執筆日時:2025年6月9日 12時59分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
※チャート:ドル/円-5分足 外為どっとコム「ネオチャート」
米5月雇用統計、予想を上回るも鈍化傾向-株高・ドル高・金安の展開
6月6日に発表された米国の5月非農業部門雇用者数(NFP)は、市場予想の13.0万人を上回る13.9万人となりました。
教育・ヘルスケア・娯楽・宿泊業が事前予想を覆し好調だったことが、全体を押し上げました。ただ、4月の14.7万人(速報値の17.7万人から下方修正)から鈍化し、関税の影響を見極めようと雇用主が採用に慎重な姿勢を示す中で、労働市場の勢いの衰えが浮き彫りとなりました。
また、失業率は4.2%と前月から横ばいだったほか、時間給の伸びは0.4%上昇したため、FRBによる利下げ再開はまだ先になるとみられています。
各市場の反応
【為替市場】
米ドル/円は145.087円まで上昇しました。
米雇用統計で雇用者数の伸びが鈍化したものの予想を上回り、賃金の伸びも予想を上回ったため、早期の利下げ観測が後退し、長期金利の上昇に伴うドル買いが強まりました。
【株式市場】
米雇用統計の結果が市場予想を上回ったことを受け、景気減速懸念が後退し、投資家心理が改善しました。また、トランプ米大統領が米中通商交渉の再開を発表したことも株式市場を支えました。
ダウ平均は前日比 1.05%(+443.13) 上昇の 42,762.87、
ナスダック総合は前日比 1.20%(+231.50) 上昇の 19,529.95、
S&P500種は前日比 1.03%(+61.06) 上昇の 6,000.36 で取引を終えました。
【金市場】
米雇用統計を受けて、米長期金利が上昇し、米ドル買いが優勢となった反動で、金は売りが優勢となり、スポット価格は 3,307.18ドル 付近まで下落しました。
また、終値は 3,310ドル 近辺と、前日から 42ドル安い水準で取引を終えました。
※チャート:左上から横に米国S&P500、米国D30、日本N225、金スポット、5分足 外為どっとコム「株価指数・商品CFDチャート」
関連記事
米雇用統計の予想と戦略(先行記事へのリンク)
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。