
このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
メキシコへの送金は年間650億㌦ 日本なら介入上回る21兆円規模
メキシコ中央銀行が先週2日に発表した2024年5月の国内へのドル送金額は、47億6100万ドルにとどまった。前年比で12%の減少となっており、トランプ米政権による不法移民の取り締まり強化が影響したとみられる。5月に米下院を通過した大型法案には、不法移民の母国への国際送金に課税する案が盛り込まれており、同法案が上院を経て成立すればメキシコへのドル送金はさらに減少する可能性がある。
メキシコ人の出稼ぎ労働者によるドル送金は、外国為替市場においてペソ相場を下支えする役割を果たしてきたとされている。それだけに、送金の減少はペソの下落リスクを高める要因となり得るだろう。なお、2024年には、メキシコの国内総生産(GDP)の約3.5%に相当する約650億ドルが海外から送金されており、その大部分は米国からのものだった。このメキシコへの送金規模を日本に置き換えると、約21兆円(約1500億ドル)が米国から国内に送金された計算となる。これは、2024年に財務省が実施した為替介入(約15兆円)を大きく上回る金額だ。ペソ相場に対するドル送金の影響の大きさがうかがえよう。
メキシコペソ/円 週足チャート

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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年から外国為替市場に携わる為替アナリスト。証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社し、ドル/円スポット、資金(デポジット)、金利デリバティブなど国際金融商品の取引仲介業務を担当。2009年7月、外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・金融市場の調査・分析に従事。2011年12月より現職。
30年以上にわたる市場経験をもとに、個人FX投資家向けの相場解説・情報発信を行う。テレビ東京「Newsモーニングサテライト(モーサテ)」への出演をはじめ、NHK、日経CNBC、ストックボイスTV、ニッポン放送など、テレビ・ラジオ・新聞・WEBメディアへの出演・取材・コメント実績多数。

