トランプ発言で相場混乱!それでもドル高は続く【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2025/6/5
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
動画要約・まとめ
背景と期待
- 7月9日に相互関税の猶予期間が終了予定
- 6月中に各国との協議が進み、合意内容が発表されると期待されていた
- アメリカのベッセント財務長官も良い提案が出てきており、合意が次々に出るとの見通しを発表
- 市場では安心感の広がり、株価上昇、ドル高・円安を想定していた
トランプ大統領の予想外の発言
- 先週末、トランプ大統領が米国スチール(日本製鉄が買収提案中)を訪問
- 労働者集会で演説し、鉄鋼・アルミニウムに追加関税をかけて50%にすると発言
- 関税撤廃・軽減を期待していた市場には予想外の関税引き上げ発言
市場への影響
- 失望感が広がり、先行き不透明感が強まる
- 相場が崩れ、ドル円は142円台まで下落
今後の見通し
- 中国との交渉は習近平国家主席がタフで難航している模様
- 韓国、インドとの交渉は進展している様子
- 日本も赤澤大臣がアメリカで交渉中
- 合意ニュースが出ればドル高になる可能性
- 良いニュースと悪いニュースが交互に出る展開を予想
投資戦略
- ドル安トレンドになるとは考えていない
- 良いニュースでドル上昇、トランプ発言でドル下落という展開の繰り返しを想定
- ドル円140円台~146円台のレンジを意識して機動的に対応
結論
トランプ大統領の予想外の関税引き上げ発言により市場に失望感が広がったが、各国との交渉進展により合意ニュースも期待できるため、今後は好材料と悪材料が交互に出る不安定な相場展開が続くと予想される。ドル円140-146円のレンジ内での機動的な対応が必要。
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今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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