を示した。2021年の経済成長率予想を4.0%とし、前回予想の3.9%から若干上方修正。同年のインフレ率については1.5%とし、1.0%から上方修正した。

*ポンド「通貨2(首位)、株価8(11)位、首位陥落、離脱の勢いも一服か」
経常赤字でも、経済指標が弱くても買われ首位を維持してきたポンド。対ドルで5か月連続陽線だったが、3月は先週月足が陰転した。EU離脱決定までは売られてたがその巻き戻しでの上昇も一服か。
ベイリー英中銀総裁は、国内経済へのリスクはなお下振れ方向だとの認識を示した。インフレ抑制方向へと舵を切る可能性を巡る観測に水を差した。ベイリー総裁は、経済が余剰能力を吸収していることを示す明確な証拠が見られるまでは金融政策を引き締めないとした方針をあらためて示した。失業率は上昇し1年後には現在より高くなっている可能性が高いとの見通しを示し、こうした理由から「リスクバランスは下方向に傾いている。ただ、時間の経過と共に傾斜は顕著でなくなるだろう」と語った。市場や消費者、企業の間で経済への楽観が高まっているとした上で、「われわれの最新予測で想定されている経済の出発点の活動水準は低い」とくぎを刺した。インフレは目標とする2%を依然下回っているとベイリー総裁は指摘。景気回復の持続性についての立証責任に言及した。今週の政策金利決定会合でも据え置きが予想されている。

*豪ドル「通貨3(4位)、株価12(11位)、中国懸念あるも経済は順調、RBAは慎重」
コロナ調査問題、香港人権問題、太平洋防衛問題で中国との対立は続く。中国による豪への投資額が2020年に約10億豪ドルとなり、前年比で61%急落したことが分かった。ただ米国同様に経済全体では好調で、金融政策も米国同様に緩和姿勢を維持している。コロナ禍からの世界的な景気回復では恩恵を受けている。貿易・経常収支は黒字が続く。ロウRBA総裁は、国内経済はパンデミック前の水準に近づいているものの、完全雇用の達成には少なくとも2024年までかかるとの見方を示し、市場の利上げ観測をけん制した。4Q・GDPは前期比3.1%増と、大きな伸びを示した。雇用の伸びも堅調に推移し、小売売上高も好調となっている。総裁は予想を上回る経済状況は非常に歓迎できるが「まだ道のりは長く、豪経済がフル稼働の状況から程遠いという事実を打ち消すものではない」と語った。
コアインフレ率は少なくとも今後2年間、中銀の目標範囲の2-3%を下回る見込みだとし、実質インフレ率が持続的にこの目標範囲に入るまで政策金利を0.1%に据え置く方針を示した。今週は住宅価格、RBA議事要旨、雇用。小売売上の発表がある。

*NZドル「通貨6(6)位、株価最下位(最下位)、住宅バブルで出口か、為替需給弱い、世界最弱の株価の要因は」
同じオセアニアだが、豪に比べると弱いところが多い。NZドルは豪ドルより弱いが、株価は世界最弱だ。厳格なコロナ抑制対策で海外に比べて早期に経済が回復したが一連の金融・財政刺激策を受けて不動産市場には過熱感が生じている。それゆえに住宅投資規制策や緊急流動性支援策の一部を解除したことで金利が上昇し株価の下落が続いている。中銀は支援策を解除することで中銀の金融政策スタンスに影響が及ぶことはないと説明したが市場はそうと捉えていない。NZの最大の輸出品である乳製品価格の上昇はあるが、全体では貿易は赤字となり経常収支も赤字となっている。そのあたりが豪ドル、豪株に差をつけられている要因だ。2月の企業信頼感指数、食品価格、クレジットカード消費、4Q製造業売上はいずれも前回より悪化した。今週は20年4Qの経常収支とGDPの発表がある。

テクニカル分析

*ドル円「109.20を上抜けるか」
日足、3月9日からの3日連続の長い上ヒゲでの売り圧力を108.30あたりでこらえて反発。3月9日-11日の下降ラインを上抜いて上昇。3月9日-12日の下降ラインが上値抵抗。3月11日-12日の上昇ラインがサポート。
 ボリバン2σ上限は109.52(12日終値)。5日線上向き。売りが多かった109.20、9日の109.235を上抜けるか、15日はゴトビ。
週足、雲の上に出て一気にボリバン3σ上限も一時越える。21年3月1週-8日週の上昇ラインがサポート。18年11月26日週-20年2月17日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、2月で2か月連続陽線。3月もここまで陽線。21年1月-2月の上昇ラインがサポート。18年10月-20年2月下降ラインが上値抵抗。雲の下。ボリバン中位を越える。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン3σ下限から反発。日足、週足で下ヒゲ」
日足、ボリバン3σ下限から反発。3月12日は長い下ヒゲ。3月10日-12日の上昇ラインがサポート。2月25日-3月12日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限から反落し中位も下抜く。先週は長い下ヒゲ。20年11月2日週-21年3月8日週の上昇ラインがサポート。21年2月22日週-3月1日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、2か月連続陰線。3月もここまで陰線。1月-2月の下降ラインが上値抵抗。20年11月-21年3月、20年3月-5月の上昇ラインがサポート。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも一時上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「5週連続陽線」
日足、ボリバン2σ上限維持。3月11日-12日の上昇ラインがサポート。上値抵抗は3σ上限131.06。5日線上向き。
週足、5週連続陽線でボリバン2σ上限。3月1日週-8日週の上昇ラインがサポート。上値抵抗はボリバン3σ上限132.41。
月足、4か月連続陽線、雲の上へ。ボリバン2σ上限越える。1月-2月の上昇ラインがサポート。18年2月-21年2月の下降ラインを上抜け。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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