シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート減少】
5月9日時点で円のポジションは、ドルに対して6.1万枚の売り越し(ネットショート)。
ショートがやや大きめに取り崩されたことから、ネットショートは前週から約0.7万枚減少。
期間中のドル/円相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で次回以降の利上げに対して慎重な見方を示したことなどで133.50円前後まで下落。その後、市場予想を上回る米4月雇用統計の結果を受けて135円台を回復した。
ただ、FOMCの利上げ打ち止めが視野に入ったことでドル/円の先高観が低下したことから円ショートポジションを手仕舞う投機筋が多かったようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング増加】
5月9日時点でユーロのポジションは、ドルに対して17.9万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増されたため、ネットロングは前週から約0.6万枚増加。
期間中のユーロ/ドル相場は、欧州中央銀行(ECB)が利上げを実施し、ラガルドECB総裁が利上げサイクル継続を示唆したことで1.1092ドル前後まで上昇した。
その後、ユーロ/ドルは伸び悩んだが、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続への思惑は根強く、投機筋はユーロロングポジションを増やしたようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットロング増加】
5月9日時点でポンドのポジションは、ドルに対して0.5万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングの積み増しがやや優勢だったことでネットロングは前週から約0.3万枚増加。
期間中のポンド/ドル相場は、英国の景況感が改善を示したことなどから、約1年振りとなる1.2668ドル前後まで上昇した。
英中銀(BOE)による利上げサイクルが継続するとの思惑から、投機家はポンド買いポジションを増やしたようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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