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CFDとETFはココが違う!

 (写真=PIXTA)

 

 金融市場にはさまざまな投資商品が存在します。その中でも特に注目されているのがCFD(Contract for Difference)とETF(Exchange Traded Fund)です。これらは一見似ているようでいて、その性質や利用目的に大きな違いがあります。投資家がこれらの商品を選択する際、それぞれの特徴を理解し、自分の投資戦略やリスク許容度に適したものを選ぶことが重要です。この記事では、CFDとETFの基本的な定義や、それぞれのメリットとデメリットを比較しながら、投資家が知っておくべき重要な違いについて詳しく解説します。

CFD(Contract for Difference)とは

 CFDとは、Contract for Differenceの頭文字をとったもので、「差金決済取引」のことを指します。CFDは、取引開始価格と取引終了価格との差額を取引する金融派生商品です。実際に資産を所有することはなく、価格の変動に対する差額を受け取るか、支払うので「差金決済取引」と呼ばれます。FXの取引も広い意味でCFDに含まれています。

(1)取引の仕組み

 CFDは、証券取引所などの市場を通さずに、売り手と買い手が当事者同士で価格や売買数量などを決めて相対で行う店頭取引(別名OTC: Over The Counter)で、株式、指数、商品、外国為替など、幅広い金融商品の取り扱いが可能です。

(2)レバレッジ

 CFDはレバレッジが利用できるので、少ない資本で大きな取引を行うことが可能です。これにより、高いリターンを得るチャンスがありますが、同時に高いリスクも伴います。

(3)税金

 CFD取引で発生した利益は、「雑所得」として課税の対象となり、FX取引、商品先物取引、日経225先物・OP取引、くりっく365などの差金決済(受渡しを除く)で発生した損益と通算して申告することが可能です。税率は20.315%、内訳は「所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%」になります。

(4)取引コスト

 CFDは手数料が基本的に無料です。投資信託のような販売手数料や、株式の委託手数料、口座開設手数料、銀行の入出金手数料はありません。ただし、実質的なコストとして、スプレッド(買値と売値の差)や、保有しているポジションに対する価格調整額、権利調整額、金利調整額といった調整金が発生します。

(5)取引時間

 店頭取引なので金融機関によって取引時間は自由に決められます。商品によって異なりますが、CFDの銘柄の多くは平日ほぼ24時間取引可能です。

ETF(Exchange Traded Fund)とは

 ETFとは、Exchange Traded Fundの頭文字をとったもので、「上場投資信託」のことを指します。その名の通り、ETFは東京証券取引所などの金融商品取引所に上場しており、ETFを購入することで、そのETFの原資産である個別株や株価指数、債券、商品などに投資することができます。

 ETFを詳しく説明する前に、従来の投資信託(上場していない投資信託)について少しお話します。従来の投資信託は取引可能な金融機関が限定的で、終値に基づく基準価格でしか売買ができませんでした。

 例えば、購入したい投資信託があっても、自分が口座を持っている証券会社でその投資信託を扱っていなければ、購入することができません。また、基準価格でしか売買ができないので、自分が買いたいタイミングや買いたい価格で注文することができませんでした。そのようなデメリットをなくしたのがETF(上場投資信託)です。

 上場しているので金融機関に縛られることがありません。そして、株と同じように取引時間中のETFは価格が変動するので、自分が売買したいタイミング、売買したい価格で、指値や成行注文ができるようになりました。

(1)取引の仕組み

 取引所(Exchange)という名前の通り、売り手と買い手の注文は取引所に集約されて売買が成立します。一般投資家は取引所に参加することができないため、証券会社が投資家と取引所の間に入って取り次ぐことになります。

(2)レバレッジ

 基本的にETFではレバレッジが掛けられませんが、原資産に対してレバレッジを掛けた「レバレッジETF」という商品はあります。ただし、個人投資家が自分でレバレッジを調節できるわけではないので、CFDほどの自由度はありません。

(3)ショートポジション

 基本的に売り仕掛けはできませんが、信用取引での「信用売り」は可能です。ただし、信用取引は手数料が高めです。また、「インバース型ETF」というものがあります。これは「相場が下落したときに利益になる」というETFで、これを購入すれば、実質的にショートポジションを持ったことになります。ただし、すべての銘柄で簡単にショートポジションが取れるCFDほど自由度はありません。

(4)取引コスト

 株式同様に証券会社を通じてETFを売買する際、取引手数料が発生します。また、信託財産の運用・管理にかかる「運用管理費(信託報酬)」がかかります。ただし、毎日公表される基準価額(純資産総額÷発行済口数)は、信託報酬が反映されているため、別途支払う必要はありません。

(5)税金

 国内で上場しているETFの税金は、原則として上場株式同様に、売買益(譲渡益)に対する課税と分配金に対する課税があります。外国で上場しているETFの場合は、税制が異なる可能性があるので、別途確認が必要になります。

(6)取引時間

ETFは証券取引所が定めている取引時間中でのみ売買が可能です。

CFDとETFの違いを表で比較してみました。

  CFD ETF
取引の仕組み 店頭取引 取引所取引
レバレッジ 可能 不可能
※レバレッジ型ETFで擬似的にレバレッジをかけることは可能
ショートポジション 可能 基本的には「買い」のみ
以下の取引で擬似的なショートポジションは可能
・信用売り
・インバース型
コスト 取引手数料ゼロ
スプレッド
価格調整額
権利調整額
金利調整額
売買手数料+運用管理費用(信託報酬)
取引時間 商品によって異なるが、ほぼ24時間 取引所が開いている時間
税金 雑所得として申告分離課税 ・売買益(譲渡益)は譲渡所得として申告分離課税
・分配金は配当所得として総合課税または申告分離課税

 

金融商品は「コストの大小」で選択するべき

 CFDはレバレッジが掛けられてショートポジションを持つことができるので、短期投資におすすめ、ETFは買いポジションをホールドし続ける長期投資におすすめという意見もありますが、私は別の意見を持っています。

 レバレッジは預入金を増減させることで実質レバレッジは調整できます。株価指数CFDであれば10倍のレバレッジを掛けられますが、預入金額を増やすことで、実質的なレバレッジを下げられますし、擬似的に1倍レバレッジでポジションを持つことができます。

 また、投資対象が同じ金融商品の場合、その金融商品の増減率に対して、CFDもETFも同じ割合で増減します。

 日経225が5%上昇すれば、CFDもETFも約5%上昇することになります。このときに「CFDとETFのどちらのコストが大きいのか」という点が大切になります。  同じ商品を買うときに、あなたは手数料の高いお店と、手数料の低いお店のどちらで購入したいでしょうか?サービスに差がないのなら、手数料の低いお店で買うのではありませんか?

 資産形成のために長期投資する場合、コストの大小が重要になります。日経225やNYダウなど、どこで購入しても同じような商品であれば、CFDとETFのコストを総合的に比較して、コストの小さい金融商品を選択するべきだと考えています。

 
岩田仙吉(いわたせんきち)氏
株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。
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