
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年4月24日 16時36分
来週のユーロ円・ポンド円の見通しでは、テクニカル面では調整局面が意識されるものの、下値は限定的とみられ、来週の為替予想として注目ポイントが多い週となりそうです。
今週のユーロ円・ポンド円、方向性定まらず
4月20日週のユーロ円・ポンド円は、方向性の定まりにくい展開でした。中東情勢を巡りドル中心の相場展開が続いていることから、クロス円は動意が限られました。ユーロ円は187.365円をトップに186.432円まで低下した一方で、ポンド円は215.739円まで上昇後、215.00円を中心に振幅しました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
来週のユーロ円・ポンド円、英欧中銀の声明と会見が焦点
■ユーロの見通し
来週のユーロ円は、186円台を中心とした高値圏でのレンジ相場が中心シナリオですが、テクニカル面では上値の重さが意識される点に注意が必要です。最大の注目材料は30日のECB理事会です。市場では政策金利の据え置きが有力視される一方、中東情勢を背景とした原油高がインフレ見通しにどこまで影響するか、ラガルド総裁がどの程度タカ派的な姿勢を残すかが焦点となります。景気減速懸念もあるため一方的なユーロ買いにはなりにくいものの、ECBが将来の利上げ余地を排除しなければ、ユーロ円の下値を支える材料になりそうです。
また、日本側では日銀が展望レポートや植田総裁会見で6月以降の利上げ余地をどの程度残すかが焦点となりますが、日欧の金利差を踏まえると依然としてユーロ有利の状況に変わりはありません。主要国で金融政策会合があるため、それらの結果によっては荒い値動きとなる局面も想定されますが、基本的にはユーロ円は底堅い展開が続きそうです。
■ポンドの見通し
来週のポンド円は、日本側で日銀の政策正常化が慎重に進むとの見方が残る一方、英国ではインフレ圧力の再燃を受け、BOEの利下げ観測は後退し、利上げの可能性を意識する市場参加者も出ています。こうした動きはポンドのサポート材料となりそうです。ただし、4月30日のBOE会合では、政策金利そのものよりも、声明や金融政策報告書でインフレ警戒をどこまで強めるかが焦点です。加えて、5月7日の地方選挙に向けて労働党への支持低下が意識される場合、政権運営への不透明感がポンドの上値を抑える可能性があります。
ユーロ円・ポンド円のテクニカル分析と来週の戦略:短期的には戻り売り目線か
■ユーロ円:188円台は戻り売りの候補
ユーロ円は中期上昇トレンドを維持しつつ、短期はピークアウトして調整局面にあります。187.945円を高値に反落し、10日線割れやMACDのデッドクロスなど、短期は下押し圧力が優勢です。
下値は185.00〜185.50円が最初のサポートで、さらに下落すれば50日線の184.30円がその次の押し目候補となります。一方、戻りは188円から上のレベルがしばらく上値抵抗帯となりやすく、短期の戻り売りポイントとなります。
総じて、短期は戻り売り、中期は押し目買いを狙う局面です。
■ポンド円:214.00~214.50円が最初の反発判断ポイント
ポンド円は中長期の上昇トレンドを維持しつつも、短期的には上昇の勢いが鈍り、高値圏での調整局面に入っています。215.902円を高値に上値を切り下げ、現在は10日移動平均線をわずかに下回るなど、短期の買い優勢が後退しています。MACDでもモメンタムのピークアウトが見られ、デッドクロス接近が示すように、目先はもう一段の調整に注意が必要です。
下値では214.00〜214.50円が最初のサポートとなり、さらに下落する場合は213.50円、そして中長期トレンドを支える重要水準である212円前後(50日線付近)が押し目買いの有力ポイントとなります。一方、戻りは215.17円(10日線)が最初の抵抗で、ここを回復できるかが再上昇のカギとなります。
【ユーロ円チャート 日足】

予想レンジ:EUR/JPY:184.00-189.00
【ポンド円チャート 日足】

予想レンジ:GBP/JPY:212.50-218.50
2026年4月27日~5月1日の重要経済指標・イベントスケジュール
4/28(火)
- 未定 日本 日銀政策金利・日銀展望レポート発表
- 8:30 日本 3月失業率
- 15:30 日本 植田和男日銀総裁 定例記者会見
- 23:00 アメリカ 4月消費者信頼感指数 コンファレンス・ボード
4/29(水)
- 21:30 アメリカ 3月耐久財受注
- 27:00 アメリカ 米連邦公開市場委員会(FOMC) 政策金利発表
- 27:30 アメリカ パウエルFRB議長 定例記者会見
4/30(木)
- 14:00 日本 3月新設住宅着工戸数
- 17:00 ドイツ 1-3月期国内総生産(GDP)速報値
- 18:00 ユーロ 1-3月期四半期域内総生産(GDP)速報値
- 18:00 ユーロ 4月消費者物価指数(HICP)速報値
- 20:00 イギリス イングランド銀行(BOE)金利発表
- 20:00 イギリス 英中銀金融政策委員会 MPC議事要旨
- 21:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
- 21:30 アメリカ 3月個人所得
- 21:30 アメリカ 3月個人消費支出(PCE)
- 21:30 アメリカ 3月個人消費支出 PCEデフレーター
- 21:30 アメリカ 1-3月期雇用コスト指数
- 21:30 アメリカ 1-3月期実質GDP速報値
- 21:30 アメリカ 1-3月期GDP個人消費 速報値
- 21:30 アメリカ 1-3月期コアPCE 速報値
- 21:30 アメリカ 前週分新規失業保険申請件数
- 21:45 ユーロ ラガルドECB総裁 定例記者会見
5/1(金)
- 8:30 日本 4月東京都区部消費者物価指数
- 17:30 イギリス 4月製造業PMI 改定値
- 22:45 アメリカ 4月製造業PMI 改定値
- 23:00 アメリカ 4月ISM製造業景況指数
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小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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