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6月6日の米国雇用統計の予想と戦略「米雇用は減速傾向が拡大、ドル円140円割れは回避か」2025年6月号-By 外為どっとコム総研 #外為ドキッ

【FX】ドル/円米雇用統計FX売買戦略&金融市場のテーマと展望 (2025年6月6日(金) 12:00~13:00)

もっとも、

雇用統計・ライブ実践リアルトレード(2025年6月6日(金) 21:00~23:00)

 

更新日時:2025年6月9日 12時00分(データを更新)

執筆日時:2025年6月5日 13時30分 

執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

6月6日の米国雇用統計の予想と戦略「米雇用は減速傾向が拡大、ドル円140円割れは回避か」2025年6月号-By 外為どっとコム総研 #外為ドキッ

はじめに-市場はFRBの方向見極め

2025年6月6日(金)、日本時間21時30分に米国で5月分の雇用統計が発表されます。現時点で市場は、FRBが急速な利下げに踏み切るか、それとも慎重に時間をかけて判断するかを見極めようとしています。特に、トランプ関税による企業心理の悪化が、どの程度米経済の下振れリスクに結びつくかが焦点となるでしょう。では振り返りからです。

前回のおさらい-不確実性の影響はまだ見られず

・NFPは減速も市場予想を上回る
・ヘルスケアが雇用を下支え

5月2日に発表された米国4月非農業部門雇用者数(NFP)は、市場予想の13.0万人を上回る17.7万人となりました。

運輸・倉庫業、教育・ヘルスケア分野が雇用増加を支える一方で、小売業は前月比で減少しました。失業率は4.2%と市場予想通りの結果となり、時間給の伸びは0.2%上昇と市場予想(0.3%)を下回りました。

米国の関税政策による影響は現時点では限定的とされていますが、今後の影響を慎重に見極める必要があるとの見方が根強く、市場の反応は慎重でした。

また、3月分のNFPは22.8万人から18.5万人へ下方修正されており、雇用の伸びに対する評価も見直されています。

図表1.分野別新規雇用者数(千人)出所:データ米国労働省
NFP表

市場反応

【為替市場】

米ドル/円は、予想を上回る好調なNFPを受けて144.955円まで上昇しました。しかし、週末を控えたポジション調整の影響で143.718円まで下落。その後、「中国は米国との通商協議開始に向けてフェンタニルに関する提案を検討している」との報道が伝わると、米中関税交渉の進展期待から145.081円まで上昇しました。

【株式市場】

米中対話が進展の兆しを見せたことで、投資家の不安心理が和らぎ、株価を押し上げました。また、底堅い雇用情勢も相場全体を支えました。ダウ平均は前日比1.39%(564.47)上昇し、41317.43で取引を終えました。また、ナスダック総合は前日比1.51%(266.99)上昇し、17977.73、S&P500種は前日比1.47%(82.53)上昇し、5,686.67で取引を終えました。

【金市場】

金相場は、前日の大幅安の反動で買い戻しが優勢となり、一時3,270ドル付近まで上昇しました。しかし、米中通商協議の進展期待により、安全資産としての金への売りが強まり、3,222.91ドル近辺まで下落。その後、押し目買いが入ったため、最終的に3,240ドル付近で取引を終えました。

図表2.前回発表前後のドル円の動き
USDJPY5分足チャート
米ドル/円 5分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

今回の見どころ-米ドル/円、140円割れは回避も上値重い

・労働者の多い5州は全体的にさえない
・企業収益鈍化で採用計画の修正も
・賃金の伸びは力強そう

4月の非農業部門雇用者数(NFP)は、市場予想の13.0万人を大きく上回る17.7万人となりました。関税政策の影響で企業や消費者の心理が悪化する中でも、労働市場がまだ冷え込んでいないことを示しており、米経済の底堅さを裏付けるデータとして評価されています。

しかし、失業保険申請件数やIndeed Job Postings Indexといった高頻度データを見ると、労働市場の軟化が示唆されています。特に、労働者の多い州であるカリフォルニア州・テキサス州・フロリダ州・ニューヨーク州・ペンシルベニア州のIndeed Job Postings IndexはNY州やテキサス州を除いて低下しており、雇用市場の鈍化が進んでいる可能性があります。加えて、企業収益は1-3月期に前の四半期比で2.9%減少しており、企業の体力が削られる中で、今後の採用計画が修正される懸念は高まっています。

図表3.失業保険、Indeed job postings Index、企業収益の推移

失業保険、Indeed job postings Index、企業収益の推移
出所:各種公表データを基に外為総研が作成

また、5日発表されたADP雇用レポートでは、足許、雇用者数を支えていた教育・医療分野が冴えない結果になっているほか、減速や駆け込み需要の一巡から運輸・倉庫業も期待しづらい結果となっており、雇用鈍化は避けられそうにないように考えます。もっとも、賃金の伸びはしっかりしていることから、FRBが様子見姿勢を変える展開にはなりづらいと思われます。こうした点では、米ドル/円は指標発表後、下向きに反応するのではないかと考えますが、FRBが利下げを急がないため米ドル/円も、発射台次第でありますが141.50円付近ではいったん下げ渋るのではないかと、考えています。

図表4.主な分野のADPとNFPの推移

主な分野のADPとNFPの推移
単位:人
出所:各種公表データを基に外為総研が作成

図表5.ドル円チャート

USDJPY日足チャート
米ドル/円 4時間足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

付随データ

図表6.[雇用統計の実績と予想]

年月 非農業雇用者数変化(万人) 失業率(%)
予想値 初回結果 予想値 初回結果
2025年05 13.0 13.9 4.2 4.2
2025年04月 13.0 17.7 4.2 4.2
2025年03月 14.0 22.8 4.1 4.2
2025年02月 16.0 15.1 4.0 4.1
2025年01月 17.0 14.3 4.1 4.0
2024年12月 16.0 25.6 4.2 4.1

 

年月 平均時給/前月比(%) 労働参加率(%)
予想値 初回結果 初回結果
2025年05月 0.3 0.4 62.4
2025年04月 0.3 0.2 62.6
2025年03月 0.3 0.3 62.5
2025年02月 0.3 0.3 62.4
2025年01月 0.3 0.5 62.6
2024年12月 0.3 0.4 62.5

 

◇関連の経済データ実績

年月 ISM製造業雇用指数 ISM非製造業雇用指数
2025年05 46.8 50.7
2025年04 46.5 49.0
2025年03月 44.7 46.2
2025年02月 47.6 53.9
2025年01月 50.3 52.3
2024年12月 45.4 51.4

出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー

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