
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2026年4月3日 16時30分
ユーロ円・ポンド円はレンジプレイが継続
ユーロ円・ポンド円は方向性が見極めにくい展開でした。独自材料が限られる中で、イランを巡りトランプ大統領の発言が二転三転したことで、ドルや円が方向性を見失う格好となり、その動きがユーロ円やポンド円の動意を鈍くしました。ユーロ円は182.592円~184.495円、ポンド円は209.622円~212.526円と限られたレンジで推移しました。ユーロ円・ポンド円は依然として狭いレンジ内での推移が続いており、地政学リスクと介入警戒が上値を抑える構図が鮮明です。
(各レート水準は執筆時点のもの)
クロス円は金利差と地政学リスクが変動要因
■ユーロの見通し
ユーロ円は、ユーロの対ドルでの軟調さと円の独自要因が重なり、方向感がつかみにくい状況です。リスクオフ局面でドルが選好されやすいため、全体としてユーロは対ドルで上値が重くなりやすいです。
一方で円は、160円台での円買い介入警戒や、4月の日銀会合に向けた追加利上げ観測が強まっており、円高方向に振れやすい要因が多くあります。さらに、米国の政治・外交日程が5〜7月に集中するため、これら要因が意識されやすい点も、リスク回避の円買いを誘いやすいとみています。
こうした背景が同時に作用することで、ユーロ円は不確実性の高い相場になっていますが、これら材料がネガティブな方向にそろって動けば、ユーロ円の調整幅が広がるリスクもあります。
■ポンドの見通し
4月6日週のポンドは、底堅さはあるものの上値は限られ、対ドル・対ユーロともに方向感が出にくい展開が続きそうです。英国はエネルギー輸入国で原油高が重しとなる一方、相対的に高い金利が下支えとなり、強弱が入り混じる地合いです。一部では、米国の関税政策の影響がユーロ圏より相対的に小さいとの見方もポンドの支えになりますが、原油高が成長ペースを抑制するとの見方もくすぶるなど、エネルギー価格上昇の受け止め方には両面があります。
加えて、日本もエネルギー輸入国であり、円にも無視できない影響を与えます。こうした円の動向が加わることで相場はさらに複雑となり、結果的にポンド円は振幅が広がりながらも、大きくレンジを抜けて一方向に進む状況にはないように見受けられます。
ユーロ円・ポンド円のテクニカル分析:185円・214円の攻防と戦略
■ユーロ円:185〜186円を試す展開か
ユーロ円は、100日移動平均線(183.00)が右肩上がりを維持していることから長期的な上昇トレンドが続いています。直近では10日移動平均線を明確に上抜け、同線がサポートとして機能し始めているため、短期調整を終えて再び上昇基調が強まりつつあります。RSIも50を上回る水準で推移しており、買い優勢の流れが戻ってきていることが示唆されます。
戦略的には、184.50〜184.60のレジスタンス帯を上抜ければ3月高値(185〜186円台)を目指す上昇波が再開する可能性が高く、一方で10日移動平均線を割り込む場合は再び調整入りとなり、100日移動平均線や181.00円付近までの下押しに注意が必要となります。
■ポンド円:209円と214円の狭間で揺れる
ポンド円は、100日移動平均線が右肩上がりを維持していることから長期的な上昇トレンドが継続しています。一方で、直近高値を付けた後に10日移動平均線を下抜け、同線も下向きに転じているため、短期的には調整局面にあると判断できます。RSIも50前後の中立圏で推移しており、上昇の勢いが一服している状況です。
戦略的には、10日移動平均線を明確に上抜ければ押し目完了の可能性が高まり、逆に100日移動平均線を割り込む場合は調整が深まるリスクに注意が必要となります。
【ユーロ円チャート 日足】

予想レンジ:EUR/JPY:181.000-186.000
【ポンド円チャート 日足】

予想レンジ:GBP/JPY:209.000-214.000
2026年4月6日~4月10日の重要経済指標・イベントスケジュール
4/6(月)
- イースターマンデーで、欧州・英国の株式市場は休場
- 日銀支店長会議
- 23:00 アメリカ:3月ISM非製造業景況指数
4/7(火)
- 17:00 ユーロ:3月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
- 17:30 イギリス:3月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
- 21:30 アメリカ:2月耐久財受注
- 翌1:35 アメリカ:シカゴ連銀総裁、発言
4/8(水)
- 6:50 アメリカ:ジェファーソンFRB副議長
- 8:30 日本:2月毎月勤労統計調査
- 14:00 日本:3月景気ウォッチャー調査
- 15:00 ドイツ:2月製造業新規受注
- 18:00 ユーロ:2月小売売上高
- 18:00 ユーロ:2月卸売物価指数(PPI)
- 翌3:00 アメリカ:FOMC議事要旨
4/9(木)
- 8:50 日本:対外対内証券売買契約等の状況
- 15:00 ドイツ:2月鉱工業生産
- 15:00 ドイツ:2月貿易収支
- 21:30 アメリカ:10-12月期GDP(確定値)
- 21:30 アメリカ:10-12月期GDP個人消費・確定値
- 21:30 アメリカ:10-12月期コアPCE・確定値
- 21:30 アメリカ:2月個人消費支出(PCE)
- 21:30 アメリカ:新規失業保険申請件数
- 23:00 アメリカ:2月卸売売上高(前月比)
4/10(金)
- 8:50 日本:3月国内企業物価指数
- 15:00 ドイツ:3月消費者物価指数(CPI、改定値)
- 21:30 アメリカ:3月消費者物価指数(CPI)
- 23:00 アメリカ:2月製造業新規受注(前月比)
- 23:00 アメリカ:4月ミシガン大学消費者態度指数・速報値
一言コメント
海外勢はイースター休暇でお休みムードですが、週末のイランの行動には注意が必要と考えます。
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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