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来週の為替予想(米ドル/円)日米10月利上げ見送り観測、ドル円のレンジ突破材料は? ハロンズFX 2026/10/17

 

ドル円予想 日米10月利上げ見送り観測 2026年10月16日

執筆:外為どっとコム総合研究所 小野直人
執筆日時:2026年10月16日 16時

【この記事でわかること|ドル円見通し】

  • 来週のドル円予想レンジ:156.50〜159.50円
  • 米CPIは上振れたものの、ドル円は159円に届かず、157円台へ反落
  • 米金利上昇・ドル高が再開するには、AI関連株への警戒が和らぐことが一つの条件
  • 日米金融政策は12月の利上げ判断に関心が移りつつある
  • 日本の国内債券への資金回帰が、円安を抑える可能性にも注目

米物価指標の上振れでも159円に届かなかった一方、米金利が低下しても157円台半ばでは下げ渋りました。来週はAI関連株への警戒が落ち着き、米金利上昇とドル高の流れを取り戻せるかが焦点になります。

今週のドル円相場|米CPI上振れでも159円に届かず

前回は156.50〜159.50円のレンジを予想し、米CPIの上振れによる米長期金利の上昇が、200日移動平均線突破のきっかけになると考えました。実際に14日の米9月CPIは前年比+3.7%と市場予想の+3.6%を上回り、米10年債利回りは一時5.30%台へ上昇し、ドル円も200日線を一時突破して158.949円まで上値を伸ばしました。しかし、定着できずにドル円は15日には157.550円まで反落しました。

想定と異なったのは、米金利上昇が続かなかったことです。14日の米CPI発表後、AI関連企業の収益性や資金調達への警戒から株式市場が不安定となり、同日のうちに安全資産である米国債への買いが強まりました。翌15日の米PPIも上振れましたが、米10年債利回りは5.10%前後まで低下し、ドル円の上値を抑えました。

米金利上昇・ドル高は再開するか|AI関連株の動向が鍵

米Meta(メタ)は21日(米国時間)の株式市場終了後に決算を発表します。AI関連設備投資の規模と収益化について市場の不安を和らげる説明があれば、米国債への資金逃避が落ち着き、米インフレ上昇を意識した金利高・ドル高の流れに戻る可能性があります。

反対に、AI投資への警戒が長引き、米国債買いが続く場合は、米金利低下がドル円を再び157円台半ばへ押し下げる可能性があります。ただし、AI関連株が反発するだけで米金利が上昇するかは不透明で、23日の米PMIなどで景気の底堅さが確認できるかも重要です。

また、20日に予定されるフランス予算案の歳入部分の採決にも注意が必要です。審議が難航し、欧州の株式・債券市場に動揺が広がれば、ユーロ円を中心にリスク回避の円買いが強まり、ドル円の重しになる可能性があります。

日米金融政策|関心は10月から12月の利上げ判断へ

また、金融政策を巡っては、日米ともに10月の利上げ期待は後退しています。16日にウォーシュFRB議長は、物価安定に取り組む姿勢を改めて示したものの、10月や12月の政策判断を事前に明かしませんでした。植田日銀総裁も、政策調整の時期やペースは経済・物価の見通しとリスクを点検しながら判断するとの従来の方針を繰り返しました。

日米の当局者は10月の会合で政策変更を急ぐ姿勢を明確にしておらず、市場の関心は12月の追加利上げの可能性へ移りつつあります。

ただし、23日の日本9月全国CPIでエネルギー以外にも物価上昇の広がりが確認されれば、日銀の10月利上げ観測が再び意識され、円を押し上げる可能性があります。

国内債券への資金回帰|米金利が上がっても円安が進みにくくなる可能性

もう一つ気になるのが、日本の機関投資家の資金の動きです。日本の大手銀行と保険会社は、国内金利の上昇を背景に日本国債の買い増しを進めており、4〜8月の5カ月間で残存2年以上の国債を合計約5.4兆円買い越したと報じられています。また、9月には銀行が海外債券を約2.5兆円売り越しました。

海外債券から国内債券への資金回帰が広がれば、円買いを促す可能性があります。米金利が再び上昇しても、以前ほど円安が進まなくなる可能性があり、来週20日の日本20年国債入札も、国内債券への需要を確認する材料とされそうです。

ドル円のテクニカル分析|158.58円突破と157.43円割れが分岐点

日足では25日移動平均線が157.50円付近まで上昇する一方、200日線は158.58円付近で横ばいです。100日線は159.47円付近にあり、RSIは51.5と中立圏です。下値の支えが切り上がる一方、上値は159円手前で抑えられています。

上方向|158.58円を回復できれば159円台を試す余地

一度は200日線を突破したものの、その上に定着できなかったため、再び158.55〜158.60円を上回り、その水準を維持できるかが注目されます。定着できれば今週高値158.949円、9月24日高値159.034円を試し、さらに100日線159.47円が視野に入ります。

現状では口先介入が中心とみられますが、159円台後半に進んだ場合の日米当局による円安けん制には一応警戒したいところです。

下方向|157.43円割れなら156円台後半へ

下値は25日線157.50円付近と、今週安値157.550円、10月5日安値157.434円が重なる157.43〜157.55円が重要です。この水準を割り込むと157.00円、さらに9月安値152.887円から9月24日高値159.034円までの上昇幅に対する38.2%押しの156.69円付近が次の目安になります。

予想レンジ下限の156.50円も下回れば、半値押しの155.96円が視野に入ります。

(各レート水準は執筆時点のもの)

【ドル円チャート 日足】

ドル円テクニカル分析 日足/移動平均線/14日RSI 2026年10月16日

ドル円 日足/25・100・200日移動平均線/14日RSI 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

重要イベント・経済指標(2026年10月19日〜10月23日)

  • 10月19日(月):13:30 日本 8月第三次産業活動指数/23:00 米国 10月NAHB住宅市場指数
  • 10月20日(火):フランス 2027年予算案・歳入部分の採決予定/日本 20年国債入札/21:30 米国 9月住宅着工件数・建設許可件数
  • 10月21日(水):08:50 日本 9月貿易統計
  • 10月22日(木):日本時間早朝 米Meta決算/08:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況/21:30 米国 新規失業保険申請件数
  • 10月23日(金):08:30 日本 9月全国消費者物価指数(CPI)/22:45 米国 10月製造業・サービス業PMI速報/23:00 米国 10月ミシガン大学消費者態度指数・確報値

外為どっとコム「経済指標カレンダー」

ハロンズFX「来週のドル円見通し」(過去分)

 
外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。