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今週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「RBAは利上げ?据え置きか?予想が割れる 気になるデータも…」ハロンズ FX 2023/7/30

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

RBAは利上げ?据え置きか?予想が割れる 気になるデータも…

先週の振り返り

先週の豪ドル/円は95.41円前後で、NZドル/円は87.44円前後で週初を迎えました。
週初は中国の景気支援策が近く発表されるとの期待が豪ドル/円、NZドル/円の下値を支えました。しかし26日に発表された豪4-6月期消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化を示したことで、翌週に控えた豪準備銀行(RBA)理事会での追加利上げ期待が後退したこと、27日深夜には翌日に控えた日銀金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の修正が議論されるとの報道を受けて円が全面高となったことなどから、豪ドル/円は92.97円前後まで、NZドル/円は85.69円前後まで下落する場面も見られました。(執筆時)。

CPIは低下したが、RBAは再利上げ?

今週は8月1日(火)にRBA理事会が開催され、金融政策が発表されます。RBAは前回(7月)の理事会では直前に発表された5月の月次CPIが+5.6%で4月の+6.8%から大幅に低下していたことから利上げを見送りました。※表1参照

【表1 豪CPIの推移】



前述しましたが、先週7月26日に豪4‐6月期CPIと6月月次CPIが発表されました。結果は4‐6月期CPIは前年比+6.0%で、前回(+7.0%)や予想(+6.2%)を下回りました。6月月次CPIも+5.2%となり前回(+5.4%)から低下を示していました。CPIは四半期、月次ともに低下を示していることから、今回もRBAは政策金利を据え置くとの見方が優勢となっています。ただし1つ気になる点が、4‐6月期CPIの内訳をみると、財インフレが低下を示した一方で、サービスインフレは上昇していたことです。(※表2参照)

【表2 豪州の財とサービスインフレの推移】



財インフレは「物価の変化」です。新型コロナに端を発するサプライチェーン(物流)の混乱や、ロシアのウクライナ侵攻などの影響から原油をはじめとした資源価格の上昇がひと段落し落ち着いてきたことなどから、物の価格は低下傾向にあります。一方で、サービスインフレは「レストランでの食事や家賃、保険などの様々なサービス分野の価格の変化」です。働き手不足や家賃の高騰などの影響からサービスインフレの上昇は止まっておらず、サービスインフレだけで見ると2001年1‐3月期以来の高水準を記録しています。つまり、現在のインフレ低下は原油をはじめとした物の価格が低下したためということです。最近のニュースを見ると、サウジアラビアは7月から原油の生産量を自主減産しており、原油価格は反発基調にあります。小麦などの穀物価格は、ロシアが黒海穀物同意の延長を拒否したことから供給不安が台頭しつつあります。これらが原因となりCRB指数(複数のコモディティ価格を指数化した国際商品指数)は6月末から上昇傾向にあります。商品価格が再び上昇傾向にあるということは、財インフレの低下が一転上昇に転じる可能性が出てきたということになります。そのため、「RBAが今回の理事会で先手を打って再び利上げを行うのではないか?」との見方も一部で浮上してきています。執筆時時点(7月28日午後)のエコノミスト予想では0.25%利上げが優勢となっていますが、短期金利市場では利上げをほとんど織り込んでいません。市場でも予想が割れていることから今回のRBA理事会の決定により、豪ドル相場が荒れる可能性が十分あるため警戒をしておく必要があるでしょう。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は日足一目均衡表・雲の下抜けを伺う展開になっています。仮に7月28日の終値で雲を下抜けた場合は、①転換線が基準線の下、②遅行線がローソク足の下、③ローソク足が雲の下となり、三役逆転が発生します。その場合には200日移動平均線(青点線)がとりあえずの下値目途となりそうです。200日移動平均線を明確に下抜けた場合にはさらに豪ドル売りが加速する可能性がありますので要注意となります。上値は雲の上限が一先ずの目途となりますが、現時点ではそれほど強いレジスタンスとはなっていません。早期に雲の上抜けに成功出来れば、先週高値の95.86円前後が目途として意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、200日移動平均線】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:90.50-96.00、NZD/JPY:83.50-87.00

7/31 週のイベント:

07/31 (月) 10:30 中国 7月製造業購買担当者景気指数(PMI)
08/01 (火) 07:45 NZ 6月住宅建設許可件数
08/01 (火) 10:30 豪 6月住宅建設許可件数
08/01 (火) 10:45 中国 7月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
08/01 (火) 13:30 豪 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表
08/02 (水) 07:45 NZ 4-6月期四半期就業者数増減
08/02 (水) 07:45 NZ 4-6月期四半期失業率
08/03 (木) 10:30 豪 6月貿易収支
08/03 (木) 10:45 中国 7月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)
08/04 (金) 10:30 豪 豪準備銀行(RBA)、四半期金融政策報告

一言コメント:

先日、息子と一緒に夜の公園へ散歩に行きました(運動不足解消のため)。するといつもは子供たちでいっぱいの遊具に誰もいなくて一人で目いっぱい遊べるということに息子は気付いてしまいました。以来、私の散歩にちょくちょく付いてくるようになりました(私は本当はジョギングしたい…)。そして、遊具で遊びたいので私と走る距離がどんどん短くなっています。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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