
作成日:2026年4月20日 13時30分
今週のドル円レンジ予想:158.00円~161.50円
ドル円は160円を試すのか、それとも反落か...。重要な変動要因である、米イラン停戦期限、原油価格、金利動向、日銀会合、介入リスクを踏まえて、今週のドル円見通しを解説します。
中東情勢とドル円の反応
今週、2026年4月20日週のドル円相場は、先週末から週明けにかけての中東情勢の急変を受け、神経質な動きで始まりました。
先週末には、イランが停戦期間中にホルムズ海峡を商業船舶に開放すると表明し、中東リスクはいったん後退しました。これを受けて原油価格は大きく下落し、有事のドル買いにも巻き戻しが入り、ドル円も一時157円台半ばまで下落しました。
しかし週明けにかけては、米国によるイラン貨物船の拿捕や、米国・イラン双方による停戦違反の非難が伝わり、原油価格は反発しました。ブレント原油は96ドル台、WTIは90ドル台まで上昇し、米インフレ懸念と米長期金利の高止まりが意識され、ドル円も158円台後半から159円前半へ戻す場面もありました。
市場では、米国時間4月21日(日本時間22日ごろ)に意識される停戦期限を前に、原油価格、米金利、ドル円が短期的なニュースに反応しやすい状態です。
ドル円が動く理由(ファンダメンタルズ)
ドル円が上方向を目指すシナリオとしては、米国とイランの協議が難航し、ホルムズ海峡を巡る緊張が再び高まる場合です。原油価格が上昇すれば、米インフレ再燃への警戒が強まり、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ期待は後退しやすくなります。その結果、米長期金利が下がりにくくなり、ドル円は160円台を試す可能性があります。
ただし、160円台では介入警戒が一段と強まります。実際に介入がなくても、市場参加者が日本当局の動きを意識すれば、買いは慎重になります。そのため、160円台に乗せた場合も、終値で維持できるかどうかが次に重要です。
一方、ドル円に下向き圧力がかかりやすいのは、停戦延長、和平合意の進展、ホルムズ海峡の航行正常化が確認される場合で、原油価格が下落し、米インフレ懸念が和らげば、有事のドル買いが巻き戻される可能性があります。これに21日の米小売売上高や23日の米PMI(購買担当者景気指数)の弱さ、米長期金利の低下が重なれば、ドル円は157円台方向へ下押しされる可能性があります。
したがって今週は、「ドル高継続」または「円高反転」と一方向に決め打ちするより、中東情勢の悪化なら160円台方向、緊張緩和なら157円台方向という、ニュース主導のレンジ相場として見るのが妥当なようです。
ホルムズ海峡をめぐる米国とイランの4月以降の動向
今週最大の材料は、米国とイランを巡る中東情勢です。4月7日に米国とイランは2週間の停戦で合意したと報じられており、その条件の一つとして、イランがホルムズ海峡を通じた石油・ガス輸送の封鎖を停止することが含まれていました。
その後、情勢は安定していません。4月17日には、イラン外相が停戦中はホルムズ海峡を商業船舶に開放すると表明し、いったん緊張緩和が意識されました。しかし週明けにかけては、米国によるイラン貨物船の拿捕や停戦違反を巡る双方の非難が報じられ、ホルムズ海峡を巡る不透明感が再び強まりました。
米経済指標とドル円
米小売売上高とPMI
今週発表される米経済指標では、まず米3月小売売上高が注目されます。結果が強ければ、米個人消費の底堅さが確認され、FRBの利下げ期待は後退しやすくなります。その場合、米金利の高止まりを通じてドル円の支えになります。一方、弱い結果となれば、米景気減速への警戒が強まり、米金利低下とともにドル円の下押し材料になり得ます。
続いて、4月米PMI速報値も重要です。今回は景気の強さだけでなく、中東情勢による原油高が企業のコストや販売価格にどの程度影響しているかも焦点です。PMIが強ければ、景気の底堅さとインフレ圧力が意識され、ドル円を支えやすくなります。反対に弱ければ、利下げ期待の再燃を通じてドル円には下押し圧力がかかる可能性があります。
日銀会合をめぐり注目集まるCPI
日本側では、4月24日の日本3月全国消費者物価指数(CPI)が注目されます。物価が想定以上に強ければ、来週の日銀会合を前に追加利上げ期待を支え、円買い材料になり得ます。一方、物価の鈍化が確認されれば、日銀が利上げに慎重になるとの見方から、円売りが続きやすくなります。
投機筋ポジションとドル円の方向性

市場心理はかなり神経質です。今週は、米国とイランの和平合意の行方が最大の焦点で、停戦期限や原油価格の動き次第では、ドル円が短時間で上下に振れやすい状態です。
また、2026年4月14日現在、円買いポジションは前週比で +10,554 枚となり、円売りポジションは前週比で +20 枚となった。これに伴い、投機筋ポジションの売り越しは前週比で -10,534 枚となっている。
※NETポジションとは:買いポジションと売りポジションの差のこと
※米ドル/円レートは該当週の終値になります。
ドル円テクニカル分析と売買戦略 159円台回復なら160円方向、157.60円割れなら下値リスク

ドル円の日足チャートでは、足元の価格が158円台後半にあり、10日移動平均線の159.03円付近をやや下回っています。一方で、50日移動平均線の157.66円付近は維持しており、短期的には上値が重いものの、中期的な上昇基調が完全に崩れたとは言い切れません。
RSIは、9日が47.2、14日が50.3です。どちらも買われすぎ、売られすぎを示す水準ではありません。ただし、9日RSIが50を下回っているため、短期の勢いはやや弱まっています。現在は強い流れを追うより、157円台後半〜160円台前半のレンジを前提に、節目で売買を分ける局面です。
買い目線
まず159.03円の10日移動平均線を終値で回復できるかが分岐点になります。159円台を回復し、159.50円を上抜けるようなら、160.00円、さらに160.40〜160.50円方向への上昇余地があります。ただし160円台では介入警戒が強まりやすいため、買いで入る場合も利益確定は早めに意識したい水準です。
押し目買い
158.00円前後、または50日移動平均線が位置する157.60〜157.70円台で下げ止まりを確認できる場合に検討しやすいです。反対に、157.60円を終値で明確に割り込む場合は、中期の上昇基調が弱まり、157円前半から156円台への下押しリスクが高まります。
売り目線
160.00〜160.50円が戻り売りを検討しやすい価格帯です。この水準は上値抵抗であると同時に、為替介入への警戒感が強まりやすいゾーンです。ただし、中東情勢の悪化で原油高・米金利上昇が重なれば、160円台を一時的に上抜ける可能性もあります。そのため、売りで入る場合は、160.60円超え、または161円接近を撤退目安として見ておきたいところです。
今週は159円台回復なら160円方向、157.60円割れなら下値リスク拡大という分岐で見る局面と考えますが、停戦期限や中東関連のニュースで急変しやすいため、通常よりポジションを軽くし、終値確認、損切り明確化、早めの利確を重視したい相場です。
今後の重要イベント・経済指標
- 4月21日(火)21:30 米3月小売売上高
- 4月21日(火)23:00 FRB次期議長候補ケビン・ウォーシュ氏の承認公聴会
- 4月21日(日本時間22日ごろ)米国・イラン停戦期限
- 4月23日(木)22:45 米4月PMI速報値
- 4月24日(金)8:30 日本3月全国CPI
- 4月27日(月)〜28日(火)日銀金融政策決定会合
- 4月28日(火)〜29日(水)FOMC(米連邦公開市場委員会)
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