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今週の為替予想(ポンド/円 ユーロ/円) 「英国除いて欧州諸国はタカ派化漸進」ハロンズ FX 2023/3/26

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2023年3月24日 16時50分

英国除いて欧州諸国はタカ派化漸進

3月20日週のユーロ/円とポンド/円は後半失速

スイスのUBS銀行が経営不安に陥っていたクレディ・スイス銀行を買収することで合意したことが伝わると、目先のクラッシュ回避との思からユーロ/円は143.630円まで反発しました。また、英国の強い消費者物価指数を受けて利上げ停止観測が後ろ倒しされるとの観測もあり、ポンド/円は163.330円までレンジ上限を広げました。ただ、金融市場へのストレスが残り経済の見通しが不鮮明な中で、ユーロ/円は140円後半、ポンド/円は159円後半まで上昇幅を縮小させました。(各レート水準は執筆時点のもの)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

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外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が、平日21時より配信するFXライブ番組

FX ライブ配信、FRB6月利下げ?ドル円の見通しは!BoE 短期売買・リアルタイム解説 (2023年3月23日)- YouTube

ユーロ高目線維持も、万全ではない

ラガルドECB総裁は20日、「必要なら金融システムを支える」としながらも、「基調的なインフレは下向きトレンドに入った証拠がない」として、インフレ退治を優先する考えを改めて表明しました。16日のECB理事会で示された2023年のインフレ見通しは5.3%と、昨年12月時点の6.3%から低下しターミナルレートの目線は小幅に下がりましたが、ECBのタカ派姿勢は変わっていないようです。5月4日の次回ECB理事会では0.25%利上げ予想が優勢ですが、まだ日もあり新たに発表される経済データの状況や、外部環境の好転によっては0.5%利上げの選択肢も捨てきれません。欧米の金利差縮小が意識される中で、ユーロは底堅さが増しつつあると考えます。

3/31(金)のユーロ圏3月消費者物価指数(HICP、速報値)が、インフレ懸念再燃を想起させる強い結果となれば、企業マインドの改善ムードが広がる中でユーロ買い戻し進展が期待されます。ただ、金利上昇による債券価格の下落は金融機関の資産内容悪化につながる危険もあり、ユーロ圏発の金融システム不安が今後、出ないとも言い切れません。こうしたテールリスクが起こる確率は今のところ低そうですが、ヘッジファンドやファミリーオフィスなどの破綻を契機に伝播する可能性もあるため、ユーロ高目線も万全とは言えません。また、今週は四半期末に当たりフロー中心の相場展開となりやすいため、不意な実需のフローから方向性を見失う危険もあり、油断はできません。

英中銀、利上げ停止観測醸成せず

23日の英中銀MPC(金融政策委員会)声明文での「インフレがさらに持続する兆候があれば一段の引き締めが必要」との文言から、英中銀のタカ派継続が確認されました。ただ、前日の22日にインフレ加速を示す消費者物価指数が発表された割には、タカ派具合はそれほどでもなかったように感じます。これは、サービス分野のインフレが0.1%増に抑えられていたことが影響したようで、当局側は今回の物価データの上振れは一時的との見方のようです。

そのため、2月に出した今年の急速なインフレ低下見通しはまだ維持されており、利上げを急く雰囲気はそれほど醸成されていません。ユーロ圏をはじめ欧州各国がタカ派姿勢を鮮明にしているため、英国との金融政策を巡る格差からポンドは上値の重い展開となりそうです。ただ、インフレ鈍化は持続的な成長回復を支えることにもつながるため、長期的な視点では必ずしもポンドのネガティブ材料ではありません。ポンドの下値も限定されそうです。また、英議会がスナク首相が提出したEU離脱協定の見直し案の主要部分を大差で可決するなど、欧州との関係改善もポンドを下支えしそうです。

ユーロ/円、節目の140.000円割れで下落加速か

ユーロ/円は、1月後半からの上昇チャネルの下限を上回る局面はありましたが、結局、定着できずに押し戻されています。週足レベルでの底堅さはなくなっておらず、長期的には底堅いとの判断ですが、日足ベースでは複数トレンドラインが下向きに転じて上値の重さが意識されます。心理的節目の140.000円を再度、割り込んでくれば、1/3安値(137.386円)に向けて下落スピードが増すかもしれません。

【ユーロ/円チャート 日足】

EUR/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:137.500-142.500

ポンド/円、三役逆転で下値拡大も

ポンド/円は、一目均衡表の雲の中で上値をじりじりと切り下げています。このまま進めば、来週にも三役逆転となる見込みです。そうならないためには、同雲の上限が推移する162.318円(執筆時点)付近まで切り返す必要がありますが、これまで上昇中だった21日移動平均線も下落に転じるなど、反発へのハードルは高いようです。三役逆転となれば、年初の安値(155.363円:1/3)まで上値を切り下げそうな雰囲気です。

    【ポンド/円チャート 日足】

    GBP/JPY日足チャート
    出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
    予想レンジ:GBP/JPY:155.500-162.500

    3/27 週のイベント

    3/27(月) 17:00 ドイツ 3月IFO企業景況感指数
    3/27(月) 26:00 イギリス ベイリー英中銀(BOE)総裁、発言
    3/28(火) 15:45 フランス 3月企業景況感指数
    3/28(火) 17:45 イギリス ベイリー英中銀(BOE)総裁、議会証言
    3/29(水) 15:00 ドイツ 4月GFK消費者信頼感調査
    3/29(水) 15:45 フランス 3月消費者信頼感指数
    3/30(木) 18:00 ユーロ 3月消費者信頼感(確定値)
    3/31(金) 15:00 イギリス 10-12月期四半期国内総生産(GDP、改定値)
    3/31(金) 18:00 ユーロ 2月失業率
    3/31(金) 18:00 ユーロ 3月消費者物価指数(HICP、速報値)

    一言コメント

    2021年の東京オリンピック、2022年のサッカーワールドカップ、そして先日のワールド・ベースボール・クラシックとスポーツイベントが続き、人々の気持ちが以前と比べて前に向かっているように感じます。しかも、来年はパリでオリンピックが開催されますので、そのスピードは今後、徐々に加速していくのでしょうね。

     
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