
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年12月15日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉
目次
▼12日(金)の為替相場
(1):2カ月連続マイナス成長
(2):日銀観測報道
(3):FRB高官発言
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感を探る動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(金)の為替相場

期間:12日(金)午前7時10分~13日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英月次GDP 2カ月連続マイナス成長
英10月国内総生産(GDP)は前月比-0.1%と2カ月連続でマイナス成長となり、市場予想(+0.1%)を下回った。同鉱工業生産は前月比+1.1%だった(予想+1.0%)。また、英10月貿易収支は225.42億ポンドの赤字で、赤字額は予想(191.00億ポンド)より多かった。
(2):日銀観測報道
ブルームバーグは関係者の話として「日本銀行は昨年来の利上げ局面で、政策金利の0.75%超への引き上げを視野に入れている可能性がある」とする観測記事を発表。ただ、通常は政策サイクルの最終的な到達点と位置付けられる中立金利について「現在の1-2.5%の幅に分布しているとの見解に大きな変化はない」とのこと。これより前にはロイター通信も「日銀は、次回会合で中立金利の最新推計値は公表しない見通し」「中立金利の推計値を主要なコミュニケーションツールと位置付けない方針」などと報じていた。
(3):FRB高官発言
来年2026年に米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つことになるポールソン・フィラデルフィア連銀総裁は「インフレ率は来年に低下する可能性が十分ある」とした一方で「労働市場はまずまずだが、下振れリスクは高まっている」との認識を示した。その上で「直近の3会合で計0.75ポイントの利下げを実施したことで、労働市場のさらなる悪化に備える保険をある程度かけたことになる」と語った。その後、やはり来年に投票権を得るハマック・クリーブランド連銀総裁は、これまでに実施した利下げによって政策金利は中立金利に近い水準にあるとした上で「インフレが高止まりしていることに一段と強く対応するために、やや引き締め的なスタンスを取ることが望ましい」との見解を示した。
12日(金)の株・債券・商品市場

ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:方向感を探る動き
12日のドル/円は約0.2%上昇。米長期金利の上昇を支えに156.12円前後まで上値を伸ばす場面も見られたが、ハイテク銘柄中心のナスダック総合指数が大幅に下落したことが上値を抑えた。なお、日銀が18-19日の金融政策決定会合で25bp(0.25%ポイント)の追加利上げを実施する公算との報道が相次いだが、すでに織り込みが進んでいたこともあり反応は限定的だった。日銀の追加利上げを巡っては、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)では約92%まで織り込みが進んでいる。市場の関心は来年以降の利上げペースについてに移っていることから、今週の会合での追加利上げを材料に円買いが進むのは難しいだろう。明日に米11月雇用統計の発表を控えていることもあり、ドル/円は155円台後半から156円台前半を中心に方向感を探る動きとなりそうだ。
注目の経済指標:中国小売売上高

注目のイベント:FRB高官発言
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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