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ドル円、理解に苦しむ上昇…反省を踏まえて見通し再考【ひろぴーの 実践!FXトレードストラテジー】

FXトレードストラテジー

個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。

作成日時:2023年5月17日13時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー

ドル/円をしばらく下落目線で勝負し、トレードしていたのですが、今週に入り136円に乗せてきてしまったこともあり、全てのポジションをカットしました
消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、新規失業者保険申請件数、小売指標、軒並み悪化でドル売り材料だったのですが、ドル/円は先週から3円近くも上昇した状況です。
正直、理解に苦しむほど腑に落ちない値動きに見落としがないか、反省を踏まえて本日はマーケットを見つめてみたいと思います

この数日、ドル/円やクロス円の上昇も含めてですが、ドルが頭一つ抜き出て強い状況が続きます。
FRBメンバーからタカ派発言は唯一の材料でしょうか?
一昨日もリッチモンド連銀のバーキン総裁からも必要ならばさらなる利上げも辞さないという見出しで報道がありました。
参考:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-16/RURBAQT1UM0W01

米銀行株の信用不安もありながら、構わずタカ派発言をすることは異例です。
血迷った発言はするとは思えないので、それ以上に理由がある可能性があります。

そこで、今一度、インフレ率について見直してみました。

インフレ率
出所:https://fx.minkabu.jp/indicators/US-CPI

こちらは、ミンカブサイトで閲覧できる、過去の米CPIとCPIコアの推移表です。

CPIコアにご注目ください。
実は、2021年12月から2023年4月まで、CPIコアは5.5%〜6.6%と推移をしており、先週の結果はご存知、5.5%でした。
もしかしたら、この数字の高止まりにFRBメンバーは嫌気を指している可能性があります。
CPIは4.9%と順調に下落をしてきましたが、これは燃料価格の下落の恩恵が大半です。事実上、政策金利5.25%にまで引き上げましたが、CPIコアはまだそれ以上ということもあり、実質物価負けしている状況です。
この一年半もの高止まりを考えると、年内利下げ(金利先物市場では9月が最有力)観測というものは、実はマーケットがミスリードしすぎている可能性もあります。
これがここ数日のドル/円やドルインデックスの堅調さに現れているのかもしれません

CMEの金利先物市場では、6月は77%の確率で現状維持、22%の確率で利上げとなっているのですが、直近のFRBメンバーの発言を見ていると、利上げしなくとももう少し牽制が入る可能性があります。
口先介入でドル高に持っていく手は輸入物価を直接抑える有効な手段です。
CPIコアの抑え込みがまだまだ不十分という認識にて、今一度この夏、ドル高が盛り上がるようにも思えてきました。
少なくとも年内利下げの可能性がなくなった、という事実はマーケットで全く織り込んでおりません。
もう一波乱ありそうです
一度、ドル/円は140-145円に戻る週足下落トレンドの大きな調整局面ぐらいは考えておいた方が良いかもしれません。

前置きが本日は長くなりましたが、ドル円チャート分析に入ります。

目次

▼ドル/円は139.50付近でようやく半値戻し

ドル/円は139.50付近でようやく半値戻し

USD/JPY 週足
出所:TradingView

ドル/円週足です。
年初128円割れを実現し、そこからアセンディングトライアングルを形成しながら、少しずつ下値を切り上げてきております。
今年の高値は137.80円付近となっておりますが、年内利下げ、ないしは金利先物市場の読みよりも数ヶ月以上遅れる場合は、一定の調整戻しが実現する可能性があるでしょう。
フィボナッチ的には、50%戻しでようやく139.50円付近です。
調整の余地はまだまだあると考えます。

前述通り、CPIコアの高止まりを考えますと、十分あり得るシナリオです。
また半年後も5.0%前後で推移しているならば、より警戒感を示すようになるでしょう。
年末まで5%台に保たれるのであれば、2年間もインフレ経済が続くことになります。
2年前の物価水準と比較すると、11-12%の上昇となっておりますので、翌年月比ベースでは2.0%で推移していたとしても、3年前と比較して、12%程度物価が上昇しているので経済成長スピード的にまだ追いつくのは難しいレベルです。

つまり米連邦準備理事会(FRB)が健全な姿勢を貫くならば、狙うべき数字は0%やマイナスで推移させるぐらいの期間が少なくとも半年程度はあるべきぐらいで考える必要があります。

物価を是正するならば、高インフレの長期化は、それ相応の低インフレの期間が必要になります。
政策金利を高く保つ期間を長くしなければならない観点から、つまり日米の金利差は市場が予想している以上に長引く可能性を考えなければなりません。
よって、日本からの外債投資もまだまだ活況を呈する可能性が高いわけです。すでにその買いが為替市場に出始めているかもしれません。
YCC撤廃といえど、されどそれが日本の金融政策転換レベルからすれば、それが限界です。
4.5%以上の金利差はまだ1-2年は続くかもしれません。
このように考えを改め始めました。
今日は長期目線での文章になってしまいましたが、今週後半より、ゆっくりとドル/円中心にクロス円も含めてロングポジション構築方向でトレード戦略を変更していこうと考えております、ご参考まで。

【ひろぴー氏出演動画】


【インタビュー】

f:id:gaitamesk:20191224173146p:plain
「初心者から上級者まで相場観が一致したときが一番危険」(前編)

<もくじ>
・幼稚園児 投資に目覚める
・どこか引っかかる感じを大切に
・個人投資家におすすめ書籍と読む時期

 

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「低勝率型こそ1憶円への近道」(中編)
<もくじ>
・勝率は低いほうがいい
・その失敗が糧となる!?
・他の金融商品も考え方は一緒
・日銀緩和のときに活きた投資の勉強
・決済はむずかしい
・低レバレッジでリスクを抑える

 

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「はじめて話す 外為注文情報 活用法」(後編)
<もくじ>
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
・レポートの勧め


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ひろぴー
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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