今週で2月も終わります。新型コロナの世界的な感染拡大も間もなく1年となり、世界経済を大きく狂わせました。
世界は1年足らずで10兆ドル規模の金融緩和を実施し、さらにこれからまだ追加緩和を実施しようとしています。
株価が腰折れする場合、躊躇なくそれは実行されてくるでしょう。
そんな中、イギリスでは、ワクチン接種率が間もなく30%に到達しようという速度で加速しています。
参考: https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine-status/
先日のコラムでもご紹介した通り、英国は先進国の中で最も順調にこの「コロナ経済」を乗り越えようとしているようです。
その恩恵を受けて、ポンド高は継続中、原油価格上昇の恩恵も受けて、しばらくインフレ体質の通貨高相場が見込めそうです。
目次
▼ポンドは160円目指す展開か??
▼月足相場は反転!190円方向もあり得るか?
▼豪ドル円週足もインフレ上昇
ポンドは160円目指す展開か??
前回のコラム執筆時では147円代だったポンドですが、本日150円にまで上値を伸ばしました。
148-150円ゾーンに多く長期のレジスタンスラインがあったのですが、それらを貫通させての続伸です。テクニカルというよりかは、今回はファンダメンタルズ相場です。
徐々に資本が英国に向かっている構図だと思われます。
150円を明確に超えてきますと、長期トレンドが大きく変わりそうです。今週のコラムに限っては、ポンド円を成行き買いで追加を推奨したいと思います。
月足相場は反転!190円方向もあり得るか?
月足チャートで改めてご覧頂きますが、ポンドはブレグジット問題でこの5-6年は大底を叩いていた格好です。
156.70円を抜けますと、190円方向に値動きが強まる可能性があります。
ポンドはインフレに非常に敏感な通貨なため、動き出すと止まりません。
例えば、過去に2013年以降、世界が利上げサイクルに向かう過程でも、ポンドは120円台から195円まで上昇したケースがあります。この間は2年半ほどでした。
今回のグローバル緩和から始まるインフレ経済は、物資の値段を大きく押し上げるでしょう。
ですので、ポンドもこの恩恵を受けるというわけです。
直近すごく高い価格のように見えますが、月足相場で考えると今からロングしても全くもって遅くない水準ではないでしょうか。
ワクチン接種もおそらく4月末には6-7割以上の接種を終えている可能性があります。
経済が動き出し、昨年のコロナ禍と比較されますので、前年同月比で大幅なプラス成長が連続的に出てくることが目に見えているわけです。
わかりきっていることですが、それでもやはり見た目もよく過剰に反応を始めるように思えます。
利上げが意識されるほどの上昇相場が近々待っているのではないでしょうか。
本日のコラムに限っては、ポンド買いはただちに成行買い、中長期の上昇狙いとしてご紹介させて頂きます。
※先週のコラムからポンド円のポジションを取った方は、ホールド継続、余剰資金の範囲内にて追加買い増しでも良いと考えます。
豪ドル円週足もインフレ上昇
続いて今週は豪ドル/円週足をピックアップしました。
同じく、インフレ経済には最も通貨高になるポテンシャルがあるのが豪ドルです。
オーストラリアの貿易収支の50%は鉄鉱石や石炭などといったコモデティです。
鉄や銅の価格が上昇すると連れ高になる傾向があります。
原油を始め、鉄鉱石や銅の値段も堅調さは相変わらずです。ポンドと同じくして、豪ドルはさらに上値の余地がありそうです。
今回のコロナ相場は特異なケースです。
異次元の金融緩和→「コロナ経済」回復から需要は爆発的に回復(元々経済が悪いものではないので。)→小売などの指標が大幅改善(現に米国の小売指標は先月大幅改善)→ 物価上昇→利上げサイクル
このようになると考えます。
このシナリオはちょうど1年間健在すると考え、引き続きリスクオン相場継続で考えております。
ただし注意点は米国の長期金利の急上昇でしょう。長期金利が2%を上期あたりまでに超えるような事態になれば、またシナリオは変更するかもしれません。また追ってこのあたりの相場観は当コラムにて配信していく予定です。
以上、今週の戦略はポンド買い継続維持と致します。
先週のコラム:https://www.gaitame.com/media/entry/2021/02/17/150040
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・日銀緩和のときに活きた投資の勉強
・決済はむずかしい
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<もくじ>
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
・レポートの勧め
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。