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今週の為替予想(ポンド/円 ユーロ/円) 「次の上値めどは?利上げ継続期待で対円での上昇幅拡大」ハロンズ FX 2023/6/18

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2023年6月16日 17時00分

次の上値めどは?利上げ継続期待で対円での上昇幅拡大

6月12日週のユーロ/円とポンド/円は記録的な高水準へ上昇

日米の金利差拡大観測、中国の金融緩和による景気の下支え期待、英国やユーロ圏の利上げ継続観測が支えとなって、ユーロ/円は2008年9月以来の154.669円、ポンド/円は2015年12月以来の180.859円まで上伸しました。(各レート水準は執筆時点のもの)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

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外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が、平日21時より配信するFXライブ番組

FX ライブ配信、「次」だけでなく「次の次」も利上げ、ドル高警戒マーケット (2023年6月15日)- YouTube

ECB、7月利上げだけじゃない

6月15日のECB理事会では、8会合連続となる利上げに踏み切り主要リファイナンスオペ金利を4.00%にすることを決めました。ラガルドECB総裁は会見で「ベースラインに大きな変化がなければ、来月も利上げを継続する可能性が極めて高い」と述べ、7月利上げに明確なシグナルを発信しました。しかも「利上げの一時停止は検討していない」とし、9月も利上げする用意があることを暗示させました。また、ユーロ圏経済はここ数カ月停滞気味でしたが、それ以上に底堅い労働市場が話題の中心で、利上げ幅を巡る議論の格子も労働市場だったことを明らかにしています。ECBの金融政策を見通す上では、労働コストの動向が重要になっています。今週発表される各種PMIは景気判断指標であるため、あまり関心が高まらないかもしれませんが、調査の中には賃金や労働市場のことも含まれるため、そこでの見解やコメントなどに反応する可能性はあり注意は怠れません。労働市場のひっ迫が指摘されるようなら、ECBの利上げ継続期待からユーロがもう一段上昇するかもしれません。

ユーロ/円は5月2日高値(151.609円)の上抜けに成功して、順調にレンジ上限を広げています。新高値を塗り替える動きで、上値の目途が見つけづらく、目先はどこまで高値を伸ばせるか着目されます。目途は、2022年10月21日高値(148.403円)と2023年1月3日安値(137.386円)の値幅の倍返しとなる159.420円付近と見られますが、さすがに距離があるため、このレベルにどこまで近づけるかがポイントでしょう。ただ、RSIは買われ過ぎの領域に入っていることもあり、短期調整も念頭に置いて浅めにストップロスを設定して買いで追随したいと考えます。

【ユーロ/円チャート 日足】

EUR/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:151.500-159.500

ポンドへの認識を改める時期かも

英国の労働市場の底堅さを受けて、市場では英中銀のターミナルレートは6.00%になるのではないかとの観測が出始めています。現在の金利が4.5%ですから、仮に0.25%ずつ利上げを行うとすればあと6回の利上げが必要になる計算です。金利の先高観はポンド相場の下支えとなります。今週は6月21日に5月消費者物価指数(CPI)、6月22日に英中銀による金利発表と重要なイベントが続きますので、これらイベントを通じて、市場の利上げ回数を織り込む動きが加速するのかどうか注目されます。

足元のCPIを巡っては、総合が前年比で伸び鈍化がみられるものの、食料品やエネルギーを除いた商品とサービスのコアCPIは逆に伸びが加速しており、インフレ再加速が懸念される状況です。コアのインフレに引っ張られるように、総合も伸びが再加速してくるのか注視されます。 また、英金融政策委員会では、これまで年後半に急速にインフレが鈍化するとのこれまでの見通しに変化が見られるのか、さらには今会合で何人の委員が0.5%利上げを支持するのかがポイントになります。

タカ派化が意識されるようなら、ポンド高進展が期待できそうです。また、昨年、9~10月にかけてインフレ上昇に伴う成長抑制の悪循環が意識されてポンドは軟調に推移しましたが、足もとのファンダメンタルズを見ると必ずしもそうした状況になっていません。ひょっとしたら、この認識を改めポンドは買い回転でついていく時期なのかもしれません。

ポンド/円は上昇のモメンタムを維持しながら下値を切り上げる格好になっており、地合いの好調さが窺えます。短期移動平均線からの乖離が広がっている点で調整が入っても不思議はないですが、基本的には買いで追随する局面と考えます。上値目途は2015年11月安値の184.242円となる一方、下値の目途は期間21日ボリンジャーバンドの+1σレベルである176.78円付近が意識されそうです。

【ポンド/円チャート 日足】

GBP/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:177.000-185.000

6/19 週のイベント

6/20(火) 18:00 ユーロ 4月建設支出
6/21(水) 15:00 イギリス 5月消費者物価指数(CPI)
6/22(木) 20:00 イギリス イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
6/22(木) 20:00 イギリス 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
6/22(木) 23:00 ユーロ 6月消費者信頼感
6/23(金) 8:01 イギリス 6月GFK消費者信頼感調査
6/23(金) 15:00 イギリス 5月小売売上高
6/23(金) 17:00 ユーロ 6月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
6/23(金) 17:00 ユーロ 6月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
6/23(金) 17:30 イギリス 6月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
6/23(金) 17:30 イギリス 6月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)

一言コメント

本日は6(むぎ)16(とろ)の日だそうで、週末にでも麦とろ蕎麦や麦とろご飯のおいしいお店を探して出かけてみようかと考えています。

 
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