
このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
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中銀のハト派スタンス後退
メキシコ中銀は先週7日、政策金利を25bp(0.25%ポイント)引き下げて7.75%とすることを発表した。ただ、引き下げ幅は前回までの50bpから縮小。大方の予想通りに利下げのペースを緩める格好となった。また、声明で「今後も追加的な政策金利調整を検討していく」としたものの、以前に見られた利下げを具体的に示唆する文言を使用しなかった。市場はこれらについて、「メキシコ中銀のハト派スタンスが後退した」と受け止めた。
なお、メキシコの7月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.51%と2020年12月以来の低い伸びとなったが、農産品やエネルギー価格、政府が管理する公共料金などを除いたコアCPIは4.23%で、依然として中銀のインフレ目標レンジ(2~4%)を上回った。こうした中で中銀は今回、インフレ見通しでコアCPIの年末予測を上方修正(総合CPIは下方修正)した。中銀は、これまで景気重視の大幅利下げを続けてきたが、今後については景気と物価の両睨みで慎重に利下げの是非を判断することになりそうだ。
メキシコペソ/円 週足チャート

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株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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