
執筆:外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村 勉
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今週の振り返り
今週の豪ドル/円は103.48円前後、ニュージーランド(NZ)ドル/円は90.23円前後で週初を迎えました。15日に発表された中国小売売上高が約3年ぶりの低い伸びとなったことで、中国と交易関係の強い豪ドルやNZドルに売り圧力がかかったほか、18-19日に控えた日銀金融政策決定会合での追加利上げへの期待で円買いが優勢となったことで豪ドル/円は102.32円前後まで、NZドル/円は89.22円前後まで下落する場面も見られました。ただ、18日に発表されたNZ7-9月期国内総生産(GDP・前期比)が市場予想を上回る強い伸びとなったことや、日銀はさらなる追加利上げに対して強いメッセージを発せないだろうとの見方もあり、豪ドル/円、NZドル/円ともに反発しています(執筆時)。
RBAの利上げへの距離感は?
来週は25日がクリスマスで、欧米のほとんどの主要国が祝日休場。26日も英国連邦加盟国やユーロ圏は祝日となります。そのため、週央にかけて徐々に市場参加者が減少していくことが予想されます。クリスマス休暇を前に、積極的な取引は控えられることが予想されます。
そうした中で、23日には9日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会の議事録が公表されます。この会合でRBAは政策金利を据え置いたほか、ブロックRBA総裁は「利下げの見通しが当面存在しない」との考えを示すとともに、「長期にわたる金利据え置きか、利上げがあり得るか」と語り、RBAが利上げに向けて検討を始めていることを示唆しました。RBA議事録では利上げへの距離感を測ることになりそうです。
その他では、米政府機関閉鎖の影響で10月発表予定だった米7-9月期GDP・速報値が23日に発表されます。休暇前ということで、反応は限定的と予想されます。ただし、市場参加者が少ないため予想とかけ離れた結果となった場合には普段より大きく反応することも有り得ますので注意が必要です。
豪ドル/円のテクニカル分析
豪ドル/円は、日足一目均衡表の基準線と転換線の間での値動きが続いています。引き続きこれらの線がサポート、レジスタンスとして意識されそうです。基準線を下抜けた場合は、12月1日安値の101.50円前後が次の下値目途として意識されそうです。一方、転換線を上抜けた場合、12月9日高値(年初来高値)の104.39円前後が次の上値目途となります。その上の水準では2024年7月22日高値の105.42円前後が次のレジスタンスとして意識されそうです。
【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

予想レンジ:AUD/JPY:101.500-105.000、NZD/JPY:88.000-92.000
12/22週のイベント:
12/23 (火) 09:30 豪 豪準備銀行(RBA)、金融政策会合議事要旨公表
一言コメント:
今年もクリスマスが近付いてきました。我が家の子供たちはいまだにサンタさんを信じている(フリをしている?)ようで、今年も欲しいおもちゃを手紙に書いていました。そろそろ大きなおもちゃは勘弁してほしいのですが…
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外為どっとコム総合研究所 情報企画部 為替アナリスト中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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