執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
カナダドル/円(週足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・円買い介入警戒感が上値抑制
・ドル/円の上昇が下支え
・カナダ4月GDP予想下回る
・高値更新ならずも下値限定
「足元のカナダドル/円は高止まりの展開」
29日には本邦当局による市場介入への警戒感から円買いが優勢となり108.60円台に弱含みましたが、翌30日にはドル/円が7カ月ぶりに145円台にワンタッチした動きにつれて109.42円前後まで反発。しかし、この日はカナダ4月国内総生産(GDP)が予想を下回ったことなどから再び108.70円台へと反落するなど、方向感が定まらない値動きとなりました。その後も、6月27日に付けた昨年10月以来の高値である109.50円前後に近付くと伸び悩む一方で、108円台後半に差し込むと下げ渋る動きが続いており、5日の東京市場(本稿執筆時点)では109円台前半で推移しています。
「目先のカナダドル/円の注目ポイントはカナダ雇用統計」
7日にカナダ6月雇用統計が発表されます。同日同時刻に発表される米6月雇用統計の陰に隠れがちですが、翌週12日に金融政策決定会合を開催するカナダ中銀の追加利上げを巡る判断に影響を及ぼす可能性があるため要注目です。市場予想は新規雇用者数2.00万人増、失業率5.3%で、新規雇用者数は前月の1.73万人減から増加に転じる見込みの一方、失業率は前月の5.2%から悪化すると見られています。その他、時間当たり賃金は前年比+4.6%に伸びが鈍化する見通しです(前月+5.1%)。カナダ/円相場が足元のレンジである108.60-109.50円前後をブレイクするきっかけとなるか注目しましょう。
当面のカナダドル/円の見通し
予想レンジ
107.750円~110.250円
基調
方向感模索
来週までの注目ポイント
・7/7 ☆カナダ6月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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