
作成日時:2026年10月19日 11時50分
予想期間:2026年10月19日〜10月26日
【この記事でわかること|ドル円見通し】
- 今週のドル円の予想レンジは156.00〜159.50円、メインは157.55〜158.95円。予想レンジは前回から上下限とも0.50円引き下げ
- 強い米消費者物価指数(CPI)でも159円に届かなかったのは、12月の利上げが大半織り込み済みのなか、AI関連の不安で米国債が買われ、米10年債利回りが下がったためとみられる
- 焦点は、米10年債利回りが反発するか、日本のCPIで日銀の12月利上げ観測が強まるか
- 判断の分岐点は上が158.95円、下が157.55円
弱い米雇用統計でも下がらなかったドル円が、今度は強い米CPIでも159円に届きませんでした。ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁が年内あと1回で十分との見方を示す一方、市場には2027年も続くとの予想が残り、ドル円の方向性を巡ってはやや気迷い気味です。
判断軸は、AI関連の不安と米10年債利回り、日本の9月全国CPI、円安けん制の3つ。どの材料を重く見るか、考えながら読み進めてみてください。
足元のドル円振り返り|利上げ観測は残るのに、米10年債利回りが低下
前回記事のメインレンジ157.43〜158.75円に対し、実際は157.550〜158.949円。メインレンジの上限を一時上抜けましたが、米9月CPIのコアが予想を上回っても、ドル円の上昇は続きませんでした。
とりわけ意外だったのは、米10年債利回りの動きです。市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の10月の利上げ見送りに傾いたものの、12月の利上げは大半を織り込み、2027年の追加利上げ観測も残しています。それなのに、米10年債利回りは14日に一時5.33%まで上がった後、15日には5.04%まで低下しました。
今後のドル円見通し|AI関連の不安・日本のCPI・円安けん制
AI関連の不安と米10年債利回り|米国債への資金流入は落ち着くのか
物価が強いのに米10年債利回りが下がったのは、株式から逃げた資金が米国債に向かったためとみられます。AI関連企業の借入負担への懸念が広がり、16日にはNASDAQ総合指数が約2.2%下落しました。
気になるのは、この不安が和らいだときです。21日(米国時間)のMeta(メタ)決算で安心感が広がれば、米国債への資金流入は落ち着きやすくなります。23日の米10月購買担当者景気指数(PMI)で景気の底堅さと物価上昇圧力が確認され、2027年の追加利上げ観測が強まれば、ドル円上昇の契機になる可能性があります。
日本の9月全国CPI|日銀の12月利上げ観測は強まるのか
米国側に決め手が見当たらなければ、日本側の材料が注目されます。植田日銀総裁は16日、利上げを続ける方針を示したものの、時期には触れませんでした。市場が見込む日銀の12月会合での利上げ確率は8割弱となっています。
23日の9月全国CPIでは、生鮮食品を除く指数は前年比+2.1%と、8月の+1.7%から高まる予想です。先行する東京都区部は前年比+2.7%と強く、全国も上振れすれば、日銀の12月利上げ観測が強まり、ドル円を圧迫する可能性があります。
日米金利差と円安けん制|158円台を上下に抜けにくい理由
とはいえ、日本側の材料が出るまでは、ドル円は上下どちらにも動きにくそうです。前週は日米の10年債利回りがそろって下がり、金利差があまり縮まなかったため、円を買う理由は強まりにくい状況です。原油高で輸入企業のドル買いが出やすいことも、ドル円の下値を支えているとみられます。
反対に、上値にはブラウン米財務次官や片山財務相による円安けん制があり、159円に近づくほど意識されやすくなりそうです。

なお、国際通貨市場(IMM)では、10月13日時点で投機筋による円の買い越しが5万207枚と、前週の6万2,325枚から減りました。円買いが888枚増える一方、円売りが1万3,006枚増えたためです。CPI発表前のデータですが、円高に振れた場合は、投機筋の円の売り持ちの買い戻しが、ドル円の下げを速める可能性もあります。
ドル円テクニカル分析|158.95円と157.55円の分岐点
日足では、上向きの25日移動平均線が157.64円、200日移動平均線が158.58円、100日移動平均線が159.46円。14日相対力指数(RSI)は50.9で中立圏です。10月12〜16日の週足ピボットは、P:158.16円、R1:158.76円、R2:159.56円、S1:157.36円、S2:156.76円です。
158.95〜159.50円|上抜け後に試す上値の目処
200日線とR1が並ぶ158.58〜158.76円は、前週に上抜けて押し戻された水準。14日高値158.95円と9月24日高値159.03円を超えれば戻り高値の更新となり、100日線が視野に入ります。R2は予想上限を超えた場合の目処です。
157.55〜158.95円|今週の中心レンジ
前週の値幅そのものです。25日線が下支えとなる一方、158.6円より上は戻り売りが出やすい水準です。
156.00〜157.55円|下振れ時の下値の目処
15日安値157.55円を割り、10月5日安値157.43円とS1も下回ると、S2と38.2%押し(9月8日安値152.887円から9月24日高値159.034円までの上昇幅、156.69円)が重なる156.7円前後が目処です。

ドル円のシナリオの組み立て方と予想レンジ
メインシナリオは、157.55〜158.95円でのもみ合いです。米10年債利回りが反発するまでは、上値がやや重いとみています。
買い持ち・売り持ち、保有ポジション別の見え方
買い持ちの方は、「CPIは強かったのに、伸びない……」と感じているかもしれません。上値を伸ばすには、米10年債利回りの反発が欠かせない局面です。
売り持ちの方には、157.55円手前の下げ渋りが気がかりでしょう。鍵は23日の日本のCPIなど日本側の材料になりそうです。
【あなたの見通しは?】
A.158.95円を上抜け、159.50円までを試す(米10年債利回りが反発する)
B.157.55〜158.95円で推移する(利上げ観測は残るが、米10年債利回りが伸びない)
C.157.55円を割り込み、156.00円までを試す(日本のCPIが上振れる)
今後の重要イベント
- 10月20日(火) 香港 APEC財務相会合(〜21日)
- 10月22日(木) 米国 Meta決算(21日の米国市場終了後)
- 10月23日(金) 08:30 日本 9月全国消費者物価指数(CPI)
- 10月23日(金) 22:45 米国 10月購買担当者景気指数(PMI)速報
