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今週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪雇用統計は予想以上の強さ!7月は連続利上げか?」ハロンズ FX 2023/6/18

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪雇用統計は予想以上の強さ!7月は連続利上げか?

先週の振り返り

先週の豪ドル/円は93.87円前後、NZドル/円は85.32円前後で週初を迎えました。市場が7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げをほぼ織り込む中、「日銀が6月の金融政策決定会合での金融緩和策修正の可能性がほぼない」との見方から、円売りの流れが続きました。豪ドル/円は、15日に発表された豪5月雇用統計が市場予想を上回る強い結果だったことや、中国人民銀行による利下げの影響から中国経済が回復へ向かうとの期待が浮上したことなどもあり96.73円前後まで上値を伸ばしました。これで豪ドル/円は、6月1日から11連騰となりました(6月15日NYクローズ時点)。
NZは15日に発表されたNZ1-3月期国内総生産が前期比-0.1%となりました。これでNZは2期連続のマイナス成長となったため、定義的にはリセッション入りとなりました。しかし、円売りの勢いからニュージーランドの経済指標が弱いにも関わらず、NZドル/円は87円台半ばまで上値を伸ばしました。

豪労働市場が強すぎる!

15日に豪5月雇用統計が発表されました。
【豪5月雇用統計 予想と結果】

雇用者数は前月から7.59万人増加し、失業率は3.6%へ低下(前月、3.7%)、労働参加率は過去最高となる66.9%まで上昇しました。4月の豪雇用統計では雇用者数が減少に転じていました。市場では「豪労働市場のひっ迫緩和が示唆された」との見方が優勢でしたが、「4月は雇用統計の集計週がイースター休暇と重なった影響が出た可能性」と言う筆者の見方を裏付ける結果になりました。それにしても、豪州の労働市場は強すぎます。雇用者数変化の内容を見ても、5月は正規雇用者数が大幅に増加しています。これは平均賃金の上昇を示唆するものです。労働市場が強いということは、インフレが下支えされることを示唆するものになります。豪準備銀行(RBA)はインフレが高水準で定着することへの警戒感を示していました。7月のRBA理事会での政策決定には、豪5月消費者物価指数(CPI、6月28日発表)の結果次第によるところも大きいですが、豪雇用統計の結果を見る限り、7月の追加利上げの可能性が若干高まっています。

RBA議事要旨からRBAのタカ派度を読み解く

6月の会合でRBAは0.25%の利上げを実施しました。この利上げは市場の予想外でした。声明では「インフレ率が依然として高すぎる」、「高水準のインフレが定着することを回避したい」など表明し、インフレへの警戒感を示しました。今週は20日にRBA金融政策会合議事要旨(6月6日開催分)が公表されます。市場はRBAの警戒度の強さを議事要旨から読み取ることになります。前述の通り、15日に発表された豪雇用統計が非常に強い結果となりました。市場は「豪5月CPIの結果を見てRBAは7月利上げの最終判断を下す」との見方が優勢となっています。RBA議事要旨が市場が思っている以上にタカ派的な内容となっていた場合は、7月利上げの可能性が高まりそうです。

中国経済回復の期待が浮上

豪ドルは6月に入り、それまでの弱気な見通しから急反発しています。この要因の一つは中国の景気回復期待になります。 民間企業のCaixinが発表した5月製造業購買担当者景気指数(PMI)及び5月サービス業PMIが市場予想を上回っていました。特に製造業PMIが好不況の境目となる50.0を上回る結果(50.9)だったことが中国と交易関係が強い豪ドルに対してポジティブに作用しました。そして、15日には中国人民銀行が1年物中期貸出制度(MLF)の利下げを発表しました。 今週20日には「実質的な政策金利」と呼ばれる、中国ローンプライムレート(LPR)が公表されます。市場はLPRも利下げされるとの見方が優勢となっています。金融引き締めの緩和となれば、景気が下支えされるとの期待が膨らみます。中国経済の回復期待が豪ドルへの一定の支えとなりそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円の週足・一目均衡表を見ると、6/9の終値が93.94円前後となり、①転換線が基準線の上、②遅行線がローソク足の上、③ローソク足が雲を上抜け、の「三役好転」の買いシグナルが点灯しました。また、週足の移動平均(MA)を見ると13MAが26MAを上抜けるゴールデンクロスの発生がほぼ確実となっています(16日の終値が91円台半ばまで下がらなければ)。基本的な買い目線は維持となりそうです。
目先の上値目途は昨年9/11高値の98.79円前後となります。ここをしっかりと上抜けた場合は、節目となる100.00円が次の目途となりそうです。
一方で下値目途ですが、日足一目均衡表・転換線、その下の水準では6/6に上抜けるまでは上値目途として意識されていた93.00円前後が下値目途(サポート)になりそうです。

【豪ドル/円 週足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:94.00-99.00、NZD/JPY:85.00-89.00

6/19 週のイベント:

06/20 (火) 10:30 豪 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
06/22 (木) 07:45 NZ 5月貿易収支
6/22-23 中国 端午節で祝日休場

一言コメント:

先日、子供を連れて潮干狩りへ行ってきました。子供は、水際で遊んで、砂を掘って、貝を探してとかなり楽しんでいた模様。取れた貝は、酒蒸し、炊き込みご飯、みそ汁などなど美味しくいただきました。

 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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