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政権交代や米国経済の強さ、株価の強さとドルの強さは関係がない

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総括

政権交代や米国経済の強さ、株価の強さとドルの強さは関係がない

ドル円=101-106、ユーロ円=122-127 、ユーロドル=1.17-1.22

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨6位、株価4位、輸入も持ち直せば円は安定。機関投資家は静か。補正予算で消費が盛り上がれば円安」
 11月の円は大幅安。主要12通貨中11位であり年間の順位も10月末の4位から6位へ後退している。ただ11月の最弱通貨がドルなのでドル円では円高感が漂う。一方11月の世界の株価の上昇は大きく各国の指数も二桁%の上昇率が殆どだ。日経平均も11月は15.96%上昇している。リスク選好の株高円安(但しドル円では円高)は間違ってはいない。
 ドル円は貿易取引でドルが多く使われるが、その貿易収支が均衡気味なので小動きとなっている。7月から10月は輸出が持ち直し黒字が拡大し円高要因となったが、11月初旬は輸入が持ちなおし貿易赤字となり需給の均衡、相場の均衡の流れになりかねない。
 機関投資家も為替リスクをとることには消極的で大玉が飛び交うこともなく出来高大幅減少の要因ともなっている。輸出入で歪みが大きくなれば相場も動き出す。3次補正予算の推定規模が20兆円から40兆円まで飛び交っているが、大きい方が消費増、輸入増、円安に繋がる。何もなければ、経常黒字で静かな円高か(経常黒字は外準など為替が出ないものもあり数字を鵜呑みにしたり過大評価してはいけない)
 11月のドル円は小動きながら例年通り、上旬は上昇、中旬は下落、下旬は上昇となっている。12月は10日ごとの動きではそれほど特徴的なものはないので、その都度、注文状況やテクニカル、イベントを考慮しお伝えしていきたい。ちなみにここ5年間のドル円の11月末日は2019年を除いて陽線。

*米ドル「通貨8位、株価(NYダウ)7位、米国の経済の強さとドルの強さは関係がない」
 NYダウが一時3万ドルを越えた。1990年頃、日本が日経3万8千のバブル時代は確かダウは2千ドル台だったが、それは15倍となった。アジア通貨危機、エンロンショック、リーマンショック、ギリシャ危機を経ての3万ドル達成。誰が大統領でも関係なく民間企業が押し上げてきた。米国は強い。ただそういう強さとドルとは関係がない。ドルが影響を受けるのは株価でなく貿易収支。1973年に米国が貿易赤字に耐えられなくて変動相場制を採用してから50年近いが、変動相場制にしても貿易赤字が解消することはまったくなくドルは弱い。今後もこの傾向は長期的に続く。貿易黒字が善、赤字が悪ということもまったくない。企業同士の収益最大化の取引の結果だ。国内では何も問題がないのに、それが国際取引となると問題視する人が多い。トランプ大統領もそうだった。合理的な自然な取引を関税などで無理やりストップすればお互いの不利益となる。
 最近ではGAFA、テスラ、ファイザーなどが強い。また強い製造業は新興国など賃金の安い国で生産し米国に輸出し米国の貿易赤字が拡大する。貿易赤字は米国の弱さを示すものではないが、ドルを弱くする。
今後もこの傾向が続くことは間違いない。もちろん今週の雇用統計の結果で相場が乱高下することもあろうが長期的なドル安の傾向は変えられない。取引は長期、短期を区別してやりたい。

*ユーロ「通貨2位、株価9位(DAX)、コロナ禍という有事でも年間を通じて買われた。ECB緩和でも揺るがないだろう」
 上述の米ドルとは違った動きで経済指標はそれほど強くはないが通貨ユーロは強い。今年はコロナウィルス感染で1年が終わりそうだが、有事として年間を通じて買われたのはスイスでありユーロであった。円は後塵を拝した。リスク回避として買われる通貨は貿易黒字の国で、最近の日本は赤字になったりすることもあり、20世紀の膨大な黒字はもうない。ユーロはその膨大な貿易黒字を維持しているので、景気の弱さが出ても底堅い。ECBは金融緩和を拡大しそうだが、それでユーロが長い期間売られることはないだろう。
 ECBは10月の理事会で主要な政策変更を見送ると同時に、12月の次回理事会でに追加対策を決定する可能性を示唆した。11月26日に公表された理事会の議事要旨で、景気下支えに向け追加刺激策の確約を決定したことが分かったことに加え、レーン専務理事がインフレ率の低下を長期間容認すれば消費と投資に悪影響が及ぶと述べたことを受け、ECBの追加刺激策に対する期待が高まっている。

*ポンド「通貨7位、株価14位、EU離脱交渉難航と一部の経済活動制限で弱い」
 今月は米新大統領の誕生とファイザーのワクチン治験進展でのリスク選好の流れで上昇していたが、先週後半は小反落した。
英国とEUの離脱交渉が難航していることや12月2日から地域ごとのコロナ感染抑制のための制限策が導入されることを嫌気した。EUと英国は通商協定に関して大きな溝が残ると述べた。英国水域での漁業権、公平な競争条件(国家補助金)、ガバナンス(紛争解決手続き)が主な争点となっている。新型コロナのパンデミックによる景気への影響に関するハンコック保健相とスナク財務相の見解が不安材料となった。
 ハンコック保健相はイングランドで人口の3分の1に当たる2000万人超が最も厳しい制限の対象になると明らかにした。バーやカフェ、レストランなどは持ち帰りを除き営業ができない。スナク財務相は、過去最大規模の公的債務が持続可能な水準を維持できるほどすぐに縮小すると予想していないと述べた。新型コロナ危機が終息すれば、増税が必要になるという考えも示した。
英製薬のアストラゼネカは最近発表された治験で得られた結果に関する疑問も出ている。

*豪ドル「通貨5位、株価11位、11月堅調の豪ドル。今週は政策金利、GDPに注目」
 バイデン新大統領誕生とコロナワクチン治験の進展や申請、力強い10月の小売売上高と雇用統計で、11月は73円台から76円台へ上昇した。3Qの企業設備投資は3%減の2585億豪ドル。2Qは5.9%減だった。
一方、20-21年度の設備投資計画は約1050億豪ドルと、従来計画を6.3%上回った。今週も重要週だ。経常収支、政策金利、GDP、貿易収支などが発表される。政策金利は前回0.25%から0.10%に引き下げていることもあり、今回は政策金利の変更はないだろう。3Q・GDPは、家計消費や政府支出に支えられ、前期比3-4%のプラス成長を確保したとみられている。ただデベルRBA副総裁は、国内経済の見通しは依然として非常に不透明であり、生産が新型コロナ流行前の水準に戻るには長い時間がかかるだろうとの見方を示した。
 現在、関係が悪化し、貿易制限を課せられている中国の製造業PMI発表も注目したい。

*NZドル「通貨6位、株価5位、マイナス金利導入観測がさらに後退し上昇」
 11月のNZドルは堅調。ホークスビー中銀総裁補は来年3月まで金利を据え置くというガイダンスを変更していないと表明していたが、さらに住宅価格高騰を避けるために中銀の金融緩和策後退観測がNZドルを支えた。ロバートソン財務相は、住宅価格の安定化に資する手段について中央銀行に助言を求めた。オア中銀総裁への書簡で、金融政策立案の際に住宅価格の安定を検討事項に含めることを提案した。住宅価格が高騰していることを考慮すると、中銀の追加緩和余地が狭まる可能性を意味すると受け止めた。オア総裁は国内で住宅バブルに対する懸念が強まっていることを受けて、住宅ローンの規制を来年再開する意向を示した。金融安定報告でも「LVR規制を来年3月から再導入する方針だ。高リスク融資の増加継続に歯止めをかけ、将来の潜在的な住宅価格に対する銀行の耐性を維持することが狙いだ」と表明した。
 バイデン新大統領誕生とコロナワクチン治験の進展や申請でのリスク選好に加え、マイナス金利導入観測後退がNZドルを押し上げた。

テクニカル分析

*ドル円=「ボリバン中位を維持できず反落」
日足、ボリバン中位を維持できず反落。11月26日-27日の下降ラインが上値抵抗。11月23日-27日の上昇ラインがサポート。11月27日は若干の下ヒゲ。5日線上向き。雲の下。かろうじて11月下旬はここまで陽線。
週足、ボリバン下限近辺で推移。11月9日週-23日週の上昇ラインがサポート。11月9日週-16日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、3月-10月の上昇ラインを下抜く。ボリバン下限2σを下抜く。9月-10月の下降ラインが上値抵抗。雲の下。
年足、4年連続陰線。今年もここまで陰線。16年-19年の上昇ラインは再び下抜く。16年-17年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル=「ボリバン上限へ上昇」
日足、ボリバン上限へ上昇。11月26日-27日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。雲の上。
週足、ボリバン中位で反発。8月31日週-11月23日週の下降ラインが上値抵抗。11月2日週-23日週の上昇ラインがサポート。
月足、6月-7月の上昇ラインがサポート。9月-10月の下降ラインを上抜く。ボリバン2σ上限。雲中へ戻す。
年足、2年連続陰線。18年-19年の下降ラインを上抜く。02年‐17年の上昇ラインがサポート。14年‐18年の下降ラインも上抜く。11年‐14年の下降ラインが上値抵抗で上昇を阻む。

*ユーロ円=「ボリバン中位から上昇し雲中へ」
日足、ボリバン中位まで下落後、上昇し雲中へ。11月23日-27日の上昇ラインがサポート。11月9日-26日の下降ラインが上値抵抗、5日線上向き。
週足、11月9日週-16日週の下降ラインを上抜きボリバン中位も越える。11月2日週-23日週の上昇ラインがサポート。
月足、9月はボリバン上限2σから反落。10月も陰線。11月は9月-10月の上昇ラインを下抜く。18年9月-20年9月の下降ラインが上値抵抗。20年5月-11月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陰線。今年は陽転。18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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