
執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2025年12月26日 15時50分
日米の見通しが相場材料に、ドル円は156円前後で次の方向を探る展開
米ドル/円、介入警戒で上値は重い
米ドル/円は、上値の重い動きとなりました。19日に続き、片山財務相が「足元の円安はファンダメンタルズに合わない投機的な動き」と発言し、さらに「為替介入を含む行動は日米財務相間の合意事項であり、フリーハンド(自由)で対応できる」と述べたことで、ドル円は157.70円付近から155.65円付近まで下落しました。
その後、7~9月期の米GDPが年率4.3%と強い伸びを示したことで、ドル円は156.54円付近まで反発。しかし、韓国当局がウォン安をけん制する発言を行ったことで、日本の円買い介入も意識され、155.558円まで再び下落しました。
ただ、東京都区部CPIが鈍化したことで「日銀の追加利上げはまだ先」との見方が広がり、ドル円は156.48円付近まで下げ幅を縮小しました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
次期FRB議長指名や弱い経済指標重なれば、ドル円下落も
■年末年始は参加者が減り、相場は神経質に
年末年始は市場参加者が少なくなるため、値動きが荒くなりやすい時期です。今後2週間は、日本の為替介入への警戒と、米国の10~12月期の経済成長を踏まえた「FOMCの追加利下げ時期探り」が相場のテーマとなり、落ち着かない展開が続きそうです。
円安に対しては、片山財務相をはじめとした政府要人が口先介入を続けています。実際の為替介入(実弾介入)はまだ距離があると見られますが、円安が急速に進めば実施される可能性もあり、油断はできません。また、韓国通貨当局の動きも円安に一定の歯止めとなる可能性があります。
■米経済の先行きはやや不透明
10~12月期の米個人消費は底堅く、米経済は全体としては成長が続いていると見られます。しかし、消費者マインドの回復は鈍く、先行きへの不安は残っています。
- 米消費者信頼感指数は5カ月連続で低下
- 労働市場認識格差は2021年2月以来の水準に縮小
(=「仕事がある」と感じる人が減り、「探すのが難しい」と感じる人が増えている)
今後は、ISM非製造業景況指数、ADP民間雇用者数、政府発表の雇用統計などが不安を和らげるかどうかが注目点です。
■指標が弱く、さらに次期FRB議長の指名が重なるとドル安も
米経済への悲観が後退すればドル円は上昇しやすくなりますが、逆に弱い指標が続けば、トランプ大統領による次期FRB議長の指名公表と重なり、ドル安が進む可能性があります。
とはいえ、日本の追加利上げが後ずれするとの見方が強いため、ドル円の下値は限定的と考えられます。
上昇の勢いも限定的だが、下値も堅い(テクニカル分析)
■ 一目均衡表の「雲」がカギ
米ドル円は155円半ばまで下落したものの、その後は下げ渋り、底堅い動きが続いています。
ただし、日足の一目均衡表では「雲の上限」が横ばいで推移する見通しで、短期的には上昇の勢いが強まりにくい状況です。
当面は156.00円を中心に、狭いレンジで上下しながら次の方向を探る展開が想定されます。
【米ドル/円チャート 日足】

出典:外為どっとコム「TradingViewチャート」
予想レンジ:USD/JPY:153.500-158.500
12/29 週のイベント:

1/5 週のイベント:

一言コメント
今年もお世話になりました。良いお年をお迎えください。
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