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今週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪月次CPIが引き続き鈍化していれば…?」ハロンズ FX 2023/3/26

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪月次CPIが引き続き鈍化していれば…?

先週の振り返り

今週の豪ドル/円は88.41円前後、NZドル/円は82.62円前後で週初を迎えました。経営不安が報じられたスイス金融大手のクレディ・スイスを、同じくスイス金融大手のUBSが買収することが決まり、市場のリスク警戒感が後退。豪ドル/円は89.23円前後、NZドル/円は83.26円前後まで上昇。両通貨ペアともに週の高値を記録しました。しかしその後は金融システムへの不安が完全に払拭されず豪ドル/円、NZドル/円の上値を抑える一因となりました。21日には豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨(3月7日開催分)が公表され、市場がハト派的と捉えたため豪ドルは下落。24日には米ドル/円が約1カ月振りとなる130円割れを試しに行ったことで、クロス円の豪ドル/円は86.71円前後、NZドル/円は81.11円前後まで連れ安となりました。(執筆時)

家計消費は横ばいを脱せるか?

3月21日にRBA理事会の議事要旨(3月7日開催分)が公表されました。その中でRBAは「利上げ利下げのタイミングはデータ(経済指標の結果)や経済見通し次第」としながらも、「次回会合で利上げ休止について再検討する」との見解を示しました。
今週は2つの重要な「データ」が発表されます。3月28日に豪2月小売売上高、翌29日の豪2月月次消費者物価指数(CPI)です。RBAは3月7日の理事会の声明でインフレがピークアウトした可能性を示唆しました。一方で、高インフレと高金利が家計支出に影響を及ぼしていることを認識している旨も示しています。豪州の小売は昨年12月に大きく減少しましたが、1月には反発しています。この結果について、豪統計局(ABS)は「11月、12月、1月は1年で最も季節的な要因を受ける時期であり、小売活動はクリスマス期間と1月の休暇の影響を大きく受る。」「1月の小売売上高は大幅に回復したが、9月から見ると成長は平均して横ばい」との見解を示しています。豪2月小売売上高の市場予想は前月比+0.1%となっています。予想を下振れた場合には豪経済の減速懸念に繋がり、豪ドル売りの圧力が高まりそうです。

【豪州 小売売上高推移】

インフレが2カ月連続で鈍化すれば?

29日には豪2月月次消費者物価指数(CPI)の発表があります。RBAは「月次CPIは四半期CPIの補助的なもの」との見解を示していましたが、3月のRBA理事会では「月次CPIを見るとインフレ鈍化の兆しが見えた」と示しています。確かに1月のCPIは前年比+7.4%と12月の+8.4%からは大きく鈍化しています。しかし、ABSも「12月は季節的な要因がインフレ加速に大きく影響した」と認めている通り、12月分との対比で「インフレ鈍化の兆しが見えた」とは言えません。11月の7.3%と比べるとインフレは高い状態です。

【豪州 消費者物価指数推移】

今回発表される2月分では市場は前年比+7.2%と、インフレは小幅ながら鈍化していることを予想しています。市場予想通り鈍化傾向が続けば、RBAが次回会合(4月4日)に利上げを見送る可能性が高まってきそうです。ちなみに豪州の月次CPIが2カ月連続で鈍化した場合は2020年4-5月以来、約3年振りとなります。

一方で、予想に反してインフレが加速していた場合、RBAは3月の議事要旨で「利上げ休止のタイミングはデータや経済見通し次第」とも示していましたので、次回会合で追加利上げの可能性が浮上してきます。市場は現時点でほぼ据え置きを織り込んでいますので、相応の反発(豪ドル買い)が見られる可能性がありますので要注意です。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円の週足一目均衡表を見ると、①基準線を転換線が下抜け、②遅行線がローソク足の下、③ローソク足が雲下限の下、と三役逆転が発生し売りシグナルが点灯しました。基本的には長い時間軸でのシグナル発生は短い時間軸のものより強いトレンドとなると考えられています。下値は、2021年10月に上値を抑えた86円前後が一つ目のサポートとして意識されそうです。その水準を下抜けた場合は、心理的節目となる85.00円や、2022年1月5日高値の84.29円前後が下値目途となりそうです。

一方で上値は、2月23日以降は日足一目均衡表の転換線がレジスタンスとして機能しています。88円台半ばから後半には週足の雲下限(88.79円前後)も位置していますので、相応に意識されそうです。

【豪ドル/円 週足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:84.00-89.00、NZD/JPY:78.50-83.00

3/27 週のイベント:

03/28 (火) 09:30 豪 2月小売売上高
03/29 (水) 09:30 豪 2月消費者物価指数(CPI)
03/30 (木) 06:45 NZ 2月住宅建設許可件数
03/30 (木) 09:00 NZ 3月ANZ企業信頼感
03/31 (金) 10:30 中国 3月製造業購買担当者景気指数(PMI)

一言コメント:

先日、所用でお休みをいただきました。私と小俣研究員がやっている外為総研のYouTube番組「ドル円 昼ライブ」には、宇栄原研究員が代打で出演してくれました。夜に家でアーカイブを見ていると、筋トレ大好きな宇栄原研究員が「ダイエットをするにはまず食事を…」などと話していました。目の前にいる妻の視線が痛かったです。(笑)

 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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